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市議団の実績

法定協設置に反対する井上議員の討論(2026年5月27日)

井上ひろし市会議員

2026年5月27日

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第105号ないし108号に対する反対する討論を行います。

 5月22日の財政総務委員会において、私は横山市長に対し、大きく3点について単刀直入にお聞きしました。

 まず一つ目は、「3度目の住民投票が強行されれば、過去2回と同様、問われるのは、大阪市廃止か否かであるか?」という点についてであります。

 市長は、「大阪府市を再編して、広域行政を一元化し特別区を設置するということの賛否を問うものと理解している」旨、答弁されました。「大阪市廃止か否か」を問う性格のものなのか、という質問に正面から答えることなく、府市の「再編」との表現を使用されました。確かに市長がおっしゃるように、賛成多数となれば粛々と府市の「再編」作業が進んでいく点において間違いはありませんが、大阪府の「内部団体」への「再編」、いわば大阪府への「吸収」に他なりません。

 あくまで「大阪市の廃止」の賛否を問うものなのであり、政令指定都市としての大きな財源・権限を失い、「市」以下の特別区に解体・縮小されることの賛否なのです。

 なお、法定協議会規約比較表(主な変更点)の資料には、過去2回の規約と、今回の規約の違いが示されています。注目すべきは、今回の「副首都・大阪にふさわしい大都市制度協議会規約」のタイトルそのものから、「特別区設置」の文言が消し去られているばかりか、1回目はタイトル以外に17回、2回目も同様に17回登場していたこの文言が、今回はわずか2回しか登場しません。一方、タイトル冒頭に冠した「副首都」の文言は、タイトル以外に6回も登場するのであります。

 「副首都」をバラ色に描いていくことによって、「大阪市廃止」のマイナスイメージを払拭するためでありましょうが、過去2回否決された代物と、その本質は変わりようがありません。市民を賛成へ誘導するような印象操作はやめるべきであります。

 

 二つ目は、「3度目の住民投票実施に大義はあるのか?」という点についてであります。

 市長は、大義について、「副首都が、国の制度として確立されようとしていること。2月の出直し選挙で当選したこと。」の2点を挙げられました。過去2回にわたって公権力を総動員し、莫大な税金と労力と時間をつぎ込み続け、住民投票に持ち込んだ結果の否決だったのであり、橋下、松井両市長は責任を取るかたちで職を辞し、吉村知事は「政治家として、大阪都構想に挑戦することはない」と断言したのであります。

 過去2回に及んだ住民投票の結果の重みを、維新の皆さんはどのように受け止めているのでしょうか。2度にわたり明確に示された結果を、「鴻毛よりも軽し」とばかりに軽んじることは、市民の理解を決して得られるはずがありません。

 大阪市を廃止・解体しようとするそのエネルギーは、喫緊の物価高対策やくらしの応援、災害に強いまちづくり等々、山積する本市の課題にこそ振り向けるべきであり、それこそが2度も示された消し去ることのできない民意なのであります。3度目の住民投票には、大義のかけらも無いと申し上げておきます。

 

 三つ目は、「東京市が廃止され特別区が誕生した、東京都区制度成立の歴史的経過」についての認識であります。

 私は、現在の東京都区制度が導入された頃に、東京都が作成した「東京都政実施に関する記録」の中に、「防空・生活必需品配給・交通整備など、戦争遂行のために強力な行政機構を確立する必要から、都政導入が議論された」と記載されていることを紹介し、この歴史的経過についての市長の認識をおたずねしましたが、私の認識との相違はありませんでした。

 第二次世界大戦中の1943年、「帝都防衛」の名で、財源と権限の集権化を図るために、それまでの東京府と東京市を廃止して、東京都と特別区が誕生したのであり、東京都区制度は本土決戦をめざした戦時中、首都という東京の歴史特性から急造されたためもあって、今もって制度としての「安定」をもっていません。まさに戦時体制下の遺産と言うべき制度なのであります。

 戦後における東京都区制度の歴史は、この都区制度を否定し、23区をいかに基礎自治体としての、全国の「市並み」、さらに「完全市」にするかという、市民運動の連続でありました。

 「県」並みの政令指定都市が、都区制度に移行して、自ら「市」以下の特別区に解体・縮小するなど、時代逆行以外の何ものでもありません。

 東京都区制度の成り立ちや現状についての正しい認識をお持ちならば、東京都区制度への幻想を捨て、「大阪市廃止・分割構想」の設計図づくりのための法定協議会の設置、および3度目の住民投票はキッパリ断念するとともに、対立と分断しかもたらさない政治に終止符を打ち、次世代のためにもみんなが主役の大阪市をつくっていく、その決意を申し上げ、以上討論とします。