2001年1月26日

声 明 文

大阪市に学童保育の制度を求める10万人の会

 私たちは本年1月10日地方自治法第74条1項に基づいて、大阪市に対して学童保育条例案の制定を求めて直接請求をした。この直接請求には141,133名の大阪市民が署名し、学童保育条例案の制定を大阪市に強く求めた。磯村市長はこの請求に基づき大阪市会を開催し、1月22日本会議、1月24日民生保健委員会、そして本日の本会議と私たちの請求した学童保育条例案の制定のぜひをめぐって審議していただいた。
 臨時大阪市会の審議を通じて改めて学童保育の必要性といっそうの充実が確認された。「放課後児童健全育成事業」の趣旨についても鮮明にすることができた。留守家庭児童の放課後における「遊びと生活の場」は教育と福祉の両側面から保障される必要があり、2つの事業「学童保育」と「児童放課後いきいき事業」をともに充実していくことの重要性が浮き彫りにされた臨時大阪市会であった。同時に、現行の「学童保育」や「児童放課後いきいき事業」の施策の問題点や不十分さも明らかになった。
 臨時大阪市会は私たちの請求した学童保育条例案について、残念ながら十分な吟味がされたとは言い難い。条文ごとに各派各議員の活発な質疑を期待したが、学童保育条例案についてはほとんどふれることなく審議が進められたのは非常に遺憾である。
 141,133名の大阪市民が請求した学童保育条例は与党3会派の反対によって否決された。「学童保育」施策の実態を直視するならば、条例案に反対する理由は皆無である。働く女性の増大や共働き家庭の一般化と、働きながら安心して子育てのできる社会保障の整備は急務となっている。30数年間大阪市の働く親の就労権と働く親を持つ子どもたちの放課後の「遊びと生活の場」を保障し続けてきた学童保育の制度拡充を多くの市民は願っている。条例案は今回の臨時大阪市会で否決されたが学童保育条例案の制定を請求した141,133名の市民の声は決して小さいものでない。むしろ学童保育条例を求める市民の声は署名終了後も広がり続けている。条例制定へ向けての「大阪市に学童保育の制度を求める10万人の会」のとりくみに対する支持・共感がいま現在も広がり続けていることを実感している。
 141,133名の署名を生かした21世紀の子どもたちの未来を拓く学童保育拡充への新たなスタートはこれから始まる。

 ご支持を下さった全ての人々に心から感謝とお礼を申し上げるものです。