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助産所も組み込んだ緊急ネットワークづくりを要望

妊婦健診は無料化に

民生保健委員会で長谷正子議員

はせ正子市会議員

 2007年9月25日

 9月25日、大阪市議会民生保健委員会が開かれ、長谷正子議員が助産所の問題をとりあげて質疑しました。

 厚生労働省の統計で助産所・助産師で、全国的には1万人の出産があり、市当局によると現在大阪市の助産所数は72施設、そのうち分娩をとり扱う助産所は5施設、また、妊婦の自宅などで分娩をするなど出張分娩をとり扱う助産所は6施設あり、2005年は255人で全体の1%を助産所で出産しています。

 長谷議員は、助産所での出産は病院に比べて満足度が高いということが実際にお産をされたお母さんからも言われており、今静かなブームにもなっています。しかし今年4月から医療法19条が改正され、助産所が閉所、廃業に追い込まれるなど全国では3割の助産所が危機になっている深刻な事態になっていると指摘しました。これまで助産所を開設するには専門外の嘱託医でも可能でしたが、この制度では産科・産婦人科を有する医療機関に限定されました。

 長谷議員は、助産師が個人で専門の嘱託医を探すのは限界があり、大阪市として公的医療機関によびかけてほしい。助産所・助産師が女性のニーズにこたえ、その役割が果たせる対応が今求められているのではないかと大阪市の見解をただしました。

 また緊急時の対応に、府・市連携でとりくんでいるOGCS(産婦人科診療相互援助システム)に助産所も組み込んだネットワークづくりを求めました。

 健康福祉局は、産科・小児科が減少してきている中で、身近な場所で出産できる医療機関も年々減っており、正常分娩を扱うことのできる助産師さんの役割は年々高まっていると認識していますと答えました。また、産科・産婦人科の嘱託医を定めてもらうことが前提だが、リスクが高く嘱託医などで受け入れ困難な場合には、嘱託医などを通じてOGCSにつなぐシステムになっていると答えました。助産所のOCGSへの直接参入については、大阪府医師会、大阪産婦人科医会と大阪府助産師会が十分協議をすることが基本だとのべました。

 長谷議員は、助産師には命を産み出す母子の2つの命を守るという大きな役割がある。命を大切にするという意味からも突発的な問題に緊急対応するため、助産所をOGCSに直接組み込んだシステムが必要だ、大阪市からも関係団体に意見をあげて改善してほしいと強く要望しました。

 長谷議員は、奈良の死産や大阪市の19病院受け入れ拒否の問題などでの最大の特徴は、一次医療にかかっていない、健診を受けていないことだとのべ、くらしが大変な時に産みたくても産めないなどの苦しみを少しでも解消するために、妊婦健康診査の拡充が喫緊の課題だと指摘しました。厚労省が「妊婦健康審査の望ましいあり方」で、公費負担による健康診査を現在の2回から5回に拡大する方針を打ち出していることについて、大阪市の妊婦健康診査拡充計画の具体化について問いました。最後に長谷議員は「未受診の理由は、経済的な問題や家庭の事情が多く飛び込み出産は珍しくない。健診は必ず受けるという教育と健診費用の補助など行政の経済支援が必要」と話す浪速区の愛染橋病院の病院長の言葉を紹介。はじめからすべて妊婦健診は無料にすべきと強く要望しました。