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稲森豊議員が決算特別委員会で

市営住宅家賃値上げ問題と新規建設について

市長の見解をただす

稲森豊市会議員

2008年12月12日

12月12日、大阪市決算特別委員会が開かれ、日本共産党の稲森豊議員が市営住宅家賃値上げ問題と新規建設について市長の見解をただしました。

大阪市は国の公営住宅法施行令改悪を無条件で受入れ、家賃上昇の激変緩和措置期間を5年から7年に延長したことで、こと足れりというスタンスです。2009年4月1日からは、収入が全く増えなくても収入区分が変化することによって、約30%の市営住宅入居世帯の家賃が上がり、大阪市は年間約10億円の増収となります。

都市整備局の市営住宅事業分析を見ると、最近5年間の市営住宅事業の収支状況は、ほぼつり合っている状況で住宅事業は黒字の優良事業です。また収入区分別の市営住宅入居者分布は全体の79.3%、6万9,099世帯が一番収入の低いランクとなっています。

稲森議員は、消費者物価指数の家賃項目も前年度割れで、一般市場家賃は値上がりするような状況ではない中、1万2,700円も家賃が上がる住吉区南住吉第1団地の試算例を紹介し大阪市独白の決断で値上げを中止し、国に対して、公営住宅法施行令改悪の中止を求めるべきではないかと質問しました。

 内田都市整備局住宅部管理企画担当課長は「既存入居者の生活の安定に配慮し、経過措置期間を7年間とした。施行令改正の趣旨に従い適切に制度移行を図る」と家賃値上げを容認する答弁に終始しました。

稲森議員は、厳しい市民生活を考えたら、たとえ1円の値上げでも耐え切れない。それを決まったことだからと強行するのは無責任だと厳しく批判しました。

次に、市営住宅の建替え用地に新規建設を求めて質問しました。

 稲森議員は、戦後や高度成長期の大量建設と違い、ネットカフェ難民や解雇された派遣職員など新たに公営住宅を必要とする低所得者層の住宅ニーズが生まれてきている中、長期的な市民のセーフティーネット、安定居住として公営住宅の充実が求められているとの観点から、大阪市の住宅行政はどうあるべきかについて質疑を行いました。

 最近5年間の公営住宅の建設実績は、2003年度1,035戸、2004年度978戸、2005年度826戸、2006年度876戸、2007年度926戸と減少しています。なおかつ最近では1,000戸の当初予算に計上された戸数すら満たしていません。

稲森議員は、なぜ目標の住宅戸数を建設しなかったのか質問しました。

水田都市整備局住宅部建設設計担当課長は「移転先住宅の工事の進捗や移転状況により、建設がおくれた」と答えました。

稲森議員は、建て替え条件が整った場合だけ建て替え事業を行う事が問題だと指摘。公営住宅の建設に際しては国の交付金が45%、起債が55%で、新たな税金は一切要らない。公営住宅の収支は、起債償還を含めてもほぼつり合う黒字の優良事業。市営住宅を建設すれば間違いなく、即100%入居し、若い子育て層などに喜ばれニーズもあり、今すぐに建設する土地もあり、大阪市内の建築業者の仕事が増える、まさに一石三鳥。市営住宅の建て替え余剰地や未利用地は売却でなく、市営住宅の新規建設をすべきだと、市長に今後の大阪市における公営住宅の役割と市営住宅の新規建設の必要性について基本的な見解をただしました。

平松市長は「老朽化した市営住宅の建て替えは、従前居住者数に限定した事業を進め、土地の高度利用を図り創出した余剰地は、良質な住宅供給や生活利便施設などの導入する」と稲森議員の具体的な指摘や提案に耳を貸そうとせず、職員の準備したペーパーを読み上げるだけで、従来から的外れの答弁を繰り返し建設の必要性を否定しました。