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市議団の実績

水道民営化条例に対する岩崎議員の反対討論

岩崎けんた市会議員

2015年3月13日

写真私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第173号「大阪市水道事業及び工業用水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案」に反対の討論を行います。

 本条例案は、浄水場等の施設を本市が保有したまま、市が100%出資する株式会社に運営権を譲渡するというものです。

施設ごと民営化すれば、固定資産税等の負担が100億円にも達することから、上下分離で株式会社化という、いわば苦肉の策に出たものにすぎません。

なぜ、それほどまでして民営化なのか。

府、市水道統合が否決されたあと、統合がだめなら民営化だと橋下市長が言明したように、まさに、なんでも民営化の大阪市つぶしの一環だという事です。

断じて認める事はできません。

水道局は、言うに事欠いて、民営化すれば管路等の耐震化が進むなどとしております。公営では契約事務等が煩雑だというのがその理由ですが、耐震化を推進させるものとは、いったいなんでしょうか。市民に対する責任と財政的な裏付けではありませんか。

 運営会社は、管路等を所有しない訳です。メンテナンスならともかく、大規模な建設改良に責任を負う立場にはなりえません。しかも、運営会社設立に際し、160億円もの退職金の支払いが発生するなど運営会社の出資金となる手持ち資金が大きく目減りすることになる訳で、耐震化を進める財政的な裏付けという点でも大きなマイナスだと言わなくてはなりません。

その上、運営会社には、運営権料30年で4千億円から4千5百億円。年間130億円から150億円の負担がかかってくる訳です。事業の拡大につながらない耐震化が計画通り進むとは到底思えません。

「福祉の増進をはかる事」を基本とし、議会のチェックがストレートにかけられる公営企業として運営してこそ、南海トラフ巨大地震への備えや耐震化は進むというべきものです。

また、民営化すれば、海外ビジネスが展開できるようになる、などという理屈も水道管等の製造事業者や施設等のプラント建設業者ならいざ知らず、水道事業運営会社には全く通用するものではないという事を申し上げておきます。

 周知のように、ヨーロッパやアメリカでも民営化は押しなべて失敗しています。

 アメリカのアトランタ市では、民間企業と市の連携がうまく行かず、給配水が阻害されたり、泥水の地上噴出がおこり、処理ができずに、再び直営に戻っています。パリ・ベルリン市も民営化はしたけれど、再び公営に戻しているなど、世界の流れからも民営化は逆行です。

そして、何より、日本全国どこでも公営で営まれています。低廉で安全・安心の水供給という点でも、公営企業として運営されていくべきだと申し上げて討論といたします。