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江川議員、保育所設置基準の厳守

学校維持運営費削減反対

市費事務職員全廃撤回求めて質疑

江川繁市会議員

2009年12月14日

 12月14日、江川繁議員は、文教経済委員会で、保育所設置基準を厳守し、拡充を求める陳情書について、採択の立場で質疑しました。

 江川議員は、現在の保育所設置において、子どもに対する必要面積最低基準について資料を示し、1948年に設置された日本の設置面積基準が諸外国に比べて余りにも低い現状を明らかにしました(2歳以上、日本:1.98u。スウェーデン・ストックホルム:7.5uなど)。そして、待機児解消を理由に、子どもの成長発達にとって必要なスペースを削ることが絶対にあってはならないと指摘し、待機児解消のためには保育所を増やすべきだと主張しました。

 また、私立保育園連盟も国に対して保育制度を改悪しないよう要望を上げていることも紹介し、大阪市も設置基準を緩和しないよう国に強くはたらきかけることを強く要請しました。

 平松市長は「保育所の基準、経費の在り方については、国の動きを注視しながら、地域主権の考え方を進めていく。子育て支援施策は本市の基本的な政策課題の一つとして充実に努める」と答えるにとどまりました。

 次に江川議員は、学校維持運営費を削減しないよう求める陳情について質疑しました。

 江川議員は学校維持運営費の推移とその内容について資料を示し、年々減額されている実態を明らかにし、学校運営・教育現場に重大な支障をきたしていると、厳しく指摘しました。

 例えば桜宮小学校では、子どもたちのための文具、事務用品に使う「消耗品費」がこの1年間で100万円も減額されていることなどを、項目別に減額の実態を明らかにし、まともな教育活動が維持出来るか大きな問題になっていると指摘しました。教育委員会は「教育環境の確保は重要なこと。学校の状況を把握して指導をすすめる」と答えるにとどまりました。江川議員は、消耗品費推移の資料を示し、児童1人当たりの単価が、画一的に20%カットされており、これで教育が維持向上できると教育委員会が考えているなら、全くの机上の空論だと厳しく指摘しました。

 江川議員は実際に学校現場の実態として「今まで買っていた40色の色紙を30色に減らした」「プリント用紙の質を落としたため、消しゴムでこするとすぐ破れてしまう」「画用紙の質を落としたため絵の具の色がにじんでしまう」「体育館の水銀灯が切れても交換できない」「長いすも買い換えできない」といった現状を紹介し、教育委員会の認識を質しました。教育委員会は「今後とも子どもたちの教育活動への影響を最小限に留めるよう必要な予算の確保に努める。予算のより効率的効果的執行により経費の節減につとめる」と答えるのみでした。江川議員は「実際にこどもたちは影響を受けている事を具体的に指摘した。真摯に把握して善処するよう」強く要請しました。

 次に江川議員は、中学校に市費で配置されている事務職員の削減中止を求める陳情書について質疑しました。

 江川議員は、大阪市が独自に配置をしてきた、市費学校事務職員が、教員が学習、生活指導、部活動、進路指導など多様な教育・学校活動に専念できるようにするため、非常に大きな役割を果たしてきた事を明らかにし、全廃計画が出されていることを厳しく批判しました。教育委員会は「学校財務システムの拡充により事務の効率化が図られ事務量が軽減されるため配置の見直しを行う」と答えました。

 江川議員は、来年からシステムが新しくなるのであれば、新しくなったシステムの中で事務職員の問題、学校運営の在り方を考えるのが筋であり、来年度については従来通りにして、再検討すべきと指摘しました。

 江川議員は、事務職員数の資料を示し、3名→2名や2名→1名配置と、実際に事務職員が減員されれば、校費や学校徴収金・就学援助の手続きや、PTAや学校関係等の業務が担えなくなるのは当然のことである。そして、負担が教員にかかってくることになり、多様な教育活動に影響がでて、平松市長の公言する、教育の充実に逆行する事になると厳しく指摘しました。

 江川議員は、現場の声を聞いて、削減断行でなく、撤回再検討を求め、加えて幼稚園への事務職員の配置や小学校への複数配置の検討を求め、市長に対し、教育条件の整備にふさわしい予算の拡充をすべきと求めました。平松市長は「環境整備は重要。学校維持運営費についてはこどもへの影響を最小限に留める事に留意し、節減に努める。市費職員については、新システムの活用で学校の教育活動が円滑に推進されることを期待する」と答えるにとどまりました。江川議員は、学校維持運営費の大幅な削減など、大阪市が進めようとしいることは、教育活動に大きな支障をきたしている。市長は学校を実際に見て、生じている重大な問題は直ちに正すこと、また市費職員の全廃計画の撤回再検討を強く要請しました。