地盤沈下・経営危機…見通したたない関空

2期工事は稲森豊市議が凍結・中止を求める

(しんぶん赤旗 2000年11月21日)

 20日、大阪市会決算特別委員会が開かれ、日本共産党の稲森豊議員が関空二期工事を凍結・中止するよう磯村隆文市長の判断を求めました。
 稲森議員は、これまで大阪市は関西国際空港の株主の一人として一期工事に191億円、二期工事に新たに288億円を投入しようとしている問題について、経営の見通しと空港島の地盤沈下問題を指摘し、漫然と公金を拠出し続けることを厳しく追及しました。
 とくに稲森議員は、「関空一期工事では、地盤固めのために、沖積層の地下水圧を下げるサンドドレーン工法を採用しています。護岸部分は二メートル間隔でびっちり打っており、空港島全体で100万本にのぼります。埋立層の厚さが33メートル、沈下予測が12メートル。驚くべき数字です。ちょうど大阪城の天守閣を石垣の下から見上げた高さと同じです。空港島全体を埋め立てる土の総量はピラミッドの70個分に匹敵します。だから、地盤に対し一平方メートルあたり四十五トンもの重さがかかります。第二期工事になると水深が深くなるので重さはさらに増すことになります。このため、洪積層の沈下がさらに多く発生するのではないか、予断を許さない」と警告している三笠正人大阪市大名誉教授や赤井浩一京都大学名誉教授の見解を紹介しました。
 また同議員は、地盤沈下問題について関空会社が「沈下は予想の範囲内」とする見解に対し、「この表現には強い疑問がる。どこまで沈下するかの予測は難しい。二期工事を急ぐのは止め、今こそ立ち止まって考えるべきだ」と主張し、磯村市長に答弁を求めました。ところが市長は、「心配が全くないわけではありませんが、それよりも地球温暖化で水位が上がり、空港島が沈没しないかと心配」などと見当違いの答弁に終始しました。