窮地のWTC救済か 水道局移転

渡司議員が撤回主張
            
(しんぶん赤旗 2000年9月24日)

 22日、交通水道委員会が開かれ日本共産党の渡司考一議員は、水道局が南港のワールドトレードセンタービル(WTC)に移転しようとしている問題について質疑をおこないました。
 水道局は当初、扇町にある本庁舎を建て替える計画で、市議会では新築の必要性、震災対策も含め約2年程度の議論と検討がおこなわれ、1億円あまりのお金をかけて基本設計まで終わっていました。WTCは三井物産が今年4月に5.5フロアー分、同ビルから退去し中之島本社ビルに移転したため窮地におちいっていました。
 日本共産党市会議員団は水道局のWTC移転は形を変えた三セク支援であり、震災対策、市民や職員の利便性から考えても移転をすべきではない、ましてや年間数億円という高額の家賃が水道料金値上げにつながるという事を指摘し続けてきました。
 今年三月の予算審議の際、關助役が「移転については公営企業としてもマイナスにならないという計算をしている」と答弁していたため、渡司議員は答弁についての基礎資料、計算根拠を示すよう、水道局、市長室に求めていました。ところが大阪市当局が資料請求後、2ヶ月余りたっても根拠を示す資料を示せなかったため、この日の質問となったものです。
 渡司議員は資料をなぜ出さないのか、またWTCの家賃はいくらなのかと質問、遠藤企画主幹は「移転についての試算はしたが、借りる面積、あと地(現扇町庁舎)利用未確定のため発表できない」と答弁、家賃についても、いまだにWTC側と調整中であると答えました。この答弁は關助役が「移転についての試算をしている」といいきったものの、面積や家賃という移転についての重要な中身が検討されたものではなかったという事を示したものです。結局、水道局のWTC移転は、まともな試算もなしに、最初から移転ありき、3セク支援で進められ、巨大開発の失敗に市民の税金ばかりか、水道料金までつぎ込む計画である事がはっきりとしました。渡司議員はこうした計画は撤回し再検討すべきだと主張しました。