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追い詰められた橋下市長

「大阪都」構想巡り奇策

住民投票のための住民投票!?

○…「大阪都」構想の「協定書」議案を府市両議会で否決された橋下徹大阪市長が「都」構想の是非を問う住民投票を行うべきかどうかを市民に問う、もう一つの住民投票の実施を提唱しています。

○…実施条例の制定に向け、橋下氏は市長提案の可能性にも言及。一方では、市民に直接請求の署名活動を呼びかけています。

○…「蛇のようにしつこい男」と自称する橋下氏ならではの奇策に、いくつもの疑問点が浮かんできます。

○…「都」構想の住民投票は法律上、協定書が府市両議会で承認されなければ実施されません。まず関係議会がチェックを行い、承認が得られた場合、さらに住民(大阪市民)が最終チェックを行うという二重チェック制度なのです。

○…法の趣旨に反して「自分たちで(住民投票によって)決めたいのか、議会の判断に任せるのか」を問うという橋下氏の提唱する別の住民投票の条例が市議会で可決されるとは思えません。

○…また仮にその住民投票が実施されても結果に法的拘束力はありません。大阪市民のみの投票なら府議会にとって意味があるのかも問われてきます。

○…そもそも「協定書」はなぜ議会で否決されたのでしょうか。作った手法も中身もデタラメだからです。再提出を目指す橋下氏らは議会の意思を無視して首長だけで決める「専決処分」にも含みを持たせていますが、議会で否決したものを首長の一存で決するなどということは暴挙としか言いようがありません。

○…「専決」への高まる批判に追い詰められて打ち出した奇策が、今回の「住民投票のための住民投票」なのです。市民は、橋下氏のわがままで選挙費約5億3000万円の無駄遣いとなった3月の「出直し市長選」を忘れていません。(直)

(2014年11月2日付しんぶん赤旗)