再編には時間かけて

 泉尾第二工業高校の新入生募集停止の撤回を

    瀬戸議員が要求

                    (しんぶん赤旗 2000年9月24日)

 

 22日の大阪市議会文教経済委員会で、大阪市立泉尾第二工業校の来年度新入生募集停止の撤回を求める請願が審議され、日本共産党のせと一正市会議員が採択を求めて質疑しました。
 市教育委員会は今年3月、市内の4つある工業系定時制高校のうち、生野第二、泉尾第二の来年度新入生募集停止方針を突然発表し、10月の教育委員会議で正式に決定しようとしています。請願は、泉尾2校教員25人、卒業生1340人、大正区の住民738人の連署で3通出されました。教員からの請願では教師職員会議の総意でまとめた改革案(定員80名は変えずに、今日の時代にあったクラフト・アートや情報など新しい学科の設置、単位制の導入など)の実現も求めています。
 瀬戸議員が教員の改革案をどう評価するのか、工業系定時制高校をどのように再編しようとしているのかただしました。三浦三男高等学校教育課長は「この提案は80名の人数では生徒が集まらない。もっと規模の大きな生徒数が必要」、「市内の四つの定時制高校を1つに統合して、独立した校舎をもち朝昼夜の3部制教育ができる中央高校(商業系)のような大きな規模の定時制高校にしたいと考えている」と答弁しました。
 瀬戸議員は、「4つの地域で通学しやすい学校をつぶすのは遠くまで行けない生徒を切り捨てるもの。今の定時制は勤労生徒だけでなく全日制中途退学者や不登校生徒などをよみがえらせる貴重な役割を果たしており今の社会もそれを求めている。これは小人数だからこそできる」と指摘。独立校舎・3部制の定時制高校構想については、市教委が新たな土地をもっておらず建設費も100億円以上もかかる点をあげて、「全日制工業高校や定時制高校の全体を再編しようというのであればもっと時間をかけて議会や市民の間でも慎重に議論をすべきだ。展望も示さず2校の募集停止だけを強行することは、定時制高校教育充実を提言した市高等教育審議会答申にも反している」と指摘し、請願の採択を求めました。自民、公明、民主・民友の3会派は持ち帰り検討することを主張したため、請願は多数決で継続審査の扱いとなりました。
議会 日時 付託委員会 請願・陳情名 質問者 各会派の態度
共産 自民 公明 民民 無所属
2000年9.10月市会
2000.9.22 文経 大阪市立泉尾第二工業高等学校の募集停止計画を見直し、大阪市立泉尾総合高等学校(仮称)を設立するよう求める請願書 瀬戸
2000.9.22 文経 大阪市立泉尾第二工業高等学校の存続と発展を求める請願書 瀬戸
2000.9.22 文経 大阪市立泉尾第二工業高等学校募集停止の再検討を求める陳情書 瀬戸
○…採 択  △…継 続  ×…不採択  ▲…一時不再議  ■…審査不要
 共産…日本共産党  自民…自由民主党  公明…公明党   民民…民主・民友大阪市会議員団  無所属