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瀬戸一正議員が計画消防委員会で

ユービーの建築違反マンションに対する

大阪市の甘いチェック体制を批判

せと一正市会議員

2009年5月22日

5月22日、大阪市会計画消防委員会が開かれました。日本共産党の瀬戸一正議員は、1年前に発覚した不動産管理会社「ユービー」の建築違反マンションの是正がどう進んでいるのかについて質疑し、改修工事中の7棟が 中断に追い込まれていることが明らかになりました。

同社は、8階建ての建築確認申請許可がおりているにもかかわらず、10階建てのマンションを建設するなど1〜2階分の階数を水増して建築していことが昨年5月に発覚し、大阪市は計画消防委員会で「今後、立入調査を行い、違反が判明したら是正指導をおこなう」と約束していました。その結果、11棟において、まるで建築基準法違反のデパートのように、廊下の幅員不足や容積率、建ぺい率違反などが判明しました(資料1)

大阪市は昨年6月に是正勧告を出し、ユービーはそれに対する是正計画書を大阪市に提出し(資料2)、昨年12月頃から是正工事が進められていました。瀬戸議員は「違反して増築された階数を撤去させるのではなく『閉鎖』するという是正が行なわれているが、建築基準法令上の根拠に基づくのか」と質問。計画調整局は「建築基準法に明記されていないものの、住戸の完全な閉鎖も容積率の違反是正措置として妥当である。大阪市に事例はないが他都市でいくつかある」と答弁。瀬戸議員はさらに「住戸を閉鎖して計算上、容積率が改善されても、その分の荷重は変わらない。建物の強度は大丈夫と言えるのか」と質疑しました。これを受けて大阪市は、4月の立入り検査で、ユービーが作成した構造図面などが実際の建物と違うことが判明し、建物強度計算にも影響するので、5月18日に、構造図面、構造計算書の再提出を求めたこと、その結果、ユービーが是正工事を中断していることを明らかにしました。

瀬戸議員は、「大阪市は、普通では考えられないような階数水増しの建築違反をし、国民の建築確認行政に対する信頼を根幹から揺るがした悪質業者のユービーが出してきた是正計画書を鵜呑みにし、現場確認もしないまま、机上だけの審査で適合だと判断したことが間違いで、企業に甘い」と厳しく批判しましたが、貝野部長は「既存建築物の指導の難しさだ」と答弁にとどまりました。

瀬戸議員は、「提出書類と実態が違う事が明らかになったということは、違反が重ねられようとしていた可能性もある。大阪市は構造図面の誤りの程度や原因を調査し、悪質なものかどうか、調査結果を公表すべきだ」と求めましたが、高橋課長は「構造図、構造計算の再提出時点で、厳しくチェックし、厳正に対応していきたい」と答えました。

瀬戸議員は「同社は、賃貸マンション入居者に工事状況や入居者の不安や精神的苦痛に対する補償は考えているのか。大阪市はどう把握し、指導しているのか」と質問しました。高橋課長は「建築物の安全性を確認できるまでの間、入居者を退去させるなど安全のための必要な措置を講じること、ユービーから入居者に十分に説明をおこなうよう強く指導をしている」と答えるにとどまりました。

瀬戸議員は、大阪市は建築違反の中身だけでなく、住民からの苦情や不安などの声にも、十分、相談にのるように強く要請しました。