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安全地下鉄 公営でこそ

大阪市・山中氏

(資料及び質疑全文)

山中智子市会議員

2016年9月29日

写真 大阪市議会交通水道委員会が9月29日開かれ、日本共産党の山中智子市議が、市営地下鉄の民営化をめぐり質疑し、民営化に反対しました。

 山中議員は、「2018年度に民営化するとしているが、17年度末1562億円ある現金のうち、1492億円を退職金など民営化のための経費で使い果たし、運転資金は70億円しか残らない」と指摘。「新たな安全対策など不測の事態が起こった場合やっていけるのか。民営会社の資金繰りはぎりぎりの綱渡りの状態で、可動式ホーム柵設置のお金はない」と批判しました。(山中議員提出資料)

 山中議員は、「民営化のメリットは、効率的な経営、柔軟な発想とスピード感のある事業実施で贋の高いサービスができる」とする市交通局に対して、「抽象的なことで民営化するよりも、市民が望んでいるバリアフリーや震災対策等をやっていく方がメリットはある。公営の方がバリアフリーや震災対策等に振り向ける資金が豊かにある」と強調しました。

 山中議員は「安心安全に投資するといういっそうの市民サービスは公営でこそできる」として民営化に反対しました。

(2016年10月1日付しんぶん赤旗)


日本共産党大阪市会議員団事務局で、928日の交通水道委員会での山中議員の質疑部分をテープ起こしたものです。正式な議事録ではありません。 

◆(山中議員)

日本共産党からも、主に地下鉄の民営化について、今回出されましたプランの改訂版、これに基づいてあらためてこれが市民にとって良いことなのか、メリットがはたしてあるのかということを、議論をしたいというふうに思います。

まず、今度の改訂版では、前回3月の案のときにも退職金のことも多少問題になっていましたけども、今度の改訂版では、地下鉄退職金は1006億円。希望退職をなさる方には最大45%の加算、新会社に移る人は最大20%の加算、そういう整理率を適用して、退職金1006億円ということが示されました。別途、設立の登録免許税等諸費用が100億円近い出費も必要だということです。

その上、企業債約5000億円、この一括償還のために、市中銀行からの借入に頼らざるを得ないということが、改めて示されています。退職金1006億円、東京メトロの場合は、特別法というものがあって、こういうものは無しで、引き継いでいるわけですけども、退職金1000億で、5000億も市中銀行から借金をすると、これはもちろん前代未聞ですし、あり得ない話ではないのかなあというふうに思うわけです。やっぱり異常な民営化の考え方ではないかと思うんですけどもいかがでしょうか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。東京メトロの場合でございますが、前身の営団地下鉄が特別法で設置されておりましたことから、経営形態変更にあたっても特別法が必要となっておりまして、その際に退職金や負債の交通債権といったものの引継ぎの規定がなされておるものでございます。

一方、私どもの地下鉄事業におきましては、地方公営企業法が適用されておりますが、経営形態の変更についての規定というものは、ございません。例えば、退職金で申しますと、引継ぎ時に支払うといったような地方自治法や地方公務員法などの現行法の規定に基づくことになります。このため、民営化移行時には、退職金の支払というものが生じるということでございますが、こちらにつきましては、プランにも掲げさせていただいておりますが、手元の現金でまかなえる範囲であると認識しております。

それから、登録免許税等につきましては、民営化後の経営収支に、今現在、織り込んでおるところでございます。それから、企業債の借り換えの資金等につきましては、金融機関の方から調達できるものと考えております。

 

◆(山中議員)

メトロと比べてね、別に、特別法を作るという規定もないというふうに、おっしゃいましたけども。だからこそ、さきほどもありました、関市長の時代などに民営化の議論があったときに、やっぱりこれだけの退職金払うのは無理だよね、特別法いるよね、でも無理だよ作れないよね、だから改革型公営事業でいこうということになった経過があるように、規定がないから退職金払っていいんですねんって、交通局は。メトロは特別法あったんで引き継ぎました。

そういう法律の問題はなくって、それしてしまったら、これから地下鉄、本当に大丈夫ですかっていうことで、私どもはこういうことを、ずっと、申し上げているわけです。そこまでして、木村課長は、とにかく手持ちのお金で払えるんですと、おっしゃってるけども、後で議論しますけど、しかしほとんどすっからかんに、すっからかんは言い過ぎですけども、本当に綱渡りになってしまうっていう状況のなかで、これほどまでしてね、民営化をする、そういう市民に対してのメリットっていうのが、あるのかなっていうことを、私たちは、やっぱり市民の立場で考えないといけないと思うわけです。

今まだ、多くの市民のみなさんは、こんなふうに、税金と利用者のみなさんの乗車料金で築いてきた地下鉄の財産が、たとえば現金という財産で言えば、それがこんな形で1000億以上、1500億近く消えてしまうとかって、そういうことは、知らされないで、あなたたちがいろいろ宣伝なさった、ばら色のばっかり見せられているけれども、こういうことが、本当に知られていったときに、私は、やっぱり、市民の理解は得られないというふうに思うわけです。

どう考えても、市民にとってメリットがあると思えません。しかし、市長にしても、交通局にしても、市民にとって良いことだから、早くやりたいやりたいと、おっしゃいますけども、どういうふうにメリットがあるんでしょうか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。民営化の意義といたしましては、効率的な事業経営が可能となり、また柔軟な発想とスピード感のある事業実施によりまして、多様な事業展開をはじめ、質の高いサービス、それから、新たな価値の創造を実現するということにございます。これによりまして、市民、お客様にとって、大きなメリットがあるというふうに考えておりまして、市民のみなさまのご理解も得られるというふうに考えてございます。

 

◆(山中議員)

めっちゃくちゃ抽象的なことを、おっしゃって、そんなことで市民の皆さん、それで、私に何がくるのって、何にも分からないだろうなって、本当にすごい抽象的なご答弁で、あらためて今のご答弁はあらためてびっくりしたわけです。

いつものトイレが綺麗になるんですとか、料金が値下げできるんですとおっしゃるのかなあと思ったら、なんかすごい抽象的なことで、ますます、そんななんか抽象的な、説明できないようなことのために、こんな恐ろしいような民営化は、やっぱり、恐ろしいなというふうに思うわけです。

そんなね、抽象的な、なんか実際に食べられるんだか食べられないんだが、分からないようなお餅を、まあ絵に描いた餅ですよね、そんなもの見せられるよりは、やっぱりとにかく一つ一つ、市民の皆さん、切実に望んでおられる、あるいは時代の要請である、可動式ホーム柵などね、バリアフリーとかいま南海トラフ対策はやっておられますけど、新たに高潮もね、5月に被害が発表されましたけども、そういうことを、一個一個、やっていくことのほうが、市民の皆さんにとってよっぽどメリットがあるというふうに思うわけです。そういう意味で、そういうバリアフリーなど、あるいは安全対策などは、公営の方が、あるいは公営でこそ推進できるということを、あらためて明らかにしたいと思います。

資料の配布をお願いします。(委員長が資料配布を許可)

資料をお配りいただいております。この資料の@は、もしみなさんお持ちでしたら、改訂版の59ページに載ってます資金繰りの表に、Dとしまして、私の資料、Dとしまして、市中銀行からの借入金の縮減というものを加えさせていただいた、ちょっと、手を加えたもの、@としてお配りをいたしました。

つまり、改訂版のプラン案の中では、この市中銀行の借入金の縮減は入ってませんけども、実際には一括償還4893億円しなければならないところを、4719億円借りるという、そういう計算になってますので、その差額174億円をここに入れさせていただきました。そうしますとね、左側、29年度末時点の現金見込み、予定が1562億。民営化のために必要な資金というのが、もろもろですね一時的経費25億円だとか、自動車の処理205億円、退職金がもろもろ1040億円等で1500億円近く、1492億円も使ってしまって、本当に、本当に70億円だけを、運転資金の70億円だけを残して後は使い果たしてしまうと、そういうことになるわけです。

この1500億あったものが70億になってしまうと、これ市民に説明できるのかなと、私は思うことと、そして資料のAをご覧いただきたいんですけども、そちらは毎年、キャッシュフロー、左側は毎年のキャッシュフロー、そして右側に必要な経費というものを載せてみたんですけども、そうすると毎年のキャッシュフローと支出の必要額がピッタリ同じ金額になっているわけです。1年目は614億円、建設改良費と償還金も614億円。2年目も595億円。ずうっと10年間、これピッタリ同じ金額になっていると。

つまり、その70億円ですね、期首の現金70億円だけが常にあるというか、逆に言うとそれしかないという状況がずっと続くというわけです。これまでの地下鉄からすると、とっても考えられないことだというふうに思います。もう何かね、不測の事態、たとえば、高潮対策のためにって言って、安全対策のハードルがあがって、新たな投資をしないといけないだとか、あるいは、退職者が大量に出るだとか、そういうことが発生したら、どうなるのかなあというふうに思うわけですけども、これでやっていけると、お考えなんでしょうか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。民営化時に必要な運転資金ということで70億円を見込んでおりまして、これによりまして、日々の営業活動には支障は無いというふうに考えてございます。

それから、一時的に資金が必要となった場合におきましても、安定した経営状況が見込める新会社の信用力によりまして、例えば借入計画の変更でありますとか、金融機関からの短期の借入金などを活用することによりまして、必要な資金は調達できるものと考えております。

 

◆(山中議員)

そうですかね。そうおっしゃるけれども、でもこの計画では10年間は新たな借入は1円もしないという計画で、それで償還計画も書かれているわけだから、ここ新たに借金したら、もうその時点でね、この計画崩れていくんじゃないかと思うんです。

たしかに、過去の企業債の利子は高かったんで、銀行借入金の振り替えは、全体として利子の減にはなるわけですけれども、新規は銀行利子の方が相当高いですよね。新規企業債は今、5年物で0.101なんてものもあるというふうに聞きましたし、30年物でだいだい0.4%だそうです。銀行利子は1.5%ぐらいと見ておられるようで、ざっと銀行利子は、企業債の4倍だということになるわけです。そうなるとやっぱり、建設改良などは手控えになるのではないかということを危惧するわけですし、だからこそ、結構、綱渡りな状態だから、有利子負債はもう増やさないほうがいい、増やしたくないからということで、10年間は新たな借入はしないと、そんなような計画を書かれているということだと思うんですね。

ところで、資料Aででもですね、銀行の借入金の償還金額が毎年バラバラになっているわけですね。1年目が243億、2年目が243億、3年目278億、バラバラになっているわけですけども、これは、どういうことになっているんでしょうか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。さきほど申し上げました、必要な運転資金の70億円は確保したうえで、残余となります資金につきましては、財務体質の強化といった観点から、借入金の償還に充当していくということとしておりますため、毎年の償還額が異なるということでございます。

 

◆(山中議員)

つまり、今までだったら毎年起債も変わってますから、毎年償還額が変わるのも分かるんですが、いっぺんに借りた、ずっと同じもの返すのにこの償還額がバラバラになるというのは、今、木村課長がご説明、まさにされたとおり、70億を残すために毎年のキャッシュフローに合わせて償還額をはめ込んだだけというふうに取れますけれども、そういうことでいいんですね、木村課長。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

いま申し上げましたとおり、必要な資金を確保したうえで、借入金を償還していくというような計画にしておりまして、これによりまして、新会社の経営におきまして、もっとも効果的な資金の使い方ができるというふうに考えております。

 

◆(山中議員)

つまり、70億ぐらいを残すために、償還額をあてはめていったということで、ある意味とってもよくできた作文というか、作文の数字版みたいな感じだと私は思います。それで金融機関がいいと言っているのかどうか、そのへんは分かりませんけれども、そんなことが、本当にできるのかなというふうに思うわけです。

それが、償還期間にしましてもそうなんですね。4719億円、プラン案では借りると。市長が100億円、置いていく、置いていくとおっしゃってれば、この100億も、借りるしかなくなると思うんですよ。70億しか運転資金ないわけですから。となると、借り足すことになるかもしれません。5000億近い借金ということになりますが、この毎年のね、償還額から類推いたしますと、これ、15〜6年で償還すると、そんなイメージなのかなというふうに思います。

企業債でしたら、償還期間は30年とか、それに近い年数でしょうけれども、市中銀行の場合、普通は、住宅ローンは別ですけれども、普通そんなに長いようなものはないように伺っています。だいたい運転資金だったら3年とか、設備資金だったら7年とか、そういう感じじゃないのかなというふうに思います。それがこの案では、15〜6年ということで、これも本当に大丈夫なのかなと、それでいけるのかなというふうに思うわけですけれどもいかがでしょうか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。借入計画につきましては、民営化が決定した後に、具体的な検討に入るということになりますけれども、新会社の事業計画や金融情勢などを踏まえまして、期間でありますとか、利率というものも考慮しつつ、最良の組み合わせを検討してまいりたいというふうに考えております。それから、民間の鉄道事業者の例を少し参考にいたしますと、借入期間が長期のものもあるようでございますので、新会社におきましても、多様な設定は可能であるというふうに考えております。

 

◆(山中議員)

民間の鉄道会社でもあるということで、そういういろいろとお話し合いはされているのかなあと思いますけど、きちんとした金融機関との詰めは、いまなかなかできないということでいくと、本当に、不確かなままで、絵に描いた餅にならなければいいですけれどもなあというふうに思います。

普通はしかし、一般には3年とか7年ていう、そういう期間のものを、15〜6年の期間で借りなければならないというのは、これもけっこう異様な借金なのかなあと、これが狂うとたちまちやっぱり資金繰りに影響が出てくるわけですし、建設改良だって、繰り返しますが、突発的なことが起きれば、たちまち本当に困ってしまうのではないのかなというふうに思います。資金不足とまでは申し上げるつもりはありませんけれども、やっぱり民営化のこの事業運営っていうのは、今までと比べたら、かなり薄氷を踏むようなと言うか、ぎりぎりの綱渡りという事は、間違いないと思いますけれども、そうじゃありませんか。

 

◎(木村・交通局民営化推進室鉄道事業担当課長)

お答えいたします。毎年、着実に借入金を減少させるということによりまして、財務の健全性も向上いたしまして、会社の信用力も高まるというふうに考えております。今回の収支見通しにおきましては、借入金の返済を優先的に考えて算定というものをしておりますが、民営化後の経営力がさらに向上いたしましたり、基幹事業でございます鉄道事業以外の事業も育っていくということになりますと、さらに選択の幅も広がるのではないかというふうに考えております。

いずれにいたしましても、新会社におきましては、安全に関する投資を行いつつ、財務の健全性が保てるように、安定した経営を目指してまいりたいというふうに考えております。

 

◆(山中議員)

まあつまり、とにかく借金だけは早く返してしまいたいということで、結局かなりぎりぎりの綱渡りというふうに思いますね。そういうなかで、何か本当に起こったらどうなるのかとか心配なことはたくさんあるし、この質疑をさせていただくうえで、交通局のみなさんといろいろと打ち合わせさせていただいても、人によって、時によって、数字も変われば言うことも変わる。コロコロ変わって、振り回されて、本当なのかなと思うことも、すごーく多くて、このままこれを認めるようなことになったら、大変なことになるなということを、この数日ずーっと思い続けているわけです。

そういう意味で、前回3月の民営化のプラン案では、公営と民営、公営のままの場合と民営にした場合の税引後の比較で、公営の方が利益が出るという事だったのが、この改訂版では逆転をしています。これについてのご説明は、民営の方は、大阪市の100%出資の間は、一般会計からの補助金が貰えるということで、利益を加算しましたと。補助金を貰う組織をやめるんだと言っていましたけれども、補助金を貰うということで利益を加算した。

一方、公営の方は、民間ベースでの費用計算等に改めて、結果、経費が増えて、利益が減る計算になったというようなことを、もっともらしく言われていましたけれども、私はもともと、3月の案のときも、公営の経常利益が30年度で、公営のままだった場合、経常利益が240億円という見通し自体、低すぎると思っています。だって平成27年度決算で370億円って、それなのになぜ、30年度、240億円なのかって、これ低すぎると思うことなど、やっぱり、ずっとみなさんは一貫して、民営化をばら色に見せる、辻褄合わせを一生懸命やっておられるんではないかというふうに思わざるを得ないというふうに申し上げておきたいと思います。

それはさておきまして、今回のこのプラン案で、公営と民営の差でいちばん大きいのは人件費かなあと思います。公営では人件費526億円、民営だと438億円で済むという事で、その差88億円です。やっぱり人件費ということですから、これは大きくは職員数の違いなのかなあと思いますけども、それぞれの人数はどのように想定しておられるんでしょうか。

 

◎(薄波・交通局経営管理本部職員部労務課長)

お答えいたします。地下鉄事業の公民収支比較における民営化1年目の平成30年度の算定上の期首人員は、公営で5197名、民営で5014名となっております。

 

◆(山中議員)

公営だったら5197人、民営化したら5014人ということで、その差183人というふうにお聞きをいたしました。183人ですから、一人当たりの人件費を仮に1000万として、18億3千万ですよね。ですから、人件費の差88億円というのはいかにも大きいなあと思いまして、これもよく分からない話だなあというふうに思ってますが、それは置いときまして。この減るという183人の方っていうのは、どこに行かれるのでしょうか。

 

◎(西野・交通局経営管理本部職員部長兼民営化推進室企画担当部長)

お答えいたします。ただいまご指摘いただきました職員数の差183名でございますけれど、これは公営と民営の間で退職者数の差が64名、大阪市への配置転換を平成30年度から4年間で100名見込んでおりまして、当局における欠員状態を考慮いたしまして、毎年25名帰任するということを考え合わせまして、民営化1年目の平成30年度にはマイナス25名が帰任するということと、あと、大阪シティバス株式会社への出向・転籍が85名、採用者数の差が9名、以上合わせまして合計183名の差となっているところでございます。

 

◆(山中議員)

お答えいただきましたように、係長級以下の人事院採用の方に、希望退職されますか、地下鉄かバスの会社に行きますか、市長部局に行きたいですかとか、聞いたり、いろんなことしたをしたうえで、希望退職をされる方が、定年退職プラス交通局なくなるんだったら辞めますわって希望退職の方が64人、市長部局に行くという方がどのくらい出るか分からないでしょうけど、とりあえず1年目は25人市長部局に行っていただく。あとは段階的に希望される方、市長部局に行くと。で、シティバスに85人。それから、民営の場合と公営の場合で多少、採用に差をつけるということで9人。この183人という、そういうご答弁ですね。

ちょっとこれもよく分からないなあと思うんですけど、シティバス85人って、これでも、管理部門の方たちですよね。地下鉄の人の中に、バスのドライバーさんいるわけじゃないですから、管理部門ですよね。しかしシティバスは、もうすでに事業を行っていて、一定の管理部門は存在しているわけだし、それ以外にも自動車の仕事をスムーズに引き継いで、市民のみなさんに安心してバスに乗っていただこうと思えば、やっぱり自動車部から横滑りして、シティバスに行くっていうのが、普通なのかなあって思うわけですよ。それが、地下鉄から85人もシティバスで管理部門に行かないといけないというのは、どういうことなのかなあって、それだけやっぱりシティバスに行きたくないって、みなさんがおっしゃっちゃうのかなあとかね。このドライバーも不足するんじゃないかっていう議論も前からありましたが、管理部門も人員が確保できないって見込んでいるのかなあとか、いろんなことを考えたりしています。

さらに、人事委員会採用の人は希望すれば市長部局に転籍できるという事、係長級以下という事にいまなっていますけど、それが25人ということです。段階的に増やして行くという事ですけど、しかし、立場変えてみたら、市長部局だって、長く続いた採用凍結の時代を経て、これではいけないということで、いまやっぱり新規採用やっとできるようになった。人材育成していますけれども、かといって定数増やせるわけではありませんよね。

それと、人事委員会採用の人で市長部局にっていう方を25人移すという事は、やっぱり新採を抑えないといけなくなったりして、これもある意味、立場を変えるともちろん職員のみなさんにとっては、そういう道がなければいけないと思いますけれども、立場かえるとご都合主義かなあと思わないでもありません。私思うのは、この職員数の差183人っていうのは、民営化をしてね、何かさっきも木村課長が効率的になって、ばら色になって、効率化した力でみなさんにいいことできるって言ってるけど、効率化をするから減るとかそういう話ではなくって、交通局がなくなっちゃって、新会社には行きたくないから辞めますとか、市長部局に行きますっていう人が当然、出てくるから、減るんですよって、それだけのことじゃないですか。

効率的になるわけでもなんでもないのに、それを何かいかにも民営化の効果、こんなに民営化されたら一人がたくさん仕事するようになるんですみたいに、そういう、見せるそういう比較は私はダメだと思いますけどそうじゃありませんか。

 

◎(西野・交通局経営管理本部職員部長兼民営化推進室企画担当部長)

お答えいたします。民営化により、公営のままではただちにできない業務の効率化が図れるものと考えております。一方で、委員もさきほどご紹介いただいていたように、過去の採用抑制の経過からですね、私どもも毎年一定の新規採用を行うべきと考えておりまして、民営化してから数年間の間で、公営のままではただちにできない業務の効率化の効果が発揮できるものと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

◆(山中議員)

本当に分かりませんね。だって、これじゃあこの中でね、何が効率化の183人。例えば183人の方がね、そんなこと想定できないけれども、誰一人、希望退職しませんと、誰一人、市長部局に行きたくありませんと、誰一人、シティバスにも行きたくありませんてなったら、この新しい新会社、この人数どうなるんですか。こんな減った人数にならないってことじゃないですか。だからこれ効率化と関係ないんですよ。

しかも、それでも人が減るっていう事は、当然、外注費だとか超勤が増えたりするわけですけども、そういうものは費用に加算されていない。逆に超勤を31億円減らして、外注に回そうとしているそういう状態で、本当に釈然としないというプランになっています。

分からないと申し上げれば、例えば公営での経費の比較についてもです。もうややこしすぎて、つっこみませんけれども、平成27年度決算と、このプランでの公営のままだったときの平成30年度の見込みとの差が、人件費で27億円増えている、平成30年はね。その他が141億円も増えている。それって都合、経費が168億円も増えているわけですけども、なんでたった2年で、その他経費が141億円も増えるのか、これもよく分からない。

公営のままだったらダメですよということを言いたいからなのではないのかなあというふうに、私は言わざるを得ません。もうとにかく、ことほど左様に、特にこの数日間、いろいろとお聞きをしてきて、しつこいですけど、コロコロコロコロ言うことが変わることを経験して、やっぱりこれはね、私は信用できないし、とっても無理があるというふうに思います。こんなね、市民の大事な財産どうするかということを決めようというときに、みなさん自身がね、ちゃんと説明もできないような、魑魅魍魎みたいなプランでこれをやっては、私は本当にいけないなというふうに思います。

いずれにしましても、こんな綱渡りのような民営会社でやるよりは、やっぱり公営のほうが、いま市民のみさなんが望んでおられる、バリアフリーや震災対策等に振り向ける資金が豊かだという事は、これはもうはっきりしているわけです。毎年のキャッシュフローに加えて、建設改良にはね、さきほども言いました有利な企業債に頼ることもできますし、なによりも1000億円超える手持ち資金があるという、逆に民営の方は向こう10年は借りたくないという状況です。つまり公営の方が、市民サービス、特に市民の安全安心の向上はできるということは、はっきりしてると思います。それで、さしあたり急がれるのは、やっぱり、民営化ありきでストップしてしまっている御堂筋線の可動式ホーム柵の全駅への設置だというふうに思います。可動式ホーム柵を御堂筋線の全駅に設置をして、同時に車両改造するとすれば、どのくらいの予算が必要なんでしょうか。

 

◎(鍋島・交通局鉄道事業本部鉄道統括部鉄道バリアフリー企画担当課長)

お答えいたします。平成23年度に行いました試算では、御堂筋線全駅への可動式ホーム柵の設置に関する概算費用は、約260億円と見込んでおりました。またその中で、車両改造に係る費用は約150億円となってございます。

 

◆(山中議員)

そうですね。全駅への設置が260億円、そのうち車両改造が150億円と。平成22年度に累積赤字を解消して、これから地下鉄はいよいよ発展して行くんだっていうときの、今後の施策展開ですけども。可動式ホーム柵、御堂筋線は平成31年度完成予定と。導入予定となっていますが、完成予定ですよね。平成31年度に全駅設置予定、総事業費261億円って出ています。

決めていたわけですよ、やるっていうふうに。だからもうあと3年で、本当は全駅設置だったわけです、本来は。民営化に舵さえ切らなければ。それを民営化に舵を切って、ストップしてしまって、天王寺と心斎橋だけで、車両改造も行わないなんて、そういうふうになってしまって、この民営化の計画の中でも、ぜんぜん計画はないと、この御堂筋線の可動式ホーム柵。本当に罪深いと思います。

とはいえ、やっぱり東京メトロ銀座線での事故を受けて、もうこの可動式ホーム柵はね、待ったなしです。もういろんなこと言っている場合ではない、社会問題になっています。やっぱりもう、四の五の言わないで、車両改造して、列車の停車とかドアの開閉などを自動で行うようにして、とにかく御堂筋線、全駅設置。そしてその他にもどんどんとやっていくと、もうこれしか、これはもう道はないんではないかと思いますけれども、いかがですか。

 

◎(鍋島・交通局鉄道事業本部鉄道統括部鉄道バリアフリー企画担当課長)

お答えいたします。可動式ホーム柵につきましては、平成27年3月に供用を開始いたしました、御堂筋線、天王寺駅と心斎橋駅におきまして、扉の開閉の安全確認のための時間、停車時間を延長したことによりまして、朝のラッシュ時の列車の運行本数が減ってございます。そのため、輸送力が1割程度、減少しており、それによりまして車内の混雑率も、ホーム柵導入前に比べ1割程度、悪くなってきてございます。現在は、柵設置後の輸送力を確保するための課題について、さまざまな検討を行っているところでございます。

 

◆(山中議員)

もうね、何年、そのご答弁をお聞きしてきたか。もうね、輸送力がどうのとかって言ってる場合ではありません。扉を開けておく時間が延びてしまうとかいうことを解決するためには、車両改造、とにかくするしかないわけですよ。もちろん、それもした上で、この3月の予算市会でも議論しましたけど、整列乗車とかそういうことも努力をして、なるべく短縮できるようにしないといけないですけども、もうね、そんなこと言ってる場合じゃない。それをね、同じことをおっしゃるのは、やっぱり民営化したら、そんなお金、出てこないからですよ。民営化、決めなければ、もう付けるって決めてた。平成31年には全部付いてた。それが、こういう状態になっているっていうのは、もう本当にまさに民営化を決めたからだというふうに思います。

ところで、東京メトロは、先日の銀座線での事故を受けて、ホーム柵、ホームドアですね、この設置の前倒しを決めたというふうに、お聞きをしています。同時に、ホームドアが設置するまでは、警備員をホームドアの付いていない、すべてのホームに専任の駅員、警備員を配置するということを発表して、これはもう今月末まで、9月中に完了させるというふうに報道されています。やっぱり、大阪市交通局だって、この事故を受けて、何か考えないといけないと思うんですけれども、どのようなことを、お考えなんでしょうか。

 

◎(佐伯・交通局鉄道事業本部運輸部駅務課長)

これまで、目の不自由なお客様が、駅をご利用される際は、駅職員がお声かけをし、介助を希望されるお客様に対しまして、駅職員が必要な介助を行っております。青山一丁目の駅の事故を受けまして、あらためて全職員に対しまして、目の不自由なお客様に対するお声かけを徹底するよう、所属長に対して、すぐに指示をしたところではございます。

今後、視覚障害者団体等のご意見も参考にしながら、国土交通省におきましても、全国の鉄道事業者を集め、駅ホームにおける安全性向上のための検討会というものを、立ち上げております。身障者のホームからの転落防止に向けた対策を検討している段階でございまして、今後、検討会の動向を注視しながら、必要な対策を、検討・実施してまいりたいと考えております。

 

◆(山中議員)

またね、そんなことを、おっしゃってて、だって当事者のみなさんだって、ずうっと要望しておられるのは、ホーム柵じゃないですか。はっきりしてますよ。ホーム柵がない駅のホームは欄干のない橋だって、昔っから要望しておられる。それがまだ、みなさんの声を聞いて考えます、それでなさったことと言えば、あらためて職員のみなさんに、しっかり障がい者の方を見かけたら声をかけてくださいねってね、ちょっとあんまりにもね、お寒いというか、どこを見て、地下鉄走らせているんですかっていうふうに、本当に申し上げたいと思います。以前の交通局は、私は、こんなんじゃなかったと思ってますよ。

私が通していただいた頃って、まだワンルート整備の途中でしたけど、どこにも先駆けて、ワンルート整備を行って、人に優しい駅だとか、そういうことで、立派なことをやってきたと、私は思っています。それが民営化ありきになって、もう止まってしまったということを考えるとやっぱりね、安全・安心に、しっかりと投資をするということ、そういういちばんの市民サービスは安全・安心ですからね、それをちゃんとやっていこうと思えば、東京メトロの場合はまた違うでしょうけども、今度の場合はこれは公営でこそだと、公営でなければならないというふうに思います。民営化については、あらためて反対だということを申し上げおきたいと思います。

最後、水道も案件ございますけども、これはもう何回、交通水道委員会のなかでも、大事なライフラインの民営化なんてことは、もう許されないと、反対を表明しておりますし、議会全体も、我が会派だけではなくって、まだ賛同しているわけではありません。そういうなかで補正予算を提出されるなんて、本当にとんでもないということを申し上げて、質疑、終わらせていただきます。