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いなもり議員が阿倍野再開発事業会計報告を批判

稲森豊市会議員

2010年9月13日

9月13日、計画消防委員会が開かれ、いなもり豊議員は、2009年度決算の阿倍野再開発事業会計報告に関連して質疑しました。

阿倍野再開発事業については、市債残高2,070億円もの莫大な資金不足を今後、20年間も市民負担が生じるという実態でありながら、一般会計から繰入金により資金不足が発生していないという大阪市の報告について、収支の実態を正しく反映しない「粉飾決算」だと批判しました。提出資料@A

大阪市は「事業施行区域が広大で権利者数も多く、長期に及び、その間バブル経済崩壊の影響もあり約2,100億円の収支不足を抱えるに至った。本市財政の多大な負担となっていることについて、大変重く受け止めている」と延べ、「今後10年間が収支不足のピークとなり、2014年度の233億円を最高に10年間の平均で約166億円の繰入が必要な状況となっています。2032年度以降は、収支が均衡していく予定だ」と答弁しました。

阿倍野再開発事業費の歳出は4,920億円、起債利子が1,720億円、起債償還金が4,260億円の合計1兆900億円となり、歳入は、補助金が1,870億円、保留床処分金等が2,510億円、起債収入等が4,260億円、繰入金が190億円の合計8,830億円で、差し引き2,070億円の収支不足です。

稲森議員は、「今後20数年間で市民一人当たり78,000円もの莫大な負担を強いる」ことを紹介し「事業の総括をして今後同じ轍を踏まないようにすべきだ」と指摘、併せて開発間近の阿倍野再開発事業A2棟地区の今後の見通しについて質問しました。

担当課長は「平成23年3月、A2棟が完成すれば、大阪府下最大級のモール型ショッピングセンターとなり、年間約1,700万人の来場者が見込まれ、雇用創出効果もあり、地域活性化に大きく貢献し、街のにぎわいと魅力、街の発展にとり大きな意義がある」と答えました。

稲森議員は、梅田周辺開発地域の過剰床状況を紹介し、阿倍野再開発事業についてはハード面の完成で事業が終息したとするのではなく、当時の事業目的が達成されているか、将来に渡って、この地域がどういう機能を果たしていくか検証していていかなければならないと指摘しました。