此花区住宅地の重金属汚染

瀬戸議員 全量撤去を求める

(一部しんぶん赤旗 2001年6月30日より)

 6月27日に開かれた大阪市議会建設港湾委員会で、日本共産党の瀬戸一正市会議員は、此花区高見の大規模市街地開発地(高見フローラルタウン)で発見された鉛・セレン・ヒ素などの重金属汚染土壌(地下水の汚染で見ると、鉛は環境基準値の最高440倍、ヒ素は65倍、セレンは190倍、総水銀は280倍など)の処理について、住民の安全を保障する環境対策を求めて質疑しました。
 土壌汚染は「都市公団」が公団住宅を建てようとして発見され去年の12月に発表されたもので、汚染地区8,000u
(7番街区)にある56,000m3について、一部高濃度のものは運び出すものの、大部分は「地中にコンクリート遮水壁をつくるなどして現地に封じ込める」方式を採用し近く入札をしようしています。
 瀬戸議員は「住民からは全量撤去を求める声があがっている。封じ込め対策は永久に効果があるものではない。全部撤去するべきではないか。近畿圏内の民間産業廃棄物処理場に受け入れ能力はある。費用が高くつくから全量撤去しないのか」と追及しました。
 都市環境局の中野環境影響評価課長は「受け入れ先の能力はある」、「処理場持ち込み費用や運送費、埋めもどし土砂購入費など撤去方式の方が費用が高くつく」などは認めながらも、「封じ込めも国の対策指針で認められた方法だ」と答弁しました。
 瀬戸議員は重ねて「本来は全量撤去をするべきものだ」と指摘しまた。 さらに同議員は7番街区の周辺で市営住宅や公団住宅など26棟がすでに建っている「既存地区」でおこなわれた139地点での「表土調査」(深さ10cm)の結果を取り上げ、「汚染が判明した16地点はすべてラサ工場敷地跡ではないか」、「ラサ工場跡地の地下では、7番街区地下と同程度に汚染されているのではないか」と質問し、中野課長は汚染地点がほぼラサ工場敷地だと認めたうえで、「既存地区地下汚染も7番街区と同程度の可能性は否定できないが、地下については将来建物の建て替えなど土地改変時に調査を求める」と答弁。
 瀬戸議員は「表土調査と汚染判明地点周辺のわずかな『土の入れ替え』だけで済ませることに住民は不安をもっている。地下土壌の汚染が毛細管現象などで表面に上昇してくると指摘する専門家もいるし、土地改変も住宅建て替え時に限らず電線や下水道など地下埋設物を掘り返す場合もある。7番街区と同様に地下までボーリング調査をし、汚染が判明すれば必要な対策を講じるべきだ」と指摘し、既存地区での地下調査と対策を強く要求しました。