辻議員
大阪城周辺の景観守れ 真の都市再生
 大阪市会計画消防委員会で18日、日本共産党の辻ひで子議員は、大阪城から上町台地周辺をとりまく景観保全を強く求めました。
 辻議員は、大阪城を中心に東西南北を高層ビルがとり囲こみ、周辺の景観が、以前は自主規制で保たれていたが、年々とどまるところがないほど悪化していると強調しました。
 大阪城(海抜87.2メートル)を中心に、南側にはNTT西日本ビルが約86メートル、農林会館約53メートル、東側には森ノ宮公団約90メートル、北側にはツイン21ビル約162メートル、クリスタルタワー約161メートル、西側にはNHK大阪放送局が155メートル、歴史博物館が103メートルなど、大阪城の倍の高さの建物が取り囲んでいます。そんな中でも、大阪城ホールは、最大収容人員16,000人、武道館をしのぎ、この種の施設では最大規模を誇る施設として計画されましたが、屋根は銅板ぶき、高さは本丸の石垣の天端高25m以下に抑え地下3階にし、周辺を石垣で囲むなど景観上も天守閣と調和した外観となるよう配慮されたことを紹介。
 高度成長時代が終わり、バブルの崩壊で経済不況が長引き、人々の歴史や文化、街づくりに対する考え方も変わってきています。21世紀の未来を担う子どもたちに高層ビルや乱開発で多大な借金だけを残すのでなく、大阪城歴史、文化、自然など調和のとれた景観を守ることは今からでも遅くない。上町台地一体を地区計画指定し、街づくりをすすめることこそ、真の大阪の都市再生ではないかと市長の意見を求めました。
 磯村市長は「子供の頃は大阪城と通天閣が見える街がほこりだった。戦災で焼け野原になったときも大阪城は残った。土地の値段が上がるに従って建物も高くなった。大阪市として、土地利用について法律で権利侵害はできない。、できるだけ周りの景観とあうようと要求はしましたが、結果として思った以上に高層ビルが建ち、大阪城が回りから見えなくなるという心配がある。大阪の街のあり方から見て、あまり無茶苦茶に高層ビルが建つというのもどうか。可能な限り、大阪城だけでなく、大阪全体の歴史と文化を生かし景観を守っていきたい。特に大阪城の景観は誇りとするべきところなので守っていきたい」と答弁しました。