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厚生年金会館の地区計画

同会館の果たす社会的役割を継承する内容に!!

都市計画審議会で稲森豊議員が

厚生年金会館大ホール機能の維持を求め質疑

稲森豊市会議員

2009年6月25日

6月25日、大阪市都市計画審議会が開かれました。日本共産党の稲森豊議員は、大阪厚生年金会館地区計画の考えを質し、現ホール規模の維持を明記すべきだと求めました。

◇地区計画にホール機能と客席定員1,000超えと明記した大阪市の意図は

稲森議員は、市議会の議論や意見書が全会派一致で採択されたことを紹介。

地区計画の建築物の用途制限の(1)項で、全国でも始めてでないかと言われている劇場の席数まで明記した意図について大阪市の見解を質しました。

◇15万人もの市民の署名が寄せられたためホール機能の存続を地区計画に明記

計画調整局の角田課長は「厚生年金会館は文化・芸術の拠点である。年金・健康保険福祉施設整備機構(RFO)が、年金福祉施設合理化計画で2008年9月に停止を決定後、15万筆の署名や市議会意見書も出て、RFOに存続を要望してきたが、2010年3月末日に売却がされる。このまま一般競争入札されると土地建物の単純売却になるので、ホール機能存続を計画に義務付けた」と説明。

◇地区計画のホール機能維持はRFOも承知

稲森議員は、ホール機能を維持する為に600%から1000%の容積率緩和し開発利益を与えるようなやり方は都市計画としては邪道で、環境負荷や街並み破壊も危惧されると批判しました。小樽市では小樽運河など景観を守るため市が買収していることを紹介し、大阪市も機能維持のため厚生年金会館を買い取るのが本来の姿ではないかと意見表明を行いました。

つぎに稲森議員は、地区計画の内容についてRFOとの合意が得られているか質問しました。

角田課長は「事前協議をしながら進め、3月27日から4月10日の意見募集に意見書提出はなかったので了解を得ている」と答弁。

◇「客席1,000超」とは「現在の大ホール同等施設」と理解していいのか

2007年7月24日の大阪市執行会議において、大阪厚生年金会館大ホールの建て替え計画は「現在の大ホールと同等程度の機能を有した施設を整備する」と確認されています。稲森議員は、整備方針に提案されている「客席部の定員が1,000を超えるもの」とは、大阪厚生年金会館大ホールの2,400席、中ホール1,000席と同等程度の機能を有した施設を想定しているのか見解を求めました。

◇大阪市の考えは不変、可能な限り事業者と協議してゆくと表明

角田課長は「RFOと協議を重ねてきたが、大ホール2,400席は了解が得られない。文化・芸術の象徴、ホール機能をめざす観点は変わっていない。少なくとも1,000席以上のホール機能を設定し、事業者と可能な限り協議したい」と答弁しました。

◇今回の地区計画で、現在の2,400席は実現可能

稲森議員は、多くの専門家や利用者にとってキャパシティは重要な要素で「現在の機能」とは2,000席以上を想定していること、大阪厚生年金会館の田中康弘館長も「できれば現在の2,000席以上の規模を引き継いでほしい」と述べていることを紹介。

同議員は、建築物の敷地面積の最低限度5,000u建ぺい率が80%(4,000u)のワンフロアーで、どの程度の劇場が建設可能なのか質問しました。

角田課長は「現在の厚生年金会館大ホールは2,900から3,000uなので、大ホール程度は可能」と答弁。

◇大阪市は明確に現在の2,400席、1,100席のホール機能保持を明記すべき

稲森議員は、利用者の多くが現在の大ホール並みの機能を求め、建築の敷地も容量も実現に耐えられるにも関わらず、日本で始めてホール機能を残した詳細な地区計画が、肝心な点であいまいで画龍点晴を欠くような提案だと指摘し、現在のキャパシティを想定した地区計画なのか提案者としての考えを再度質問しました。

◇2,3年前は現在のホールそのものを残す方向性の議論であったが、最終的に1,000席以上で事業者と協議していきたい

北村英和計画調整局長は「2年、3年前は、現在のホールそのものを残す方向性の議論だった。RFOという土地を売却処分するということを目的とした機構の中で、厚生年金会館ホール機能の存続を訴えてきた。容積率600%から1,000%にしているが、600%の土地を住宅かマンションとして総合設計制度で建てると900%になり、純粋なインセンティブは100%。RFOとの協議の中で、2,000席以上なければ、コマーシャルベースとして困るという一方で多すぎると返って重荷になって確保できないという意見もあり、最終的に1,000席以上で事業者と協議していきたい。」と答弁。

◇客席数2,000席を超える大阪厚生年金会館の持つ社会的意義は大変大きいという市長の言動の重さが問われる。趣旨を貫徹すべき

稲森議員は、2008年3月、平松市長が「大阪厚生年金会館の閉館延期について」「大ホールについては、本市において客席数2,000席を超えるホールが同会館以外では、フェスティバルホールのみであることから、大阪厚生年金会館のもつ社会的意義は大変大きいものと考えております」の発言を紹介、矮小化するような内容でRFOと合意したとならば、市長の言動の重さが問われることになると指摘し、趣旨を貫いて大阪の発展のため対応するよう強く要望しました。

その後、採択が行われ、委員長の「異議なし」のとりまとめで原案が採択されました。