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下田敏人議員が補正予算について質疑

下田敏人議員

2009年6月25 日

 日本共産党の下田敏人市会議員は6月25日開催の建設港湾委員会で、政府の補正予算に対し港湾局の対応を質疑しました。大阪市が夢洲のバースC11を耐震化し、その費用108億円のうち市が36億円を負担する、さらにその岸壁を「国有化」するという説明に対し、下田議員は、バースC10が70億円、C12も66億円負担し、3バース合わせて市の負担合計は172億円にもなり、これだけの負担をしながら「国有化」だから本来、市に入るべき岸壁使用料は入らない、さらに岸壁は「国有化」されるので港湾管理者の大阪市は口をはさめないなどと指摘しました。

 市側は、夢洲は港湾物流の高度化に対応した高規格コンテナ埠頭として、低コストで効率的な運営を目指しており、今回の補正予算でC11の耐震工事、及び国有化により、C10、11、12の3バースの耐震化が可能となる、岸壁部分は夢洲コンテナターミナル株式会社、通称、DICTが借り受け、荷役機械などを設置し一元的に運営する、市に岸壁使用料は入らないが維持管理経費は不要となり、ターミナルの管理、運営はDICTと本市が連携するので、港湾物流の高度化とDICTの安定的な経営に資するなどと答弁しました。

 これにたいし、下田議員は、以前の港湾法には国の「直轄工事」に係留施設は入っておらず、臨港交通施設だけだ、工事は港湾管理者が行い国が4分の3、市は4分の1を負担し、その施設は地方自治体の物であった、港湾法52条を改正し、国が係留施設や臨港交通施設以外の工事を行えるようにした、これは以前、地方の港湾整備を行い大きな批判を浴びたことから方向転換をし、大都市における港湾整備とそれを結ぶ高速道路等の整備を進めようとするもので、こうした整備のあり方は歴史の逆行だ、などと指摘しました。

次に、メガオペレータ・DICTの準備状況について下田議員は、C11ではエバーグリーン社と専用貸等の契約が2012年8月まで残っているが、こうした会社とどういった管理運営を行うのかと質問しました。市側は、現在、具体的な方法は協議中であるが、DICTとエバーグリーン社が共同借受する事で確認していると答弁しました。

 下田議員は、この10月から一体使用が始まるのに、いまだ明確でないと批判。メガオペ・DICTは当初14社で設立し1社が加わり15社であった、しかし開業直前に郵船港運やR岸壁の鴻池運輸が抜けて現在7社になっている、その理由は何かと質問しました。市側は、DICTが事業計画を具体化する中で、専用のターミナルを借りている船社の関連会社や事業の選択と集中を進める会社が参加を取りやめた、しかし残る7社は大阪港で取り扱うコンテナ貨物の9割近いシェアを持っているなどと答弁しました。

 下田議員は、鴻池運輸や東京船舶、ハンジンなど幾つかの船会社は咲洲に残ると言っている、リーマンショック以来、貨物も減っている、夢洲は倉庫もないから荷物の積み降ろしでトラックは夢洲と咲洲を往復する事になる、港運業者は倉庫等が残る咲洲にいたほうが有利と判断しているのではないか、夢洲3バースを国有化し、岸壁使用料はわずか、コストが下がるというだけが魅力的ではないという事だ、市は船が大型化し入港数も増えるといい建設を推し進めてきたが、コンテナ貨物は集まらず、無理に咲洲地区から船舶を移動させてきた、しかし移動しない船会社が出てくる事態が、つまりスーパー中枢港湾建設は必然性がないという証明だ、日本共産党議員団は以前からこの事を指摘してきた、今回の施策は市財政において過大投資になり、一般会計でつぎ込んだ岸壁建設の費用回収もされないというのは論外である、などと指摘。したがって補正予算案には賛成出来ないと厳しく批判しました。