予算審議の特徴は

党市議団 関根幹事長に聞く(上)

(しんぶん赤旗 2001年3月30日)

 2001年度大阪市予算を審議する市議会が3月28日閉会しました。今回の議会の特徴について、日本共産党大阪市会議員団の関根信次幹事長に聞きました。

−まず予算の特徴についてお話ください。

関根 市民のくらし、中小企業の営業は、政府のデフレ宣言にも見られるように、一段ときびしくなっています。こういうなかで、260万市民のくらしを守るべき大阪市の予算は、巨大開発優先を改めて、市民の家計を直接あたためるものにしなければなりません。

 巨大開発には大盤振る舞い 

 ところが、市の予算は、市民の願いには冷たく、巨大開発には大盤振る舞いという従来どおりのものでした。日本共産党議員団は、市民本位の予算になるよう、組み替え提案をおこないました。
 今回の予算では、国民健康保険料を昨年に引き続き3%値上げ、下水道使用料は平均15.6%の値上げ、高校授業料は日本一の高額に引き上げるなど、8項目80億円もの料金値上げがおりこまれました。
 また、市民が強く望んでいる介護保険の保険料減免拡充や利用料減免制度の新設をおこないませんでした。低所得層の第1段階、第2段階の方の利用料を、在宅サービスを無料にするのに必要な財源は約10億円にすぎません。
 学童保育についても、いかに市民の大きな要求があるかは1月の臨時市議会を見れば明らかなのに、1円の補助金も増やさず、市の広報で学童保育の周知をおこなうことすらも拒否しました。
 大型店の出店から商店街を守る問題、少人数学級の実現などでも、市民要求に背を向けました。料金値上げをやめ、くらし・福祉・教育優先の予算にすることは、ムダと浪費の巨大開発、不公正乱脈な同和行政を改めれば十分に可能です。

 湯水のように公金を投入 

 ところが、関空への出資・貸付55億円、北港テクノポート線建設75億円、夢洲トンネル建設31億円、新人工島護岸160億円。それに、大阪市の第3セクター・3K赤字穴埋め97億円に加え、新たに、大阪ドームと地下街・クリスタ長堀の支援に26億円。まさに、湯水のような公金投入です。
 ただちに終結しなければならない同和行政には、同和浴場の改修15億円、一民間病院にすぎない浪速区・芦原病院への支援10億円、大阪市同和事業促進協議会・地区協議会への補助・助成30億円など、巨額の予算を計上しています。
 磯村市長が、市民要求に対して「バラまきはできない」と、つきはなす答弁をおこなったことが示すように、自民・公明・民主に支えられた磯村市政の本質が、いっそうはっきりしました。

−今回の市議会で、新しく明らかになったことはどういうことでしょうか。

関根 第三セクターの経営破綻は、宮崎のシーガイヤなど、今全国で大問題になっています。大阪市でも、ATC、WTC、OCAT、いわゆる3K赤字への945億円もの公金投入が市民の批判をあびてきましたが、今回新たに、大阪ドームとクリスタ長堀の失敗で、ついに5Kとなりました。