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「大阪都」構想「協定書」共産党各市議がただす

2014年10月10日

 大阪都」構想の「協定書」をめぐり、10日開かれた大阪市議会各常任委員協議会での日本共産党市議の質疑のポイントを紹介します。

特別区設置で敬老パス混乱

市民にメリットなし

岩崎議員

 岩崎賢太市議 大阪府に移管される事業に敬老パスが入っていないので、各特別区で実施を判断することになる。実施するところとしないところ、1乗車あたり50円にするところや0円、100円など金額を変更するところなどが出てきた場合、システム面での支障は出ないのか。

 市交通局 乗車金額を変更するには相当な費用が生じ、その費用は新たな負担額を採用した特別区が負担する。

 岩崎市議 何かとややこしいことになり、特別区設置は市民にとって全くメリットがなく、弊害だらけだと言わざるを得ない。

特別区管轄になる市営住宅

募集で2.8倍格差も

小川議員

 小川陽太市議 市営住宅が特別区の管轄になる。管理戸数の人□比が最大の中央区と最小の南区で2.8倍の格差となり、募集は当該区民対象になる。市民にとってはサービス低下だ。

 市都市整備局 (募集要項は)区の判断で行う。

 小川市議 大阪商業大学の研究所の試算では「都」構想が成長戦略とするカジノが誘致されれば近畿の91万人が通い、平均4万円の消費で415億円が吸い上げられる。金をまきあげるだけのカジノ誘致から手を引き、中小企業、商店街、物づくり支援に力を注ぐべきだ。

こども相談センター

機能・水準後退の恐れ

井上議員

 井上浩市議 児童相談所は特別区の設置とされる。大阪府は総相談件数、虐待相談対応件数とも全国一(2011年度)で、府と市はそれぞれ役割分担、すみわけがされている。特別区設置となれば、市のこども相談センターが蓄積してきた機能や職員体制、水準が分散・後退するのではないか。

 市こども青少年局 特別区で課題を解決していく。

 井上市議 「協定書」は5館体制に必要なコストも財政的根拠も示していない。欠陥だらけだ。核となるセンターと24区の連携をしっかり図り、迅速、的確に対応できるシステムの構築こそ必要だ。

一部事務組合移行で国保値上げ

住民の声反映に逆行

北山議員

 北山良三市議 市の多くの福祉事業が一部事務組合(特別区の共同事業)に移行する。国保事業は今の大阪市では、国保会計に一般会計から多額の任意繰り入れが行われているが、一部事務組合に移行されればなくなる可能性がある。そうなればl人当たり年間約2万3300円の国保料の値上げになる。

 市福祉局 今後一部事務組合と関係者で整理される。

 北山市議 介護保険事業も移行するが特別区の裁量権は小さくなる。一部事務組合は議員の選出が間接的で議会の開催は予算と決算程度だ。住民の声を行政に反映していくことに逆行する。

財政厳しい府に移管されれば

下水道事業に悪影響

小原議員

 小原孝志市議 市はゲリラ豪雨時の浸水対策などの雨水の排除にかかる経費に、一般会計から毎年290億円を下水道事業に繰り出している。下水道料金も他市に比べて非常に安い。この事業が財政が厳しい府に移管されることで予算が削減されるなどの悪影響はないのか。

 市建設局 繰り出し基準は総務省通知で定められており、一部は交付税措置される。府に移管しても基準が変わらないため確保されると認識している。

 小原市議 基準は任意補助で決めるのは府、繰入金が削減されないという担保にはならない。