大阪市会1999年度決算議会を終えて

日本共産党大阪市会議員団 関根信次幹事長に聞く

(しんぶん赤旗 2000年12月7日)<下>

 −市民要求の実現についてはどうですか。 

 市民要求に根ざした請願や陳情を提出 

 関根 今度の市議会にも、市立大道保育所、矢田第二保育所の廃止撤回や浪速区・日本橋中学校での学校給食の実施、市民本位の国保行政、障害者小規模作業所への助成拡充、保健所・保健センターの充実など、切実な市民要求に根ざした請願や陳情が多数提出され審議されました。
 またわが党議員団は、乳幼児医療費無料化の拡大(現在四歳までを小学校就学前までにする)と所得制限をなくす条例案を提案しました。この問題での条例提案は16回目です。大阪市ではこの11月から無料化を3歳までから4歳までに引き上げましたが、この間のねばり強い運動の成果です。小学校就学前までの拡大は市民の強い願いであり、来年からの実施へ、市民のみなさんといっそう運動を広げたいと思います。
 マンションの集会所とプレイロット(子どもの遊び場)の固定資産税減免も実現しました。市内の分譲マンションは2210団地(17万5千世帯)もありますが、現行の減免規定は制約が多く、適用団地はわずか二つしかありませんでした。この問題を何度も議会でとりあげてきたわが党議員団の努力とマンション入居者の要望がついに実ったものです。

 −市長の政治姿勢についても問題になりました。

幹部職員の天下り放置はできない

 関根 昨年の中村前議員の逮捕に続き、今度は天野前議長が市発注の工事に絡んだ事件で逮捕されました。政・官・業の癒着を断ち切ることが今強く求められています。この点で、市の幹部職員の天下り問題を放置することができません。
 99年度も課長級以上の251人中99人が外郭団体に、119人が民間企業等に再就職しています。このことを追及したわが党議員に、磯村市長は「キャリアを生かしてやってもらっている」などと無反省な答弁をおこないました。
高級役人天国を改めようとしない市長の態度は、市長自身の政治資金の中身にも表れています。大阪都市問題研究会という政治資金管理団体を通じて、昨年の市長選挙の際、2億8000万円もの資金を集めましたが、その内、名前がわかっているだけで159人もの「天下り」と言うべき市役所OBが募金しています。

 野宿者をなくす抜本策示すとき 

 最後に、長居公園の野宿生活者「仮設一時避難所」建設の問題です。
 地域住民や当事者から、疑問や批判の声がたくさん出され、市民との話し合いを求めているにもかかわらず、市長は議会で「すべての所に顔を出すひまもエネルギーもない」などとのべ、ついに建設を強行しました。いまからでも中断し、住民合意への努力を重ねるとともに、野宿者をなくす抜本策をしめすべきです。
                                                (おわり)