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市議団の実績

国民健康保険補正予算案の修正を求める

尾上議員の提案説明

尾上康雄市会議員

2017年5月26日

写真 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第110号、2017年度大阪市国民健康保険事業会計補正予算案の修正を求める動議について御説明をいたします。

 修正動議の内容は、2016年度の国民健康保険事業会計への2017年度歳入からの繰上充用の財源80億円の全額について、国庫補助金を充てるよう修正するというものです。

 市長案では、繰上充用の財源について、半額の40億円は2017年度の滞納繰越分保険料収納追加分を充て、残りの半額を国庫補助金に求めています。

 我が党は、繰上充用の財源については全額国庫補助金追加分を充てるとともに、滞納繰越分保険料収納追加分については、国保料の支払いに苦しむ市民の今後の保険料軽減に充てるのが当然だと考え、この修正案によって、国保料引き下げを実現しようとするものです。

 まず、なぜ、繰上充用の財源の全額を国庫補助金に求めるべきか、その根拠及び理由について申し述べます。

 第1は、そもそも国民健康保険法では、その第1条において、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定め、さらに第4条では、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」と、国保の健全運営に対する国の責務を明確に定めております。法の趣旨からみて、本市の昨年度までの国保事業会計での不足財源については、全額、国庫補助金を充てるべきだと考えるからであります。

 第2に、繰上充用しなければならない国保会計の累積赤字の主な原因は、1984年に国庫補助金を医療費の45%から38.5%へと大幅削減したことにつづき、事務費負担を全廃するなどの改悪が行われ、本市国保会計の歳入総額に対する国庫補助金の負担率が、約60%から約24%へと、大幅に削減してきたことにあります。その結果、国保を運営する自治体と、加入する被保険者の負担が大きく増え、国は、自らの役割を放棄し、矛盾のしわ寄せを自治体と被保険者に押し付けてきたからであります。だからこそ、本市の国保会計の収支不足の全額を補てんするために、国に対して、国庫補助金の大幅な増額を求めていくのは当然のことであります。

 次に、繰上充用財源に充てようとしている滞納繰越分保険料収納分を、なぜ保険料の引き下げに充てるべきか、その理由について申し述べます。

 第1は、本市の国保料の実態が、被保険者にとってあまりにも過酷で情け容赦のないものになっているからであります。40歳代の夫婦と子ども2人の4人世帯で、所得200万円の場合、保険料は介護分を含め約37万円で、所得の約20%を占めます。これは、全国20の政令指定都市の平均額よりも高いものになっています。

 また、大阪市の全世帯の32%が国保世帯ですが、国保加入世帯の平均所得は98万円であるのに対して、大阪府は115万円、全国は140万円と、本市は非常に所得が低く、生活が厳しい実態になっており、こうした被保険者の生活実態をみれば、保険料を引き下げる必要性はますます高まっています。

 第2は、本市の国保会計は、後期高齢者医療保険と分離した2008年度以降、ほぼ毎年黒字を計上し、これが累積赤字の解消と一般会計からの任意繰り入れの減額に費やされ、保険料の引き下げにまったく生かされていないからであります。その結果、2008年度から2016年度までの9年間で、307億円もの黒字となります。これに加えて、一般会計からの国保会計への任意繰り入れを、2008年度の215億円から、2017年度予算では136億円へと79億円も減らしています。

 これだけ黒字を出し、一般会計からの任意繰り入れを減らしているのに、2013年度2%、2014年度2%、2016年度1%と値上を続け、単年度黒字58億円が見込まれているのに今年度も2%の値上げを行なっているのであります。こんなやり方は、市民の納得が到底得られないのも当然であります。国保会計の好転が国保加入者にはまったく反映されないで、一層過酷にするなどということは許されないのであります。今こそ、国保料の引き下げへの見直しを具体化すべきであります。

 以上、本修正動議に議員各位の賛同をお願いいたしまして、提案理由の説明とさせていただきます。