(資料)政令市における都市計画審議会の状況について 

2000年4月25日 日本共産党大阪市会議員団調

1)他都市に見る都市計画審議会の特徴

@大阪市、福岡市、札幌市以外はすべて1969年(昭和44年)に発足している。 この間に、市民参加を保障する様々な経験を積んできている。
A審議会委員の市民参加を保障しているところが多い。学識経験者と市会議員 だけという都市は大阪市、名古屋市、北九州市の3市だけである。川崎市など は、市民からの公募委員募集のためやその選考をするための要領まで定められている。
B審議会を公開する方向が強まっている。議事録の公開は当然である。
C川崎市では「川崎市都市計画公聴会規則」(平成12年3月31日)が定められ ている。
D関係住民の意見陳述については、横浜市で都計審規則(第4条)「関係者の出 席等」が規定されており、「諮問された事項について必要と認めるときは、関係 者の出席を認めてその説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる」としている。
E北九州市では都計審の現地調査を実現させてている。
F大阪市の市民参加をはじめとする民主的な取り組みの遅れは目に余る。

2)各政令都市の状況

【札幌市】
(1)審議会委員の総数24名、うち、@学識経験者12名、A市会議員6名、B市民3名、C関係機関3名で構成される。
(2)審議会の公開状況  @原則公開している。審議会は札幌市情報公開条例に基づき公開とすることが、札幌市都市計画審議会運営規約でうたわれている。ただし、特に審議会において非公開と定めることができる。A傍聴席を設ける。B議事録は公開。
(3)関係市民の意見陳述  *審議会に市民が3名参加している。これ以外の市民の意見陳述は想定されていない。
(4)審議会が最初にできた時期  *2000年4月1日

【仙台市】
(1)審議会委員の総数20名、うち、@学識経験者8名、A市会議員7名、B市民2名、C関係機関3名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *原則公開(非公開の時もある)。
(3)関係市民の意見陳述  *意見陳述は制度的にはない。しかし、市施行の区画整理事業について意見陳述をさせた経験がある。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【千葉市】
(1)審議会委員の総数23名、うち、@学識経験者10名、A市会議7名、B市民3名、C関係機関3名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *公開の方向である。
(3)関係市民の意見陳述  *まだやられていない。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。
(5)都市計画法の一部改正により、都市計画審議会が法定設置とされたことにともない、都市計画審議会の組織及び運営に関し必要な事項を定め、条例を制定した。

【川崎市】
(1)審議会委員の総数17名、うち、@学識経験者8名、A市会議員6名、B市民1名、Cその他市民からの公募委員2名で構成される(川崎市都市計画審議会委員公募要領および公募委員選考委員会設置要領がある)。
(2)審議会の公開状況  @*川崎市都市計画公聴会規則(平成12年3月31日)があり、「広域的または根幹的な計画であって特に重要なものの案を作成しようとする場合、市長は公聴会を開催する」と定めている。A*公述人は本市に居住する者。ただし、市長が特に必要と認める者
(3)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【横浜市】
(1)審議会委員の総数25名、うち、@学識経験者12名、A市会議員10名、B市民3名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *新情報公開条例の制定で審議会等が原則公開となる。
(3)関係市民の意見陳述  *横浜市都市計画審議会規則(第4条)「関係者の出席等」に、「諮問された事項について必要と認めるときは、関係者の出席を認めてその説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる」としている。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【名古屋市】
(1)審議会委員の総数20名、うち、@学識経験者13名、A市会議員7名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *情報公開条例が全面改正されて、審議会も原則公開になった。
(3)関係市民の意見陳述  *市民から陳述の申し入れがあれば「審議会の判断で許可」できることになっているが、ここ5年間は活用されていない。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【京都市】
(1)審議会委員の総数28名、うち、@学識経験者11名、A市会議員12名、B市民2名、C関係機関3名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *共産党は要求しているが、非公開。
(3)関係市民の意見陳述  *要求しているが許されていない。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【神戸市】
(1)審議会委員の総数24名、うち、@学識経験者8名、A市会議員12名、B市民2名、C関係機関2名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *これまでは許されていなかったが、今後の公開については、都計審委員によって決定されることになる。(今のところ公開の動きはない)
(3)関係市民の意見陳述  *同上。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。
(5)震災直後の3月、震災復興都市計画決定の強行に伴い、地域の住民から意見書が2,400件出され都計審の傍聴を求める声が強くあったが、認められなかった。今後の都計審につては、予算特別委員会で「あくまで審議会で決めることだ」と局長が答弁しているが、現状では、震災復興都市計画の微妙な時期でもあり、公開は難しそう。

【広島市】
(1)審議会委員の総数20名、うち、@学識経験者8名、A市会議員7名、B市民3名、C関係機関2名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *未定。
(3)関係市民の意見陳述  *会長が審議会に諮り決める。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。

【北九州市】
(1)審議会委員の総数20名、うち、@学識経験者10名、A市会議員10名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *非公開(要点筆記の議事録は公開する)。
(3)関係市民の意見陳述  *なし。ただし、市民からの意見書は審議会でその要点が配布される。
(4)審議会が最初にできた時期  *1969年(昭和44年)。
(5)現地調査の実施 *都計審では、日本共産党の委員が問題提起をしなければ誰からも発言がなく終了するという状況が一般的です。日本共産党は、意見が出ないのは事前に事案の問題点をよくつかめていないためだと問題提起し、重要な案件については現地調査を実施することを実現させました。しかし、現地調査に欠席する委員も多く、市長の提出議案を単に承認するだけの機関という実態はそう変わっていません。ただし、地元の市民から反対が強い事案については、住民と結んで議会や執行部に働きかけ、都市高速道路の計画変更をやらせたこともあります。

【福岡市】
(1)審議会委員の総数27名、うち、@学識経験者9名、A市会議員11名、B市民2名、C関係機関5名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *公開ない。
(3)関係市民の意見陳述  *会長が審議会に諮ることになっている。
(4)審議会が最初にできた時期  *2000年5月発足予定。
(5)議事録が情報公開されている。

【大阪市】
(1)審議会委員の総数30名、うち、@学識経験者15名、A市会議員15名で構成される。
(2)審議会の公開状況  *未定。
(3)関係市民の意見陳述  *未定。
(4)審議会が最初にできた時期 *2000年4月