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市議団の実績

阿倍野再開発の現状と課題
日本共産党大阪市会議員団・瀬戸一正政調会長に聞く

Q)阿倍野再開発はどこまで進捗しているのですか

A)阿倍野再開発事業は、天王寺駅南西の地区二八ヘクタールの住宅や店舗の密集市街地を、再開発法を適用し大阪市が事業主体になって、道路・公園などを整備し、住宅棟や店舗・業務棟など二八棟を建てようという事業で一九七六年の開始から二七年がたっています。
 今までに阿倍野ベルタ、ルシアス、メディックスなどの商業・業務棟、再開発住宅(市営住宅)や分譲住宅棟など二一棟が完成し、二棟が建設中で、一番大きな商業・業務棟が予定されているA地区(天王寺駅に一番近い区画)の建設やその他三棟の建設を残しています。

Q)阿倍野再開発は大きな赤字をかかえていると言われていますが

A)これまでの「分譲の住宅やオフィス・商業床をつくる事業」などで約一三五〇億円の赤字ができたと言われています。大阪市はこれを「事業が長期になり、バブル経済の影響で大きな赤字になった」と不可抗力であったかのような説明をしていますが、甘い見通しや無茶な手法で事業を進めてきた大阪市の責任は大きなものがあります。

Q)A1地区に進出を予定していたアメリカ企業が来なくなったといわれていますが

A)大阪市はA1地区は阿倍野再開発の目玉事業であるとして、「延床面積三〇万平方メートルもの大きなホテルや大型店舗、オフィスなどの入る巨大ビル」の都市計画をつくり、その建設を特定の一民間事業者にまかせ、常盤通りなどに残っている商店の方(権利者)に入居してもらうとともに、他はすべてその事業者に施設運営をまかせる計画をたてていましたが、予定していたアメリカ企業の進出が見込めなくなったものです。「A1地区に巨大な施設を建設しそれを売却・賃貸して一三五〇億円の赤字を取りもどそう」という収支計画そのものも破綻したことになります。
 日本共産党はバブル経済時の発想で巨大施設をつくってさらに大きな赤字をつくるものとしてこれに反対してきました。大阪市は「計画が今日の経済社会情勢に合わないことが明らかになった。今年度中に計画の見直しをして事業規模を下方修正せざるを得ない」としています。

Q)入居予定の地元商店などの不安は大きいのでは

A)A1地区にどんな施設をつくるのか、大阪市がつくってきた巨額の赤字をどうするのか、阿倍野の街づくりにとっても大阪市財政にとっても大きな問題です。見直し計画は何よりも権利者の商店などの声をよく聞き、また地元商店街や阿倍野区民のみなさんとも共存共栄できるものにしなければなりません。
 赤字解決は権利者や市民に被害をおよぼすことは絶対に避けなければなりませんが、大阪市の責任を明らかにするとともに、この事業を困難にしてきた国の経済政策責任や市街地再開発制度そのものの問題点なども明らかにして応分の財政措置を求めるべきです。