意見書の経過

9月20日の本会議関係の意見書

 20日の開会本会議では、「米国における同時多発テロ事件に関する決議」「教育予算の拡充と教職員の定数改善、義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書案」「介護保険制度に関するする意見書」などが全会一致で採択されました。

 

米国における同時多発テロ事件に関する決議

 去る9月11日、米国において、数多くの貴い人命を無差別に奪い、世界を恐怖と混乱に陥れた卑劣かつ許しがたい同時多発テ口事件か発生した。
 今回の事件は、米国のみならず世界の恒久平和を希求する人類全体に対する重大な挑戦であり、極めて強い憤りを覚えるものである。
 よって本市会は、この惨事に巻き込まれた犠牲者の方々に哀悼の意を表するとともに、改めて世界の関係国や機関等が連携して、二度とこのようなことが起こることがないようテ口根絶のために、断固たる決意をもって対処し、人類共通の願いである世界の恒久平和の実現に努められるよう強く訴えるものである。
 以上、決議する。

 

   
(日本共産党原案)

義務教育費国庫負担制度堅持を求める意見書(案)

 義務教育費の国庫負担、とりわけ教職員給与費の半額国庫負担制度は、憲法と教育基本法に基づき、「国が必要な経費を負担することにより、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ること」(義務教育費国庫負担法第一条)を目的とし、教育施策の重要な柱となっている。
 ところが政府は、すでに適用除外にされ一般財源化された教材費・旅費に続いて、教職員給与費の半額国庫負担制度や教科書無償制度の見直し、削減を行おうとしている。国庫負担制度が見直され、その財源が地方自治体に転嫁されれば、地方財政を著しく圧迫し、義務教育制度そのものを大きくゆるがすことにつながることは必至である。
 また、少年による凶悪な事件、不登校・登校拒否の増加、校内暴力や学級崩壊など、今日ほど教育のあり方が大きく問われている時はない。
 受験競争の緩和や30人学級の実現、世界一ともいわれる教育費の父母負担軽減など、日本の遅れた教育条件の抜本的改善が強く求められているのである。
 よって国におかれては、かかる教育の現状に鑑み、以下の施策を取られるよう強く要望する。

1、義務教育費国庫負担制度を堅持するとともに、すでに除外された教材費、旅費、恩給費などを復元すること。
2、一人一人の子どもたちの教育保障を充実させるために、30人学級早期実現、教職員定数の抜本的改善をおこなうこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   

(共同提案で採択)   

教育予算の拡充と教職員の定数改善、義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書(案)

 昨今の学校教育をとりまく状況は多様化・複雑化しており、「いじめ」「不登校」「学級崩壊」に加え、青少年にかかわる事件が多発する中で、子ども一人ひとりが大切にされ、豊かな人間関係の中で教育が行われることが求められている。
 また、大阪教育大学附属池田小学校における事件から、これまでの学校の安全・防犯対策を見直すとともに、「地域に聞かれた学校」のありようについて、学校・保護者・地域が一体となって進めていくことの重要性が改めて指摘されている。さらに、近年、児童・生徒の基礎学力の低下や理解力の不足が懸念されている中で、来年度からは新学習指導要領が始まろうとしている。
 一方、義務教育費国庫負担制度は教育の機会均等とその水準の維持向上を図るため、義務教育の根幹をなす制度として機能してきたが、政府はこれまでに、旅費、教材費、恩給費、共済費追加費用を一般財源化し、地方自治体に大きな負担をもたらしてきた。子どもたちへきめ細かな学習指導と行き届いた教育を保障するための学級規模と教職員定数の改善、教育の機会均等と教育水準の確保は国の責務であり、国民や地方自治体に転嫁してはならない。
 よって国におかれては、将来展望に立った教育予算の拡充と少人数学習が可能となる教職員定数の改善を引き続き図るとともに、現行の定数改善計画を早期に達成させ、義務教育費国庫負担制度、義務教育教科書無償制度を堅持し、また、地域に聞かれた学校を推進し、生涯学習、文化振興など地域コミュニティ拠点としての学校施設の整備と学校における安全確保のための予算を拡充することを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

   
(日本共産党原案)

介護保険制度の改善を求める意見書(案)

 今、10月からの介護保険満額徴収を前にして、介護保険制度の様々な矛盾が噴出している。
 第一は、保険料の負担に耐えられない高齢者が続出してきていることである。本市独自に第1段階、第2段階の所得階層に対する減額措置を講じているにもかかわらず、第1号被保険者のうち普通徴収対象者で、2万人の滞納者が出ており、このままでは、支給方法の変更や支給制限などの制裁措置を受けざるを得ない高齢者が大量に生まれることが懸念される。また、特別徴収対象者からは、月わずか1万5000円の年金からも天引きされる保険料に怨嗟の声が出されている。
 第二は、利用料が高いために、高齢者が必要な介護サービスを受けられないでいることである。本年2月の利用量は、限度額の36.5%であり、大阪市の当初の計画からしても、70%の水準に止まっている。
 第三は、特別養護老人ホームの絶対量の不足や、高い在宅サービスの利用料負担のために、特養ホームの待機者が増大していることである。介護保険制度の下で、保険料を支払い、要介護認定を受け、入所する資格がありながら入所できないなどということは、本来、あってはならないことと言わねばならない。
 よって、国におかれては、緊急に以下の対策をとられるよう、強く要望する。
1、 特養老人ホーム待機者の実態を調査し、その解消のための基盤整備計画をたてること。
2、 利用料・保険料の減免制度をつくること。在宅サービスの利用料を、住民税非課税者まで無料にすることをめざしつつ、当面の最小限の緊急対策として、新規利用者をふくめて、すべての在宅サービスの利用者負担を3%に軽減すること。
3、 これらが整うまで、10月からの保険料の満額徴収を凍結すること。
4、 支給方法の変更や支給制限などの厳しい制裁措置を見直すこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 


(共同提案で採択) 

介護保険制度に関する意見書

 我が国の人口の高齢化は急速に進行しており、介護や介助を必要とする高齢者が増え続け、高齢者の介護や介助問題に対する国民の関心も非常に高まっている。
 このような中、国民生活や地方行財政に極めて重大な影響を及ぼす介護保険制度が、平成12年4月から実施され、介護サービスの質・量等にかかわって様々な意見も出されてきており、特に、この10月からは65歳以上の高齢者からの保険料が本来の額で徴収されることとなるため、改めてよりきめ細やかな対応が求められているところである。
 よって国におかれては、介護保険制度について、より一層広く国民の理解と協力が得られるよう広報活動にも努められるとともに、地方自治体や要介護者及び家族に過重な負担を生じさせることなく、国の責任において、将来にわたって長期的に安定した運営となるよう努められたい。特に、施設整備や人材確保などサービス基盤の早急な整備を図るための国庫補助制度の拡充と、低所得者等の保険料や利用者負担の減免については、高齢者の所得状況等の実態を踏まえ、介護サービスの利用が制限されることのないよう特段の措置を講じられるとともに、事務システムの運用や事務に要する人員の確保に必要な財政措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 
(日本共産党原案)

        緊急地域雇用特別交付金の継続・拡充を求める意見書(案)

 完全失業率が史上最悪の5%を記録するなど、雇用をめぐる情勢はいっそう深刻さをましている。失業は、労働者本人だけでなく、家族も含めて生きる糧を奪われるという問題であり、自ら命を絶つ人も、この間、毎年3万人を超え、ホームレスも急増している。とりわけ、大阪市の完全失業率は、昨年10月の国勢調査によると8.97%と、全国水準を大きく上回っている。
 こうしたもとで、国においても、地方自治体においても、リストラの規制など失業者を増やさない対策とともに、公的雇用の拡充など独自の努力を強化することが緊急かつ重大課題になっている。
 政府はこの間、厳しい雇用・失業情勢に対処するため、2000億円の「緊急地域雇用特別交付金事業」を2001年度までの3カ年事業として実施し、大阪府・市においても142億円が交付された。この交付金は、西成区での高齢者特別清掃事業や周辺環境整備事業などに活用され、一定の効果をあげてきている。
しかし、予算規模が少なく、事業種目が限定されているなどの制約があり、今後の雇用拡大のためには、2002年度以降も事業を継続するとともに、制度の改善・充実を図ることが必要である。
 よって国におかれては、「緊急地域雇用特別交付金事業」の継続と拡充をはかられるよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

(共同提案で採択) 

緊急地域雇用特別交付金制度に関する意見書

 緊急地域雇用特別交付金制度は、即効性のある雇用対策として、国において平成11年度から3か年の事業として創設され、本市においても約22億円の配分を受け事業を実施し、中高年齢者の雇用創出を中心に一定の効果を見ているところである。
 しかしながら、本年7月の完全失業率は、過去最高の5.0%を記録し、特に大都市圏における雇用情勢は、企業倒産等による中高年齢者の非自発的離職者が多いなど、極めて厳しい状況にあり、近畿の完全失業率も6.3%と全国平均を大きく上回っており、このような状況の中で、当制度が本年度をもって終了することは、雇用情勢をさらに悪化させることにもなりかねない。
 よって国におかれては、当制度の重要性にかんがみ、制度の存続はもとより、現行の対象事業範囲や雇用期間の限定などの制約を改善され、また、交付金の配分に当たっては、厳しい大都市の雇用情勢の実情に即して重点的に配分されるよう、制度の改善→拡充を図られることを強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

(日本共産党原案)

        少子化対策臨時特例交付金の継続・拡充を求める意見書(案)

 保育所定員オーバーで入所できないいわゆる待機児は年々増え続け、今や、全国で3万人をこえる事態になっている。最初から申し込みをあきらめる人も多く、潜在的待機児は、この数倍に達するとも言われている。とりわけ、本市においては、全国の待機児ワースト1となっているなど、極めて深刻な状況にある。
 女性の社会進出や経済情勢の悪化のもとで、保育への要求が急速に増大しているにもかかわらず、公立保育所は90年代に入って、全国でもわずか400ヶ所しか増設されていないことに起因している。また、規制緩和をすすめる政府の保育政策のもとで、営利第一の事業が拡大し、「ちびっこ園」での乳児死亡など悲惨な事件も広がっている。こうした中で、「国および地方自治体は、児童の保護者とともに児童を心身ともに健やかに成長する責任を負う」とした児童福祉法に則っとり、質的低下なしに待機児を解消することは緊急焦眉の課題になっている。 
 政府はこの間、待機児の解消を目的に「少子化対策臨時特例交付金」を創設した。全国で約2000億円、本市においても40億円が交付され、低年齢児枠拡大のための公立保育所建替整備など、待機児の克服に一定の役割を果たしてきたものの、道半ばにして、はや、2001年度をもってうち切られようとしている。これでは、待機児の解消など望むべくもなく、むしろ、少子化対策に逆行するものと言わざるをえない。
 よって国におかれては、かかる現状に鑑み、「少子化対策臨時特例交付金」の継続と拡充をはかられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

 

(共同提案で採択) 

少子化対策臨時特例交付金制度に関する意見耐

 近年、女|性の社会参加の増大や就労形態の多様化に対応し、子育てと仕事の両立を支援する保育サービスの充実など、安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりがより一層求められている。
 このような中、少子化対策臨時特例交付金制度は、地域における少子化対策の一層の普及促進を図るとともに、雇用・就業機会の創出に資することを目的として、国において平成11年度から3か年の事業として創設され、本市においても交付金を受け、主に民間活力を活用し、低年齢児の入所枠拡大のための保育所整備を重点的に行い、待機児の解消を図ってきたところである。
 しかしながら、現実の待機児数や保育サービスに対する二一ズの高まり等を考え合わせれば、当制度が本年度をもって終了することは、少子化対策の歩みを緩めるものともなりかねない。
 よって国におかれては、当制度の重要性にかんがみ、制度の存続はもとより、安心して子どもを生み育てることのできる環境づくりのための諸制度の創設・改善・拡充を図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

(日本共産党原案)        

大規模なリストラに反対し、雇用の確保を求める意見書(案)

 今、完全失業率が史上最悪の5%になるなど、深刻な雇用状況が続く中で、更に、これに追いうちをかけるように、空前ともいえる人減らし、リストラの嵐が日本列島を吹き荒れている。
 これまで発表されているだけでも、自動車・電機・情報産業の大手30社で、実に16万人という未曾有のリストラ計画となっている。
 もし、これらが実施に移されるなら、大企業に働く労働者が職を失うだけでなく、下請け、中小企業など、膨大な中小企業を倒産に追いやり、ここでも大量の失業者を生み出すことになるなど、日本経済に極めて否定的な影響を与えることになる。
 言うまでもなく、今、強行されようとしている大企業のリストラは、切羽詰まったものではない。
 それは、この間の、内部留保額が大企業427社で102兆円にものぼっていることからも明らかである。又、「雇用が過剰だからリストラも仕方がない」との議論があるが、全く通用するものではない。過剰なのは、「サービス残業」まではびこる労働時間に他ならない。   
 今、求められていることは、このような横暴勝手な首切り・リストラをやめさせ、雇用などに対する大企業の社会的責任をしっかりと果たさせることである。そうして、リストラで失業者を増やし、それが、家計消費を落ち込ませ、更に、不況に拍車をかけるという文字通りの悪循環を断ち切ることである。
 よって、国におかれては、これまでのリストラ奨励の政策をただちに改めると共に、経済と雇用に対する責任を果たす立場に立って、企業のリストラ競争に思い切った規制の手を加えられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

(共同提案で採択)

雇用の創出とセーワティーネットの整備等に関する意見書

 これまで我が国では、終身雇用制などの日本的雇用慣行を背景として、企業の雇用調整は、他の先進国、特に米国と比較して、比較的緩やかであり、調整手法も、残業規制や配置転換等比較的ソフトな雇用調整の割合が高く、希望退職の募集、解雇といった厳しい雇用調整がなされることは少ないと考えられてきた。
 しかしながら、最近、日本を代表するような大企業においても、大規模な人員削減計画の発表や、その実施がマスコミ等で頻繁に報道されるようになり、政府の9月の月例経済報告でも、「景気は、引き続き悪化している。」「雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が過去最高の5%台となり、求人や残業時間も弱含んでいる。」とされている。
 このままでは、所得・雇用環境の改善は遅れ、個人消費の回復をはじめ民間需要を中心とした本格的な景気回復の実現が困難な状況にもなりかねない。
 よって国におかれては、雇用対策等を柱とした補正予算を早急に編成されるとともに、長期的な経済活力を引き出すための規制緩和や制度改革並びに技術革新等に取り組まれ、また、それらによる新市場の開拓と雇用の創出を図り、さらには雇用情勢の変化に機動的・弾力的に対応できる雇用面でのセーフティーネットの整備等を早急に図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。