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異議あり!大阪市解体

橋下・安倍氏の野望打ち砕こう

関西学院大学法学部教授・大阪革新懇代表世話人 冨田宏治さん


 橋下徹大阪市長の「都構想」、維新政治をどう見るか―。冨田宏治・関西学院大学法学部教授(大阪革新懇代表世話人)が大阪市ないで行った講演の要旨を紹介します。


 「都」構想は看板に偽りありです。大阪市の有権者を対象とした5月17日の住民投票で賛成が多数となっても、「大阪都」はできません。大阪府は府のまま
です。では、何が変わるのか。大阪市が消えてなくなる。これが問題なのです。

後は野となれ…

 大阪市が消えるとどうなるか。大阪市役所もなくなります。市民を代表して熟議をつくす市議会もなくなります。みなさんはもう大阪市民ではなくなります。市民の代表である大阪市長も消えます。橋下市長は最後の市長として華々しく消えてなくなって国政に出て行きたい。後は野となれ山となれです。

 だから「都」になるというまやかしにごまかされてはいけない。市がなくなれば24行政区もなくなります。図書館も危ない。24力所にあるプールも子育てプラザも減るだろうと言われています。

 府に移されるものもあるでしょうが、たぶん多くは切り売りされてなくなってしまう。市民は税金を払って公共施設をつくってきたのに、いったい今まで何をしてきたのだということになります。

 市のかわりにできるのが特別区です。今度の住民投票では「特別区の設置」の賛否が問われます。特別区は財源も権限も少ない中途半端な自治体です。

 なくなった大阪市から府が年間2000億円以上のお金を吸い上げて、地下鉄道「なにわ筋線」や高速道路・淀川左岸線の延伸部をつくる。

 こんな大阪市消滅構想はとんでもないと府市両議会では昨年10月、協定書が一回否決されていた。なのに、なぜ復活したのか。公明党の方針転換の結果です。中身には反対だけど住民投票までは協力する。だから賛成に手をあげるんだと。非常にわかりにくい。昨年12月24日、大阪の幹部が創価学会本部に呼ばれて住民投票まで協力しろと言われたそうです。ここにも「都」構想のいかがわしい本質が見え隠れします。

改憲に向け取引

 背後には菅義偉官房長官の力があったのだろうと言われています。橋下氏と安倍晋三首相の取引があったのだろうと。1月14日、関西テレビの番組で安倍首相が「都」構想の意義に言及し、改憲に向けた維新の協力に期待感を示すと、翌日、橋下氏は大喜びして改憲に全面的に協力する意向を表明した。つまり、憲法9条を変えて戦争する国づくりをしようとする安倍首相と、「都」構想を実現して「改革者」として箔(はく)を付けて国政に出たい橋下氏という2人の政治家の野望を実現するために大阪市が消えてなくなってしまう。とんでもない話ですよ。そんなことさせていいんですか。

 逆に言えば、「都」構想をここでつぶして大阪市を守るということは、改憲パートナーとして期待された政治家としての橋下氏も消えてなくなる。

 大阪市が消えてなくなってしまうのがいいのか、そういう政治家としての橋下氏が消えてなくなってしまうのがいいのか。後者なら安倍首相の野望も頓挫します。だからここが正念場。なにがなんでもたたかい抜くしかありません。

(2015年3月29日付しんぶん赤旗)