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敬老パス 有料化の根拠なし

地下鉄の黒字で制度維持を

大阪市議会民生保健委で北山市議

北山良三市会議員

2014年3月6日

 6日開かれた大阪市議会民生保健委員会で日本共産党の北山良三団長が質問に立ちました、橋下徹前市長が強行した敬老パスの有料化問題を取り上げ、「有料化しなければ制度が維持できない」という橋下氏の主張には根拠がないと追及。約200億円に上る市営地下鉄会計の一部を活用すれば、敬老パスは無料にできると提案しました。(北山議員提出資料)

 予算を削減し高齢者に負担

 70歳以上の高齢者が大阪市営地下鉄・バスに無料で乗車できた敬老パス。橋下氏は2011年のダブル選で「敬老パスは維持します」と公約しながら、「市政改革プラン」に基づき昨年から有料化(年間3千円)を実施。ことし8月から、1回の乗車につき50円の自己負担も導入する予算案を、市議会に提案しています。

 これまで敬老パス分の利用運賃は、一般会計から交通局会計に繰り出してきましたが、市当局は一連の有料化で2020年度に計33億5千万円を削減できると説明しています。

 北山議員は、現在約83億円の繰り出し額が2020年度には62億円に減ることから、「結局、高齢者の負担を増やし、一般会計からの繰り出しを減らす計画だ」と批判しました。

 その上で北山議員は、地下鉄事業は198億円(12年度決算)の黒字を生んでおり、地方公営企業法の規定に従えば一般会計に約55億円を納付できることを示し、「民営化せず、市営交通である限り、(地下鉄の黒字は)一般会計に戻して循環・活用させることができ、より効果的な制度運用になる」と強調しました。

 外出の機会を負担増が奪う

 年間3千円の自己負担が導入された昨年7月の敬老パス交付人数は、約28万2400人で前年同月比で約6万人、2割近くも減っています。

 他方、敬老パス利用人数は、前年比5%減、一般会計から敬老パス分として交通局会計に繰り入れた金額は、前年に比べて大きな変化はみられません。

 この要因について北山議員は、「利用頻度の低い高齢者の交付・利用を切り捨て、3千円を払ってでも敬老パスを利用できる権利を担保した人たちは、今まで以上に利用回数を増やしたのではないか」と指摘。8月から1回50円の負担になれば、「3千円払って敬老パスを持っている気にならない。やめる」と訴える高齢者が少なくないことを紹介し、「利用抑制に直結する」と警告。「高齢者がまちに出掛ける機会を減らし、健康増進にも逆行。大阪の活性化にも反する」として、負担 増をやめるよう主張しました。

(2014年3月16日付大阪民主新報)