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高齢者福祉施策の拡充を

党市議団が平松市長に申し入れ

日本共産党大阪市会議員団は、市の「高齢者福祉月間」が始まっている6日、すべての高齢者が大切にされ、生きがいもって暮らしがおくれるようにするために、平松大阪市長にたいして「高齢者福祉施策に関する」申し入れをおこないました。これには、下田敏人市議団長、山中智子市議団副幹事長、北山良三市議団政調副会長、尾上やすお市議、上野とき子市議、江川しげる市議が参加、大阪市は、稲垣・政策企画室秘書担当課長、山口・高齢者施策部長や高齢者施策関連担当課長らが対応しました。

 党市議団は、医療・年金・介護・税制などの改悪で、高齢者の暮らしが、かつてなく深刻な事態になっていると指摘し、平均5.08%も保険料が引き上げられた後期高齢者医療制度や介護保険料、国保料、住民税までもが天引きされるもとで、受け取る年金額は減り続けていると強調。さらに、今夏の異常気象によって熱中症の激増にもかかわらず、電気代節約のためにクーラーも動かさず、熱中症にかかる高齢者が続発しているとのべました。

 党市議団は、こうした状況を解決するために、「高齢者福祉月間」を機会に介護・医療の拡充、「敬老パス」の無料継続など、高齢者の暮らし、命と健康、福祉を守る温かい施策の実現にあらゆる努力を傾注するよう29項目の施策拡充を要望しました。


2010年 9月6日

大阪市長 平 松 邦 夫 様

日本共産党 大阪市会議員団

団長 下 田 敏 人

 

高齢者福祉施策に関する申し入れ

 

 9月より「高齢者福祉月間」が始まっています。

すべての高齢者が健康で生きがいある生活を送ることができる、そんな長寿社会を築いていくことが求められています。「高齢者福祉月間」は、高齢者にとっての豊かな社会をめざして実施されるものと考えます。

ところが、いま、高齢者の生活はかつてなく深刻です。この間、国が強行してきた医療・年金・介護・税制などの改悪が、高齢者に大きな痛みを強いています。「廃止する」と言いながら今なお続いている後期高齢者医療制度。今年は、平均5.08%も保険料が引き上げられました。そのうえ、介護保険料をはじめ国保料や住民税まで天引きで受け取る年金額は減り続けています。

さらに、今夏は、貧困と異常気象によって高齢者の熱中症を激増させ、家にクーラーがありながら電気代を節約して死亡するという悲しい出来事が続発しています。

日本共産党大阪市会議員団は、これらの状況をふまえ、大阪市が国の悪政の防波堤の役割を果たすとともに、介護・医療の拡充や「敬老パス」の継続など、高齢者のくらし、命と健康、福祉を守る温かい施策の実現にあらゆる努力を傾けるよう、「高齢者福祉月間」にあたり、あらためて、強く要望するものです。

 

1、後期高齢者医療制度について

@ただちに廃止し、いったんは元の老人保健制度に戻すよう国に求める。

A新高齢者医療制度案(中間とりまとめ)で示されている「別建て国保」による高齢者差別の存続に反対し、年齢による差別をいっさい排除するよう国に求める。

B保険料の独自減免制度の創設などを府広域連合に求めるとともに、大阪市も必要な財政措置をとり、高齢者の負担軽減策を講じる。

C制度スタート時の「16カ月保険証」交付に伴う「2割差額徴収」問題では、総収入基準での1割負担への変更申請を当時に遡及して実施できるよう、府広域連合に求める。

2、国民健康保険制度について

@国民健康保険料の「高齢者減免制度」を新たに創設し、高齢者の保険料負担を軽減する。

A国民健康保険料の年金天引き(特別徴収)を最大限回避する策を講じるとともに、国に年金天引き制度の廃止を求める。

B命に直結する高齢者への資格証明書の発行と短期保険証の留置きは、絶対におこなわない。

3、介護保険制度について 

@社会福祉法人の介護施設での居住費・食費の利用料減免措置を、すべての事業者の、すべてのサービスを対象とした措置に改善し、所得に応じて、すべての利用者が応分の減免措置が受けられるよう、拡充をはかる。また、減免措置を講じている事業者への市独自の補助制度を新設する。

A介護認定について、高齢者の実態と認定結果に著しい乖離がないか、定期的に実態調査し、防止策を講じていく。

B低額報酬やケマネージャーによるケアプラン作成制限の実態に鑑み、介護予防事業やケアマネージャー業務への市独自の援助施策を講じていく。

C適用要件をさらに緩和し、介護保険料の軽減措置をいっそう拡充する。

D低所得者の居宅サービス利用料を3%に軽減する。

E待機者を早急に解消する特別養護老人ホーム建設計画を立て、実施する。そのために、市遊休地の活用を図る。

F施設での日常用品リース代など、自己負担の実情を調査し、過大となっている施設に対しては適切な指導を行う。

G地域包括支援センターの役割を十分果たせるよう、箇所数を増やし、職員体制を拡充する。

4、市独自の高齢者福祉施策について

@介護サービスから除外されている高齢者を対象に、その生活実態に即し、ヘルパーによる家事支援や介護ベッド・電動車いすの貸し出しなど、市独自にでも必要な介護サービスを保障する。

A高齢者の外出支援サービスを実施し、訪問理美容サービスをいっそう拡充する。

B「高齢者住宅改修費助成事業」については、所得制限をなくし、助成限度額を引き上げるとともに、対象工事を拡大する。また、手続きを簡略にする。

C高齢者への家賃補助制度を新設する。

D「緊急通報システム」の協力者を行政の責任で配置する。

E市営住宅家賃減免制度における「老年者特別控除」を復活させる。

F民間住宅で、入居困難な高齢単身者向けの住宅の供給を増やすとともにケアー付き住宅の拡充をはかる。

G高齢者の在宅での「熱中症」対策として、クーラー設置補助・クーラー稼動電気料金補助制度を新設する。また、地域の公的施設、会館等を大阪市の責任で開放し、高齢者などの一時的避難及び休息場所として確保する。

H高齢者福祉電話の「基本料金と60度数分の無料化」を復活させる。

I紙オムツなどの介護用品支給事業について、ヘルパー介護の単身者や入院・入所者も対象にすること、家族の所得基準を撤廃することなど、いっそうの拡充をはかる。

5、介護保険制度で「要支援」「要介護」の認定を受けた高齢者は、大阪市として「障害者に準ずる」認定をし、税法での「障害者控除」を受けられるようにする。

6、市営交通等を無料で利用できる「敬老優待乗車証(敬老パス)」は、現行の制度のまま存続させる。また、「赤バス」については、利用しやすいように改善を図り存続させる。

7、高齢者世帯を対象とした水道(下水道)料金福祉減免制度の改悪をせず、現行のまま継続させる。

8、戸籍や住民票にありながら所在不明という高齢者を生み出さないよう、実態把握・情報把握に努めるとともに、関係部局の連携を強め、行政としての適切な対応をはかる。

 

 以上