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全国一斉学力テストの中止と30人学級など

日本一の教育環境整備を求め江川議員が質疑

江川繁市会議員

2009年9月14日

 9月14日の文教経済委員会で江川繁議員は、全国一斉学力テストへの中止・不参加と教育環境整備について質疑しました。

 江川議員は、フィンランドなどに見られる21世紀型の教育は、少人数学級とグループ学習による学び合いの学習が世界の流れになってきており、点数至上主義ともいえる全国一斉学力テストは、競争と選別を広げ、子どもの発達を阻害する時代遅れになっていると指摘し、中止を求め、教育委員会の見解を質しました。教育委員会は「国が全国の学力学習状況を把握し検証する、各教育委員会・学校が全国との関係について自らの結果を把握する、各学校が児童生徒の学習状況を把握するとした学力テストの趣旨にのっとり参加している」と従来の答弁を繰り返しました。

 江川議員は点数を競わせることは時代遅れと言うことを、(資料@)子どもの権利条約第29条・教育の目的(a)「子どもの人格、才能ならびに精神的および身体的能力を最大限可能なまで発達させること」と学習権宣言で述べられる学習権を示して明らかにし、日本の教育に対して「子どもの権利委員会の総括所見」で「競争が激しい教育制度のストレスにさらされ、かつその結果としての余暇、運動および休息の時間がえられないために子どもたちの間に発達障害が生じている」と勧告し是正を求められていると厳しく指摘しました。

 また点数公開についても、害悪にさらに害悪を重ねるものであり行うべきでない、と質しましたが、教育委員会は「説明責任を果たし、教育に関心を持ってもらうため、主体的に判断し結果概要と分析結果を公表してきた。3回目については今後の教育委員会議で判断していく」と答えました。江川議員は、個々の結果の公開は、テストの点数を上げるための重大な弊害が生じており、学習到達状況の把握には5%程度の抽出で充分だと主張しました。

 最後に江川議員は、教育行政の本来の責務である教育向上のために、教育環境の整備を進めることについて具体的に、30人・少人数学級の実現、専任教員の増員と代替教員の速やかな配置、図書館専任司書配置、普通教室へのエアコン設置、学校維持運営費の増額、就学援助費の拡充、教職員の自主的創造的活動支援、などをあげ、また大阪市としては経済格差の是正が非常に大事であると指摘し、市長に対し質しました。平松市長は「教育事情の判断は全国学力テストであり、点数だけ上げればいいということでなく、発想力・言語能力が子どもにとって教育の基本ということは教育委員会と一致している」と の答弁にとどまりました。