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大阪市3セク特定調停を具体化する補正予算

日本共産党議員は、追加出資の不当性を追及

2004年9月24日

大阪市議会では、今年2月の特定調停によって大阪市に義務づけられたATC・WTC・MDCの三セク3社への追加出資(104億円)を、新たな借金によってまかなうという補正予算案が提案され、日本共産党はその不当性を追及し質疑しました。

24日の計画消防委員会では関根信次議員が、MDC(湊町開発センター)への24億円は、市がMDCに貸し付けている204億円を株式にかえる事と併せて228億円の資本援助をすることであり、今後の経営が危ぶまれているMDCが再び破綻すれば、これらの税金は消えてしまうと指摘しました。理事者は、出資銀行もMDC建設にかかわった銀行団も91億円の債権放棄をしているから大阪市の措置はやむを得ないと答弁。しかし開業以来6年間で融資元金56億3千万円を回収したうえに利子を36億5千万円、併せて債権放棄分より多い92億8千万円を手にしており、既に元は取っています。大阪市の負担はこれに止まらず、運営補助として毎年5億円余りを今後30年にわたって投入し続けるというもので、関根議員は「市の財政難を口実にこの数年間で市民のための住宅・学校・公園などの予算が大幅に削られている中で、このような税金の使い方は到底認められない」ときびしく批判しました。

また同日の建設港湾委員会では下田敏人議員が、WTC(ワールドトレードセンター)への40億円は、本来埋め立て地を売却した金であてるべきだが底をついており、地域再生事業債という借金でWTCを支援するというもので、しかも、40億円は金融機関への借金返済にまわされると指摘。大阪市の財政が悪化しており、港湾局の起債償還予定も2005年からの5年間で520億円という巨額にものぼっているなか、とうてい市民の納得は得られないと指摘しました。

27日に開かれた財政総務委員会では瀬戸一正市会議員が質疑。大阪市が今後三セク3社に出す金が今回の追加出資をふくめて2289億円にもなる、今後30年間、年70億円もの財政負担にもなることを明らかにしたうえで、今後市民に新たに負担が押しつけられようとしているものとして、今年11月からの大阪府老人・障害者・母子父子家庭・乳幼児にたいする医療費助成制度改悪による62億円の負担増、来年度にも有料化が検討されている市バス・地下鉄敬老優待パス事業が81億円、06年度実施が決まっている市民税の老年者控除廃止・年金所得課税強化による負担増が18億円、今年度の税制改革で議論されている定率減税の廃止が強行されるなら市民税で負担増が96億円にもなることなどを示し、ATCなど三セク3社の銀行借金返済にあてられる追加出資は到底認められるものではないとして、そのための新たな借金に反対しました。

同日の文教経済委員会では姫野浄議員がATCへの40億円の支出に地域再生事業債を当てる問題について質疑。地域再生事業債は10年ものぐらいと言われており、10年後はまた新たに起債、ATC再建期間中の30年間で27億円もの利息を払うことになると指摘。現在でも市民一人あたりの借金は200万円を超えており、これ以上借金を増やすことは許されず、地域再生にも役立たないと批判しました。

自民・民主・公明の与党は補正予算に賛成し、議会のチェック機能を果たしませんでした。