下田敏人議員が99年度一般決算等に反対討論 同和問題関係部分   2000年12月1日

        同和事業・行政は「法」失効後も不公正・乱脈を継続 

  反対理由の第三は、終結すべきであるにもかかわらず、なお不公正・乱脈な同和事業・同和行政を進めているからであります。
 根拠法も、97年度で基本的に失効しているにもかかわらず、99年度もおびただしい数の教員加配や保母加配を行なっている上、1民間病院である芦原病院には運営補助金等7億3千万円と運営特別貸付金3億9400万円の合計11億3100万円も出しているのであります。同時に、必要性がますます稀薄になっている同和浴場の改修費に99年度も8億2千万円も支出し、この5年間だけで、1浴場あたり1億4千万円もつぎ込んだことになるのであります。そうして、2002年4月をもって、この浴場の建物の所有権を地区協に引き渡すというのであります。言語道断といわなければなりません。 

 1兆2千億円もの巨費を投じた同和事業はいったい誰のため  
     諸悪の根源、市同促・地区協方式はキッパリと廃止を      

 又、決算委員会を通じて、69年以来、1兆2千億円もの巨費を投じた同和事業というものが、如何に乱脈なものであったか浮き彫りになりました。
 運動団体の要求で次々と土地を買って、そのあげく、今だに未利用の土地が7.4haも残っているのであります。
 浪速区の浪速東や浪速西の地域では、至るところ空き地だらけであります。
私の調査では、浪速東1丁目〜3丁目、浪速西1丁目〜4丁目の総面積44haのうち実に31ha・70%が大阪市有地になっているのであります。
 ですから居住者も1970年の国勢調査では、浪速東・浪速西で8094人であったものが、95年の国調では4031人に、49%まで落ち込んでおります。大阪市全体の人口が87%への減少、浪速区全体が74%ということから考えても、いったい誰のための同和事業だったのかという事であります。
 又、同和住宅もガラガラでありますが、そんな中で浪速でも、同和住宅の建替事業が一般施策としてやられております。ところが入居などは、一切、地区協に握られたままであります。浪速西住宅入居戸数43戸の受皿住宅として、浪速第6住宅2号館88戸が建設されて、浪速西から36戸が入居いたしました。そして、他の同和住宅から17戸がいつのまにか入ったものの、35戸が空いたままであります。
 又、すぐ近くに西栄住宅2号館がやはり建替事業の受皿として40戸建設されて、入居資格のある浪速西住宅からは5戸が入居、そして、やはり他の同和住宅から12戸が入って、しかし、なお23戸が空いております。にもかかわらず、西栄3号館・5号館164戸の工事が進められているのであります。
 このように、無計画に住宅が建てられて、建替対象外の住宅からもなし崩し的に入居する。こういうデタラメがまかり通っているのであります。そうして建設工事は、特定の同和建設業者が請け負うという構図であります。
 まさに諸悪の根源は、市同促・地区協方式だと言わなくてはなりません。キッパリと廃止し、行政の主体性を確立しない限り、乱脈は改まらないし、部落問題の解決もありえないという事を申し上げておきます。