title

財政悪化は「集客都市論」によるムダな事業が原因

財政総務委員会で稲森豊議員が質疑

稲森豊市会議員  2004年3月16日

稲森豊議員は316日、財政総務委員会において予算質疑を行いました。

まず最初に、大阪市の財政は経常収支比率が限りなく100%に近づき、臨時収入によってかろうじて収支をつぐなうという風に硬直化が進み、そのしわ寄せとして市民福祉の後退、職員の給与の切り下げという事態を招くに至っている事を指摘し、その主要な要因が「集客都市論」を掲げ、巨大開発に借金までして税金を投入してきた事にあることは明らかで、その結末が三セクの特定調停という事態を生んでいる。関市長はその責任を取ると称して3ヶ月分、歳費の二分の一削減を行ったが今年度の予算は巨大開発路線についての反省や見直しの気配も無く基本的には従来どうりの巨大開発路線を踏襲する内容となっている。巨大開発路線が破綻したのは単にバブルが崩壊したからとか、計画がずさんだったと言うものではない。根本は今の日本、あるいは大阪でそもそもそのような大型プロジェクトを受け入れるだけの需要が存在しなくなっていることを直視しなければならない。今後、都市再生と名を変えても巨大開発事業はある局面で成功したような現象がおきるかもしれないが、大半の事業は破綻を免れない。もうこれ以上、市民に幻想を与え巨大開発に税金を投入することは許されない。それでもやるんだと言うのなら、これまでの開発事業の行き詰まりの総括とこれからやろうとしている「都市再生」によって大阪はどのように再生し市民生活はどのように向上すると考えているのか具体的に市民が納得できるようにプロセスを示して説明すべきであるとせまりました。また最小の投資によって最大の効果を売るこれが財政のイロハである。費用対効果、コストベネフィット論の権威者と自負していた経済学者、磯村市長が大阪市の財政を破綻させたのもたとえ経済の専門家でも誤った経済政策を行えば財政を破綻させる良い見本だ。こんどは「北ヤード開発」を救世主にしようとしている。どのようなまちづくりの方向を目指すのかの市民合意も無く、区画整理事業を先行させる予算を計上している。加えて貨物駅の移転による自動車公害の拡散、これもなんらクリアーせず関西財界の利益のための水先案内人のような役割を果たそうとしている。私は今の深刻な大阪の地盤沈下、北ヤードの開発が起爆剤となって好転するような簡単なものでない。身勝手な社会的責任をとらぬ企業を又もや大阪に呼び込む都市再生が市民に恩恵を与えるはずがない。改めて巨大開発中心の町づくりを方向転換し市民生活を中心に据えた街づくりへと転換を図るよう求めました。

これに対し理事者は「都市再生によって大阪は活性化する」という従来の抽象的な答弁を行うにとどまりました。