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病院統廃合なぜ同意

辰巳氏 大阪市計画は非現実的

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(写真)質問する辰巳孝太郎議員=10日、参院厚労委

 日本共産党の辰巳孝太郎議員は参院厚生労働委員会で10日、政府が小児・周産期医療体制の整備促進を掲げる一方で、地域の小児・周産期医療を担ってきた大阪市の住吉市民病院の廃止・統合再編計画に同意したことについてただしました。

 同病院の再編計画は、橋下徹前大阪市長が「二重行政のムダ」だとして市民病院を廃止し、府立急性期・総合医療センターに統合すると打ち出したもの。7万を超える反対署名をうけて「民間病院の誘致」を言いだしましたが、それも2度頓挫。今回公募をやめ、民間病院を選定しました。

 辰巳氏は、再編計画の申請に必要な府の医療審議会の意見書でも、反対が多数を占めたと指摘。さらに誘致予定の民間病院が全国産科医平均の2倍の分娩(ぶんべん)数を行うとしていること、医療の継続性にも疑問があるとして、「まったく非現実的な計画だ。地元の理解も同意もない前代未聞の再編計画だ」と同意の撤回を迫りました。

 塩崎恭久厚労相は、反対の声が多数あることを認め「地元に丁寧な説明を行ってほしい。府と市の今後の対応をしっかり注視していく」と答えました。

 辰巳氏は、「民間では難しい、住民に必要な周産期医療を公立病院で担う。府と市がそれぞれの役割を担って行う。これを『二重行政のムダ』と強弁して住民に必要な地域医療を壊してしまう計画に手を貸したのが安倍政権だ」と批判し、再度撤回を求めました。

(2016年3月11日付しんぶん赤旗)