中国、北朝鮮を敵視する陳情は不採択を

日本共産党の姫野議員が主張

(しんぶん赤旗 2001年1月25日)

 大阪市議会財政総務委員会が18日にひらかれ、日本共産党の姫野浄議員は、「中国への円借款供与を停止するための陳情」「二つの中国を直視し、台湾との友好関係を築くための陳情」にたいし、見解を表明しました。
 姫野議員は、2つの陳情書は、いずれも市議会で、中国問題に関して政府に対して意見書を提出してほしいというものであり、その主旨は、中国や北朝鮮は戦争国家であるから、そのことを住民に知らせよとか、円借款供与は中止せよとか、台湾という中国とは別の国家が存在しているのであるから、李登輝前総裁を招き友好を深めよとか、およそ今日の日本外交のとるにふさわしい方向とは全く逆のことを要求している。いま、東アジア地域では、二つの平和の激動があり、一つは、東南アジア諸国連合(ASEAN)において、ASEAN地域フォーラムができ、平和と安全のための対話がすすめられていること、もう一つは、朝鮮半島における南北首脳会談とそれに続く米朝関係の進展、さらに日朝会談がおこなわれている。この中で重要なことは、日本政府として、過去の侵略戦争と植民地支配を自らの責任で清算することができるかどうかがキーワードになっていると指摘。
 こういう中で、その中国や北朝鮮を危険な戦争国であると敵視するキャンペーンをはり、日本と両国との友好的・平和的関係の成立を妨害しようとする勢力があり、陳情提出者もその中の一人というべきであり、大阪市会として、このような意図を持つ2つの陳情については、きっぱりと否決すべきだと強調しました。
 自民・民主民友・公明などの与党は、継続審議の立場をとりました。

議会 日時 付託委員会 請願・陳情名 質問者  各会派の態度
共産 自民 公明 民民 無所属
1月市会
1.18 財総 中国への円借款供与を停止するための陳情 姫野 ×
1.18 財総 「2つの中国」を直視し台湾との友好関係を築くための陳情 姫野 ×
○…採 択  △…継 続  ×…不採択  ▲…一時不再議  ■…審査不要
 共産…日本共産党  自民…自由民主党  公明…公明党   民民…民主・民友大阪市会議員団  無所属
 財総…財政総務委員会  文経…文教経済委員会  民保…民生保健委員
 計消…計画消防委員会  建港…建設港湾委員会  交水…交通水道委員会