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人権協会への補助金や事業委託をやめ

同和行政の終結宣言を

稲森議員が決算特別委員会で要求

稲森豊市会議員

2008年12月12日

 12月12日、決算特別委員会が開かれ、日本共産党の稲森豊議員が同和行政について平松市長を質しました。

 大阪市は平成18年11月に地対財特法期限後の事業等の見直し方針を発表して、平成19年度から旧ふれあい人権住宅の名称を廃止、募集対象区域も市域全体に拡大しました。2007年度の旧ふれあい人権住宅の募集実績は114戸の募集に対し2,521件の応募があり、平均応募倍率は約22倍。 2008年度の募集状況は175戸の募集に対し1,810件の応募があり、平均応募倍率は約10倍です。稲森議員が2008年予算委員会で取り上げた平野市町住宅についても、5月にケア付き住宅3戸募集に対して63件応募があり、21倍の応募倍率となりました。

稲森議員は、部落差別は基本的には解決しており、最近の旧ふれあい人権住宅の応募状況が示すように住生活の場においても部落を意識した壁を乗り越えていると指摘。市内全体で,817戸の旧ふれあい人権住宅のうち、空き家が263戸と1,569戸の貸付停止についても、市民のニーズに応えて一般募集すべきだが、今後どうするのか質問しました。

坂本都市整備局住宅郁管理担当課長は「建て替え事業や住戸改善事業の受け皿住宅の必要戸数を十分精査し、募集の可能なものは公募していく」と答弁しました。

次に、稲森議員は、一般質問でわが党が、人権博物館・部落開放人権研究所など部落解放同盟の施設への補助金・委託料は全廃すること、人権協会への事業委託、職員配置をおこなわないなど人権協会との関係を断つこと、「同和行政の終結宣言」を行うよう求めたのに対し、市長は「人権文化センターなど地区内施設は名称を変えて統合する。同和行政は時代に即した実効性のある施策を進める」と人権の名によって同和行政を継続させようとする部落開放同盟に迎合し、時代に逆行する答弁だったと問題点を指摘。

稲森議員は、もともと部落差別問題は水平者宣言に謳われているように人間解放という崇高な理念で出発したものである。ところが部落解放同盟が、行政を攻めて金を出させる「行政闘争」、利権あさりに部落解放運動を変節させた。差別する者は悪いのは当たり前だが、大阪市と癒着して部落差別を食い物にしてきた部落解放同盟と、それに融合してきた大阪市が最大の差別者である。今後も差別事象は起きるだろうが、もはや行政を使って行政的に問題を解決するという時代ではない。今こそ大阪市は同和行政を打ち切り、一般の人権行政に移行させるべきであると主張。平松市長に同和行政、部落解放の問題についての見解を質しました。

平松市長は、「同和行政として取組むべき残る課題はわずかである。 21年度末の完了を目指し全力を尽くす。今日において特別対策、特別扱いをするつもりは毛頭ない。高齢者虐待、児童虐待、障害者、女性、外国籍住民の問題と等しく、さまざまな人権課題として人権の世紀と言われる21世紀において、大阪市が胸を張った行政ができるようなそんな施策を実行してまいりたい」と答弁ました。