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「あまりにも理不尽」
市長と意見交換 音楽士ら批判

 

 市民施策を切り捨てる「改革」試案で、大阪市音楽団の「廃止」を打ち出した橋下徹大阪市長は7日、音楽士(楽団員)ら35人と大阪城公園内の練習場で意見交換しました。

 橋下市長は「僕は市役所の代表であると同時に有権者から選ばれた代表」だと強調し、「市音楽団は文化なのか、一般行政なのか」と質問しました。

 最初に手をあげた男性は、教育や生涯学習に関わった経験から「音楽は物の考え方やとらえ方を養うもの」「音楽家としては文化を担う。その人間が公務として音楽を通して行政を行っていて、分けて考えることはできない」と答えました。

 試案が「あまりにも理不尽だと思った」という男性は「先行きが見えない。一番の心配は家族を守っていけるのか。そういう職員がいることも知ってほしい」と訴えました。

 「日本の吹奏楽のルーツともいえる楽団に誇りをもっている。どういう形であれ残さなければいけない」「もう1年猶予がほしい。今年中(の廃止)では想像がつかない」との意見が出されました。

 しかし、橋下市長は「これまでと同じではやっていけない」と強弁。終了後、記者団に「(廃止年限を延期するかは)楽団の議論の熱度による」と述べ、責任を転嫁しました。

 楽団員の身分保障について、橋下市長は「安易な配置転換は認めない」とのべ、「分限免職もあり得る」としていた自身の見解を否定しませんでした。

(2012年5月9日付しんぶん赤旗)