title


市議団の実績

井上議員の一般質問と

橋下市長の答弁(要旨)

井上ひろし市会議員

2014年10月23日

※10月23日の大阪市会本会議で、井上ひろし議員がおこなった一般質問と、橋下徹市長の答弁を掲載します。この記録は、日本共産党大阪市会議員団事務局で作成したもので、正式な記録ではありませんのでご了承下さい。


一般質問項目

1.大阪都構想について

市民にとって百害あって一利なしの大阪都構想は断念し、都市内分権の徹底で市民生活を守ることに専念するべきではないか。 

2.統合型リゾート(IR)について

カジノを含む施設の基盤整備に公金を投入するのは止め、社会問題となっているギャンブル依存症対策にこそ率先して取り組まなければならないのではないか。 

3.住吉市民病院について

@住吉市民病院の廃止に伴う民間病院の誘致については、絶対に公募条件を下げず、同じ条件で公募するべきではないか。 

A医療の質の低下を前提にしなければならないようなら、公立病院として存続させるべきではないか。

4.敬老パスについて

 敬老パスの大改悪は明らかな公約違反であり、至急利用料50円負担を撤回し高齢者にやさしい市政を目指すべきではないか。 

5.国民健康保険料について

現役世代への重点投資というなら、国民健康保険料の引き下げを行うべきではないか。 

6.住宅リフォーム助成制度について

 住宅リフォーム助成制度の創設で中小企業支援を行うなど、地に足の着いた経済対策を実施すべきではないか。 

7.市長の政治姿勢について

 法定協議会を正常化し、民主的なルールで議論を行うべきではないか。


○井上ひろし議員

  私は日本共産党大阪市会議員団を代表いたしまして橋下市長に質問をいたします。

 まず大阪都構想についてであります。

  市長はこの間、読売新聞の9月の世論調査についてのご発言がございましたが、市長がおっしゃるように都構想に賛成が28%、どちらかと言えば賛成が25%、合わせて53%という結果でした。同時に法定協議会で都構想に否定的な野党委員を排除し、維新単独で特別区の区割りなどを決めた手法を評価しない68%が、評価する20%を大きく上回りました。また大阪都構想の具体的な内容を充分に説明しているかとの設問で、そうは思わない75%、充分説明している17%を大きく引き離しています。

 真の意味での二重行政の解消は当然必要です。しかし、市長がるる引き合いに出されるのは政策判断の結果によるものであり、二重行政の問題にすり変えていると言わなければなりません。二重行政とは基礎自治体と広域自治体とが類似の事務事業を実施しており、そのことが非効率を生じさせていたり手続き面等で住民に過重な負担をもたらしていたりする場合のその事務事業をいうと私は解釈しています。

 基礎自治体と広域自治体が類似の事務事業を実施している場合でも、そのことが非効率を生じさせておらず相乗的な効果を発揮し効果的に住民のニーズに対応できている場合には二重行政とは言えないとも理解をしています。

  これまで市長が二重行政だとする問題で病院の問題や大学の問題、水道事業などについて、なぜ二重行政ではなく、それぞれが市民にとってなくてはならない大切な事業であるかを主張し、直接議論をさせていただいてまいりました。

 またニアイズベターという点では、1010日の教育こども協議会で児童相談所の問題を取り上げました。特別区にそれぞれ設置し5館体制を置くとしていますが、肝心の財源の根拠が何ら示されないままであります。東京都ではニアイズベターの観点から特別区長会が、それぞれの区への設置を求めていますが、なかなか進展しない状況も、法定協で配布された資料をもとに私は質問いたしました。

 市長は、なぜ東京都では特別区への設置がなかなか進まないとお考えでしょうか。東京都でなかなかできない事が、大阪ではできると考える根拠はいったいどこにあるのでしょうか。今日、児童虐待は増え続け、大阪の指標は何れも突出しています。児童福祉士を増やし、体制を強化してもなかなか追いつかないというのが現実です。

 今求められているのはセンター機能の強化であり機能の分散ではありません。センター機能の強化とともに24区との連携を強化し、迅速・適格な対応が求められているのでありこれこそニアイズベターだと私は考えます。財源の根拠が示されない中で5館体制をとると言われてもお金は天から降ってはまいりません。

 こういう問題が果たして小さい問題なんでしょうか。重箱の隅つつきなんでしょうか。ちなみに人口40万7千人の中核市である横須賀市は、中核市への設置権限が拡大されたのを期に児童相談所を設置し8年が経過しています。施設整備費は約25億円かかり全額市が負担したとの事です。さらに年間の維持費は職員給与を含め12億8千万円に及ぶそうであります。

  さて、大都市局の試算では特別区設置の初期コストは600億円。設置による維持コストは年20億円程度。2017年度からの最初の3年間で827億円の収支不足に陥るとされています。

 こういう状況で児童相談所の5館体制が本当に保障されるのか大変疑問です。

 仮に、二重行政が存在したとしてもその解消のために大阪市を解体する必要が一体どこにあるのでしょうか。

  また、ニアイズベターを現実のものにしていくには政令市としての財源、権限をフルに活用したほうがはるかに効率的、効果的なのではないでしょうか。

  これらは、政令市を廃止しなければできないことなんでしょうか。

  私はそうは思いません。問題は政治の中身です。政治の中身の問題を自治体の仕組み、制度の問題へと本質をすり替えているのが大阪都構想です。

  市長、私はきっぱりこの大阪都構想、市民の内発的な要求では全くないと思います。断念すべきだと思いますがいかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

  大阪都構想は絶対に市民のためになることだと思っています。

 今の議員からの説明の中でご自身の意見を言われるわけですから、都合のいい論理ばかりを言われていますけれども、市民の皆さんに現実をきちんと語らなければいけないと思いますね。

  今の大阪市というのは、大正時代から続いてきた大大阪の時代とは違うわけです。

 この大阪都構想で重要なポイントは、受益と負担を明確化するということです。受益と負担の関係を明確化するということです。大阪市民の税金は、市民税はそれは市民のために基本的には使われるもの。ここを欠けていたものを、ここを欠いていたのが大阪市。

 確かに大正時代、大阪と言えば大阪市。大阪市が大阪全体を引っ張ってきた時代においては、大阪市民の税金で大阪市周辺の住民、もっと言えば大阪府民全体のサービスを提供するということもあり得たのかわかりません。

 例えば、一例を申しますと、大阪市交通局の地下鉄。利用者の7割は大阪市民以外です。にも関わらず、そのインフラの整備等について基本的には大阪市民の税金だけでこの地下鉄というものは作られてきて、そしてその利用者は大阪市民以外は7割と。

 大阪市立大学に至っては、学生数、学生のうち、大阪市民の率が23%。3割切っていたと思いますね。なぜ、年間100億円の交付金を大阪市民税でこれを出してですね、そしてその学生は大阪市民以外と。

 病院については、大阪市立病院、総合医療センターについては3割位が大阪市民です。

 ですから、大阪市民以外が利用するような施設、住民サービスについては大阪市民の税負担だけではなくて大阪府民全体で持てば、これは大阪市民の負担は軽くなります。今までやってきた大阪市がすべてを負担してきた結果、大阪市民の皆さんの市民一人の借金額は全国で一番です。これは大阪府の借金と大阪市の借金がダブルで肩にかかって大阪市民の皆さんはドンドン不幸になってきています。

 ところがこれが特別区と大阪都に一定の年数が必要だと思いますけれども、大阪府民全体で負担すべきものは大阪府民の負担。大阪市民の受益、利益になるものは大阪市民の負担ということの整理ができれば、ゆくゆくは東京都のようにですね、広域行政の東京都のその一人あたり、都民の割合が60万位ですか。いや違う。全部足して、特別区と東京都の2つ合わせた借金額、足しても60万位ですか。大阪市民は180万位の借金を背負わされていますけれども、結局、仕事の役割分担ができていないわけですよ。

 全部、大阪府民全体に提供しなければいけないいろんなサービス、施設そういうものの多くがですね、大阪市民の肩に乗っかっているという異常事態を整理するということです。港だって大阪市民だけが使っているわけではありません。これは大阪府民全体の利便に供するわけで、障害者スポーツセンターも40年を迎えましたけれども、これも大阪市民だけではなくて大阪府の自治体のいろんな方が利用されているわけですね。ですからきちんと広域と基礎の仕事を整理してですね、大阪市民の負担を軽くするというのが大阪都構想であることをしっかり説明していただきたいと思っています。

 

○井上ひろし議員

  市長はいろいろおしゃべりになりましたけれど何を言っているのかさっぱり訳わかりません。

 私は断念しないんですかとお聞きしたんです。もう一度ご答弁をお願いします。

 

◆橋下徹市長

  断念するどころかやり抜きます。

 

○井上ひろし議員

  到底議論に耐えられない代物だというふうに思いますし、繰り返し申し上げてきたように市民にとっては百害あって一利なしです。

 こんな大阪市の解体、政令市の廃止。本当に市民が望んでいるんでしょうか。

 私は目の前の生活、これをなんとかしてほしいというのが市民の一番の願いだと思いますし、市長に対する要望だというふう思います。

 そういうのはそっちのけにして、何かと言えば都構想、都構想と政治の中身の問題を自治の問題にすり替え続けてきた。そして実際にやっていることは、市政改革プランに基づいて、市民サービス、市民施策の切り捨ての連続。

 そして、公共的な事業、公が担うべきそういう事業はどんどんどんどん手を引いていく。民営化してしまったり、統廃合してしまったり、本来の自治体の責務をあなたは投げ捨てている。あまりにも無責任だ。そう言わなければなりません。

 未来に汚点を残すような、こんな自治の破壊はきっぱり断念するべきだと改めて申し上げておきます。

 

 さて次に、統合型リゾートIRについてであります。

 これは、夢よまたもう一度とばかりに、結局ムダな大型開発を復活させるのが私は狙いだと思います。こんなものをそれこそ市民が望んでいるんでしょうか。またムダな事をやるというふうに市民は受け止めていると思います。

 こうしたムダな箱もの行政の復活は私はきっぱりやめるべきだと思います。

 カジノを含む施設の基盤整備に大切な市民の税金を投入するのはやめるべきだと思いますがいかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

  僕の説明でさっぱりわからないと言われたので、どこがわからないのか僕自身がわからないんですけれども、270万市民の皆さんが今まで背負ってたものを880万人の皆さんで背負ったら1人あたりの総量が軽くなるということなんですけどね。

  港にしたって地下鉄にしたって大学にしたって、その病院にしたって今までは270万人の市民で全部税負担していたものをこれからは880万人で税負担しましょうとなればですね、市民の皆さんのその負担は軽くなることは間違いありません。

  それから、センター機能について、センター機能の強化ということを言われてきましたけれども、それだったら集権的で、大阪府にそれだったらセンター機能を設けたらいいじゃないですか。どちらを言っているんですか。大阪府のセンターを強化して、その基礎自治体とかそういうところに対して支援的な運用をつくればいい。

 今重要なことは、大阪市内に児童相談所が不足し過ぎているという事です。ですから現在、教育委員会が大阪市内に1つ、児童相談所も現在は1つですか。それを大阪市内に5つ作る。基礎自治体の根幹になるのは教育、福祉ですよ。5つ作ることと、今の大阪市内に1つとどちらの方が大阪市民にプラスかというとそれは5つ作るほうが住民サービスに資することは間違いありません。    

 まず、この大阪都構想についていろんなご指摘をいただいていますけれども、その前にですね、大阪市、大阪府のこの関係の中でこれまで莫大なムダな税金の使い方をしてきた二重行政のこの問題。市民の皆さんに借金を負わせている二重行政の問題。それから大阪市役所でガバナンスが効かずにオークをはじめとする信託事業の失敗。これも市民の皆さんに650億円の支払いを負わせることになりましたけれどもこういう事を二度と起こさない仕組み、何が問題でどこの仕組みが問題なのかというところ、それについての具体的な提案なくして、大阪都構想がだめだ、だめだというふうに言われるのであれば、今の大阪市庁、大阪府庁の体制が残って、二重行政が続いてその莫大ないろんな信託事業の失敗などのガバナンスが効かない、そういう政策というものもこれまで市民の皆さんに負わせ続けるということにもなるので、ぜひ大阪都構想に対する対案を出していただきたいと思っております。

 それから、カジノについてもですね、カジノを含む統合型リゾートということで、カジノということだけではありません。これは全施設の面積のうち3%がカジノに相当しますけれども、これはカジノだけではなくて、ホテルや美術館、博物館その他のリゾート施設というものをすべて含んだ施設であり、これはそのもちろんギャンブル依存症とか青少年に対するその対策とか、そういうことはカジノ、統合型リゾートが来るかどうかに関わらずもう日本社会にはパチンコや公営ギャンブルがもう現存する訳ですから、このギャンブル依存とか青少年に対する対策はきちっとやりながらですね、しかし、これは 訪日の外国人観光客を増やしながら少子高齢化時代はやっぱり人口が減少すれば景気が停滞していくことは間違いありませんから。外国人観光客が11人訪れていただければ大阪府民一人分の消費にもなると言われているなかでこの外国人観光客を特に大阪に呼び込むためにもカジノを含む統合型リゾート、これは大阪には必要です。

 もっと言えば夢洲、舞洲にもともとオリンピックの誘致なんていう構想を掲げて大失敗したその跡地が残っている。それについての方策も市議会何も出さない中でですね、僕はこの負の遺産をプラスに活用しようと思っているわけですから。あそこの埋め立て地、何か活用策があるのであれば、議会の方から具体的な提案を出していただきたいと思います。でなければこれは全部市民の皆さんの負担になりますから。    

 

○井上ひろし議員

 ですから、新たな負担を増やそうとしているんじゃないですか市長は。

 ムダ遣いの上塗りはやめて下さいと申し上げているんです。

  さて、8月に厚生労働省はギャンブル依存症の人が536万人にものぼると公表いたしました。大変ショッキングなニュースでありました。

 市長はこれまでもカジノについての言及はあったかと思いますけれども最近でもこのようにおっしゃっていますね。「統合型リゾート。ものすごいリゾート施設を持ってくる。それに対応して僕はもう1本鉄道をひく。日本のお金持ちは今海外に行っているが、ここで負けてもらって、カジノでということですね。大阪に回して医療、福祉、教育に使ったらいいと」。ちょっと耳を疑うような主旨の発言ですけれども、このご発言のお考え方お変わりはございませんか。

 

◆橋下徹市長

  全く変わりません。

 ただ、ちょっと一部、その事実誤認があるのは。鉄道をひくというのは基本的には事業者にひいてもらいますので、そういう形でこれから統合型リゾートの事業主とそこは協議をしていきますが、ただですね、そのカジノで上がったその収益を福祉、教育に回す。僕は、これは新しい形での自治体運営だというふうに思っています。

 そりゃあ共産党の皆さんのようにとにかく、税金を市民の皆さんから強制的に徴収してですね、それでなんでもかんでも福祉、教育に回せという事よりも、ある意味、自己責任で楽しんでもらってですね、そこでお金を落としてもらって、それを医療、福祉、教育に回すほうが、よっぽどお金の払い手側の方に立てば、税金で取られるよりもカジノで遊んでそれで医療、福祉、教育に回される方が払い手の方としてはそのほうがいいと考えています。

 

○井上ひろし議員

  強制的に大阪市を潰そうとしいているのはあなたです。そんな無茶苦茶なことはやめていただきたいと思います。

  一度、こういう自治体の財源をですね、ギャンブルに頼ってしまうというようなことをやると、その施設の売り上げが落ちた時に、自治体がドンドン宣伝をして市民の射幸心を高める政策をとるようになるということは世界の例を見ても明らかです。

 ギャンブルの売り上げが福祉や教育に直結すると、ギャンブルと自治体が運命共同体となり批判もできなくなってしまいます。

 カジノによる町おこしは、例え、短期的に成功をしたとしても日本の地方が原発マネーに侵されたのと同様の現象が起きるのは必至であります。

 こんな人の金を巻き上げて、成長戦略だなんだと言ってこんなお考えは改めていただくように強く申し上げておきたいと思います。

 

 つぎに、住吉市民病院の問題です。

 私は、住吉市民病院と府立急性期総合医療センターは役割が全く違うことから、二重行政ではないと市長に繰り返し申し上げてまいりました。近いところにあるために何か不都合が生じているという合理的な根拠があるのなら、住吉市民病院は老朽化し建替えの時期にきているんですから、急性期総合医療センターと適切な距離を保つところに建て替えたらいいと私は思います。

  ようは、市長は、市民の命に責任を果たそうとしていないという事であります。ここへ来て民間病院の誘致がうまくいかないからと、公募条件をいとも簡単に下げてしまいました。住民を裏切るようなやり方だと思います。

 結局、市長は、南部医療圏の質を落とすということを強行しようとしているんじゃないですか。小児・周産期医療はもとより、南部医療圏の質は絶対に落とさないという事をまず明言していただきたいと思います。

 あわせて、公募条件を下げずに同じ条件で公募をするのが住民との約束だと思いますがいかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

  カジノを含む統合型リゾートで市民からお金を巻き上げるというふうに言いましたが、税金の方が巻き上げていますよこれは。有無を言わさず取っているんですから。カジノの場合は自らの意思でお金を出しているんですから。それはどちらの方が巻き上げるかと言えば、それは強制徴収の税金の方に決まっているじゃないですか。

  それから、民間病院誘致の再公募条件についてなんですが、これはやっぱり今の大阪市役所体制の象徴例だと思いますね。

 ですから、やはり大阪府庁と大阪市役所を再編しなければいけないなという事を痛切に感じております。ここで言われる医療の質の範囲なんですけれども医療計画というものは一体どの範囲で考えなければならないのかという事を議員には考えていただきたいですね。医療計画は、大阪府の医療対策審議会で決まります。

 ようするにですね、地元の。確かに病院の立地している住民の声だけでなくて、大阪全体の医療のレベルの事を考えて医療計画を作っていくというのがこの大きな法の枠組みでありまして。

 ですから、今回の市立病院と府立急性期の、ようは、市立病院と府立の機能統合はですね、これは現住吉市立病院がある周辺住民の声だけではなくて、南部医療圏、ひいては大阪のですね、その医療のレベルを上げるための無医療計画であり、そのことがきちっと確認できたからこそ、大阪市も大阪府もですね、行政的にはこの方針を確認したわけです。

 もし、これが本当に医療のレベルが、質が下がるということであれば、これはできません。ですからこれから厚生労働省の方にもこの考え方を伝えてですね、今のところ民間病院が具体的に決まらなくても協議は進めてもらえるという事ですから、国の大きな方針、また大阪府の大きな方針として、小児・周産期、この集約化、もう病院がですね、複数分散しているですね、お医者さんの方の勤務状況、こちらが非常にハードになってくるので、この集約化ということが言われている中での1つのモデルケースとしてしっかりとこれを進めていきたいと思います。

  住吉市立病院とそれから府立の病院、この2つがある方がかえって南部医療圏の医療レベルが問題であり、高度のリスク対応できるような病院をつくる事が非常に重要です。

 ですから南部医療圏にですね、高度のリスク対応ができる大阪府、大阪市の共同の母子医療センターをきちんと、まさにさっき議員が言った拠点をつくってですね。さっき言われたじゃないですか、児童相談所とか教育委員会でもセンター機能の強化だと。

 ですから、センター機能をきちんとこの住吉の母子共同センターでセンター機能を強化してですね、周辺の通常の民間病院をしっかりサポートしていくような、そして、南部医療圏、ひいては大阪全体の医療のレベルを上げていきたいと思っています。  

 

○井上ひろし議員

  市長、私の質問にお答えください。公募条件は下げるべきではないと思うんですがいかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

  大阪全体の医療レベルが上がる公募条件にしていきます。

 

○井上ひろし議員

  本当にひどいですね。結局、当初の約束や附帯決議も反故にするとこういう無責任な姿勢だというふうに思います。

  結局、病院の統合問題も市長にすれば、都構想のシンボルにしたいと、こういう思いだったんでしょうけども、住民の思いや実際の患者さんのニーズ、そういうことを全く度外視した誤った政策判断だったと改めて指摘をしておきたいと思います。

  前にも申し上げましたが、住吉市民病院というのは現地建て替えというのが決まっていたわけですね。それを市長がもう現地建て替えはしないとこういうふうに言い出したわけです。 府立の方も施設を強化するということで、新たな施設を敷地内に強化すると、こういう方向性だったわけであります。だから、財源の根拠をそれぞれ市も府もしっかりと示していたわけであります。

 また、市長とも繰り返し議論をいたしましたが、当局の資料を示して、特に府立の方は飽和状態だと、府立の強化が急がれているということを申し上げましたけれども飽和状態じゃないとこうおっしゃったわけです。                          

  私は今、民間の誘致も行きづまっている、そして、やっぱり小児・周産期医療だけではなくて公的な医療、災害医療、救急医療をはじめですね、公的な医療がやっぱり求められているこの南部医療圏において、住吉市民病院は必要だと思うんです。

 この住吉市民病院を公立病院として、私は存続させるべきだと思います。そのことが今の混乱、行きづまりを解消する一番確かな保障だと思いますが市長いかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

  それはもう今の時代の流れに合わない考え方です。大阪市立住吉病院の現地建て替え案は、まさにこれは大阪府庁、大阪市役所の今の現行体制の問題点そのもの。 大阪市議会、大阪市役所はですね、 府立病院の事なんか全く考えてない訳ですね。これはきちっと2つ合わせてですね、医療政策として考えればこれを2つを機能集約するなんて事は簡単にわかる事なのに、これは大阪府の医療計画の中でも 政令市の部分はすっぽりと抜けております。

  ですから、大阪府知事、大阪府庁もですね、政令市の中の病院等については大阪は考えないと、大阪市以外のところだけを考える。大阪市役所、市議会は大阪市内の事だけを考える。そしてこんなふうに公立病院がですね、至近距離に2つも建ってしまった。

 これを1つに機能集約すれば小児・周産期の医師の環境も非常に整いますしハイリスク対応もできますし、なんと言っても市民の税金が8億近くこれが節減できるわけです。

  あのう、共産党の皆さんは僕に対していろんな住民サービスの向上を要望されますけれどね、今まで共産党がいろんな事を言っていても公立中学校の給食1つすらできなかった。小中学校のエアコンも付けられなかった。乳幼児医療費の助成だって中学校3年生までの拡大なんてできなかったじゃないですか。

 こういうことをですね、ありとあらゆるその改革を通じてきちっと僕は、この3年間半を通じてやってきました。こども教育予算を重点予算として、僕が市長就任時67億円だったところが来年度に向けてですね369億円、ないしは370億円を超えるような教育予算にしていきたいと思っています、6倍ですよ。 今、中学校ではエアコンもついてですね、乳幼児医療費助成は中学校3年生まで。公立中学校の給食も始まり、いろいろ問題点があるのでまたこれから新しい方策も考えますけれども。こういう事もしっかりやれるのはいろんなやっぱり見直し、この改革というものをやってですね、財源を生み出さないと結局、市民の皆さんの負担になるわけです。

 この公立病院問題というものは、大阪市と大阪府がお互いの事をそれぞれ考えずに自分勝手にやってきたある意味二重行政の象徴例ですから、これを大阪全体で、1つ大阪全体の視点で見直して見るとですね、住吉市立病院とこの大阪府立の病院、機能集約をすれば、これは非常にリスクの高いお母さん方に対してもきちっと対応ができて、そして市民の税金も安くなり、そして地元には地元の医療を担う民間病院がきてもらえれば、あわせて南部医療圏と大阪全体の医療が上がる。まさに医療計画というものは、大阪府医療対策審議会が考えるという法の構造のとおりですね、大阪全体で考えるべきものだと思ってます。

 

○井上ひろし議員

 民間病院の誘致が、市長が思ってたように進まなくて、市長も焦っておられると思うんですけれども、結局民間で出来ないという事なんです。担えない。条件下げなければダメだという状況に陥ってしまっている。

 市長は「良くなるんだ、良くなるんだ」と、「機能強化だ、機能強化だ」と、こう言うんですけれども、 条件落としたら機能強化になりませんよね。ですから私たちは、公的医療機関こそが必要なんだと。こういう主張をしてきた訳であります。

 私は、この市民病院の議論というのはまさに「都構想」議論の縮図だと思うんですね。協定書をめぐる議論と一緒、重なってきます。「良くなる、良くなる」と市長が言ってるだけで、集約化したらどう良くなるのか、全く見通しが示せない。現に行き詰まっている。だからこそ、私は公立病院としてしっかり、市長の決断で残すべきだと思います。

 単なる合理化、社会保障の切り捨て。こんなモノは絶対許さない。そういう事を改めて申し上げておきたいと思います。

 

 さて次に、敬老パスの問題であります。

 これ、何度も市長に申し上げますが、市長が選挙公報に、「敬老パスは維持」こう書かれました。「私鉄にも」こう言うふうに書かれています。敬老パスの有料化は、私は重大な公約違反だと改めて申し上げておきます。

 普通有権者はですね、これ見たら、こう言う表現を見ればですね、制度が前進すると、前進の公約なんだと理解するのが普通だと思うんです。市民はまさかここまで大改悪されるとは、夢にも思っていなかったと思います。

 私は元の無料の制度に戻すべきだと思いますが、利用料の50円負担。これは至急撤回すべきだと思いますが、いかがですか。

 

◆橋下徹市長

 ちょっと先ほどの山本議員からの質問に対して、ちょっと事実誤認があります。この敬老パスについて。これ、敬老パス大阪だけと言いましたけども、説明不足でした。所得制限抜きの完全無料の敬老パスは大阪だけだという事で、一部自己負担ないし所得制限がかかってるかどうか別としても、一部自己負担を求める形の敬老パスは大阪市以外にもあるということでしたので、ちょっと説明を補充せてもらいます。

 今公約の事出されましたけれどもね、敬老パス、そう言うと他都市は敬老パスじゃ無いんですかね。一部自己負担をもらってる敬老パスは。いろんな東京とか名古屋でもいろいろありますけれども、あれはあれで名前、名称が敬老パスかどうか別としても、優遇パスなのか優待パスなのか。やっぱ一部自己負担をもらう事の方が当たり前なんです。だからそこをきちっと市民に説明しないと、完全無料、所得に関係なく完全無料だというのは大阪市だけ。他の都市。特に東京のようにですよ、税金がある意味集まってしょうがないような自治体、国からのいわゆる地方交付税。これをもらわなくても運営できるような、そんな東京都ですら高齢者の皆さんには、一部自己負担を求めています。

 ところが大阪みたいにですね、これお金が足りなくてもう色んなこと、住民サービスについても東京に追いついてない部分がたくさんある中で、なぜこの高齢者向けの敬老パスについてですね、東京よりも突出した完全無料のことをやらなきゃいけないのか。これはやっぱり賢明なる高齢者の皆さんであればですね、自分たちの完全無料というのはちょっとおかしいよねと。子ども料金でも半額なんですから。まあ、それで50円のご負担をして頂きながらですね、その代わり今まで大阪で出来ていなかった、小学校中学校、エアコンの付いてない、そんな教室で勉強させてですよ、公立中学校は給食は無い。乳幼児医療費助成なんて今東京では高校生まで乳幼児医療助成ありますよ。少しでもやっぱりこの子ども教育予算のほうにね、少しでも回してよねって考えて下さるのは、僕を応援してくれてる高齢者の皆さんはそういう声が多いです。

 ただ、井上議員を応援して下さる高齢者の皆さんは、完全無料と言われるのかも分かりませんが、僕はやっぱり高齢者の皆さんにも、一部ご負担をお願いしてですね、今まで子ども教育予算に回せれなかった部分。子ども教育予算として非常に大阪市は不十分だった部分。ここしっかりと補っていきたいと思いますので、このご負担については高齢者の皆さんにもご理解頂きたいと思っております。

 

○井上ひろし議員

 なぜ選挙公報の中で、他都市の事が出てくるのかサッパリ分かりません。大阪市長になってどうしたいのか、というのを書くのが広報ですよね。他都市並みに引き下げるんだという思いで、市長選挙に出られたという事ですかね。だったらそういうふうに広報に書くべきではないですか。他都市はこうですから私は下げますと、改悪します。書くべきじゃ無いですか。維持っていうのは、その制度をそのまんま継続する、維持する。文字通り維持するって事じゃないですか。制度を変えるっていうことでしょ、市長のやったことは。ですから重大な公約違反だと申し上げている訳であります。

 さて、交付率もですね、有料化して著しく下がっております。2013年4月1日、これ3000円の負担が導入された時。この時点では72.2%の交付率でした。2014年7月1日、54.8%の交付率に、実に18%も激減をしている訳であります。もうこれ、維持と言えない状況になっております。

 今市長は、削った分をお年寄りに、高齢者の皆さんに少々我慢を頂いた分は、現役世代の投資に回すんだ、この問題もさんざん議論してまいりました。しかし市長、この敬老パスをはじめ、高齢者施策を切り捨てた、改悪した分は、現役世代には回っていないという事を私は申し上げたい。と思います。

 維新の会の皆さんがこういう、ビラですかね。ウチワ、今問題になってますけれども。これ、現役世代へ重点投資と、こうあるんですね。23年度、平松市政の時です。67億円だったものか゛ドンドン右肩上がりに増えていってますよとねそういうグラフなんですね。私これ見た時、都構想の効果額のグラフを思い起こしましたけれどもね。この23年度、67億円。平松市政の時だけ黒塗りになってるんですね。後は鮮やかなブルーで目立つように書かれているわけです。維新、維新、維新とこうね、書いてる訳です。67億円のところがですね、実は歳出総額に占めるこども青少年費、教育費は2667億円だったんです。これ全体の総額に占める割合は、15.5%なんですね。24年度、159億円になりましたよという事ですが、しかし、全体のパイはどうか。2442億円、14.7%。25年、225億円に更に増えました。こういうグラフなんですね。しかし全体どうか。2471億円、14.8%。26年度、更に更に増えましたという事で、2558億円、15.4%になってると。今度は270億円に増えました、いう事なんですが、この平松市政の時代、23年度より減ってるじゃ無いですかこれ。子ども青少年費、教育費。100億円余り減ってる訳なんですね。

 ですから、ここにはまあバウチャーやったとか塾代助成やったとかいうものを積み上げたことで右肩上がりになってるとそういうグラフなんです。

 ですからここには、このウチワにはですね、学校給食費の値上げ、保護者負担をやったとか、保育料を値上げしたとか、出産一時金を引き下げたとか、学校一般維持運営費を大幅にカットしたとか、新婚世帯向け家賃補助、これを廃止してしまったとか、そういうことは全く書いてない訳なんですね。

 私これは市民を惑わすような、こういうやり方、効果額のグラフ一緒だと思うんですけど、こういう現役世代の投資。高齢者の皆さん、少々我慢して下さい、こんなやり方は不正確だと思うんですけど市長いかがですか。

 

◆橋下徹市長

 高齢者の皆さんに一部色々ご負担をして頂きながら、現役世代の投資だけではなく、特別養護老人ホームについての計画、これも前倒しをしております。また認知症の方に対するサポート。重症心身障害者の方に対するサポート、こちらの方のサポートの充実もしております。

 それから現役世代の重点投資の額についてなんですけれども、これは色々分析するとですね、じゃあその人件費の部分とか、それはどうなのとか色々議論があります。人件費が下がってる部分もあると思うんですね。ですから今回は、重点投資として新しい施策を展開した、特に議会からの要望の高かったモノをしっかりと展開したという事を示したまでです。

 そしてこれは公約でどうのこうのと、公約違反じゃ無いかと言われるんですが、選挙に於いてじゃあ公約、色んな党の皆さん言われています。共産党さんの皆さんも言われています。国民保険料を下げる、いうことはいつも言っていますけども、下がってるんですか。じゃあ共産党の皆さんが当選したからと言って下がってるんですかね。色んな事情があって結局下げれない。下がらないと。公約というモノは、共産党ですらそうなんじゃ無いですか。

 僕は掲げた事、この敬老パスについても、維持はしています。廃止にはしておりません。持続可能なようにしております。これから高齢者がドンドン増える中で、あの完全無料をやっておればですね、その税投入額がドンドンドンドン増え続けます。ですから持続可能に、そして教育予算、現役世代、今まで大阪市政で出来なかった事、それをしっかりやる事。特別養護老人ホームをはじめ、そういう事にも手が回らなかった事。そういうところにしっかりお金を配分する為に、高齢者の皆さんにご負担を頂きました。そして公約についても敬老パスは廃止はしておりません。維持しております。そういう事言い出したら国民健康保険料、あれだけ下げる下げると言い続けている共産党の皆さんは、法律を使ってでも是非国民健康保険料下げて頂きたいと思いますね。是非実行して下さい。

 

○井上ひろし議員

 市長のエールに応えて、下げるまで頑張ります。決して私は市民を裏切りません。市長のように。

 さて、名古屋市では、敬老パスには社会参加効果、健康効果、環境効果、経済効果の4つの効果があるとして、本制度の検証を行っています。中でも経済効果は316億円あると、名古屋市のやってる試算ですよ、データもあります。大阪市に於いてもこの4つの効果を大いに発揮するように元の無料の制度を維持する事を強く求めておきます。

 

 さて、国民健康保険料についてであります。

 国民健康保険料を引き下げる事は、市民のくらしへの直接的な応援につながります。本市では、平成25年度で、78万人もの方が国保に加入しています。後期高齢者医療制度が創設された事もあり、国保加入者の多くが現役世代となっています。そういう構造になっています。

 現役世代への重点投資というなら、国保料を引き下げて市民のくらしを守るべきではないでしょうか。

 

◆橋下徹市長

 公約をあれだけ掲げて実現できずにですね、実現するまで頑張りますで、それで許されるんだったら、僕も頑張りますよ。散々今まで言ってるじゃ無いですか、これ言ってた事とやってる事が違うじゃないか、松井知事が4000億円の効果を出すと言ってるけど違うじゃないか、じゃあ出るまで、出すまで頑張りますよ、大阪都構想で。ですからそれは頑張りますでね、ダメですよ、国民保険料はさがりません。これはどんだけ共産党の皆さんが言おうとも、市長当選してからでも結構ですけれども、市長室に入って現実を見たら、これは下げる事は出来ないって事ははっきりわかります。だからあまり夢みたいな事を言って、市民を騙してるのは、そりゃいいんですよ、国民保険料下がります下がります、はっきり言いますけど、市民の皆さん申し訳ないですけど、国民保険料下がりません。下がらないんです。こんなことに期待したらダメなんです。何故かと言いますと、大阪市の国民保険料大変なんですよ。今大阪市税から、市民の皆さん聞いて下さい直接。400億円、これ税金入れてます。400億円。でその義務的に法律で決められた分を入れなきゃいけないっていうのが224億円。さらに大阪市は義務で定められてなくて、任意で入れてるのが183億円です。183億円。さらに大阪市の今の国民保険の累積赤字は、129億円も赤字なんです。今回色々とやはり国民の皆さんに、市民の皆さんにも負担を求めるところは負担を求めていかなきゃいけない。

 こりゃ選挙前にこういう事やるのは大変ですよ。だから選挙前にですね、下げろ下げろって言うのは楽なんです。選挙前に票もらうためにですね。選挙前にこれ上げる上げるって言う事は、ホントに大変です。でもこれやらないと国が破綻してしまうんですから。今僕が考えているやり方というものは、例えばですよ、大阪市の国民保険料は、全国の中でも一番安いです。一番安いんです、これは。例えば大阪市、他の政令市の中で20大都市がある中で、下から2番目位に低いんです。一番高いのは、横浜市が99,000円、大阪市は73,000円です。北九州市が72,000円になってます。ですから今下から2番目になってますけども、これはものすごく低いんですね。大阪府内の市町村の中でも下から、回答分だけであれば下から3番目ですよ。これなぜ安いかと言えば、確かに所得の低い方が大阪市内に多いから、その所得に応じての保険料という事で安くなるというふうに、共産党の方言われるんですけど。だからこそ、僕は負担割合という概念を使ってですね、所得の中に占める国民保険料の負担の割合を、大阪府内の市町村の、大阪府民の平均くらいまで、そこまでの負担は求めましょうということやったんです。だから所得の低い高い関係なく、所得に応じて国民保険料の負担割合をですね、せめて大阪府民と同じくらいにしないと、国民保険、これ大阪もちません。所得の低い方にドンドンドンドン税金をつぎ込んでいったらですね、これもたないですよ。ですから、今回の様にですね、この数字、資料、局とキチンと行政で担当局と議論すれば、国民保険料下げるなんて話は絶対にありえません。ですから早くそういう国民の皆さん、市民の皆さん騙すような事やめて下さい。国民保険料下げるんでは無くて、どうやってみんなに納得できるような負担をしてもらって、納得をしてもらうのか、そっちを考えなければいけないと思いますね。

 

○井上ひろし議員

 なんで住民のために頑張るのが悪いんでしょうかね。その感覚が全く分かりません。我々は市民の切実な要望に従って声を上げている訳でありまして、そういう声に全く耳を貸さない市長の方が、そういう姿勢の方が私は問題だというふうに思います。

 るる仰いましたけども、平成22年度決算から4年連続の黒字に今、国保会計は好転をしています。これは国がペナルティ減額を解除した事などが大きな要因となっております。その結果、累積赤字も平成22年度250億円だったのが、平成25年度129億円へと半減していると、大幅な改善が見られます。

 大阪市の場合ですね、低所得者が大変多いです。一世帯あたり平均所得96万円という数字を頂戴してます。全国平均は142万円なんです。大阪府は114万円という状況であります。低所得者が多いと、つまり7割減免の措置が多いということの現れであります。

 ですから、そういう所得の構成、市民生活の実態、それに照らして自治体が社会保障ですから、国保というのは。そこに責任を持つというのは当然の事でありまして、もう下げられませんとか、そういうご答弁というのは、余りにも無責任だという事を申し上げておきます。

 任意繰り入れも、減らしてしまってるんですね、平成22年度198億円だったのが、平成25年度183億円と減っています。これは減らすべきじゃ無い。増やしていって、市民の負担を軽減する。そういう努力を私はするべきだと申し上げておきます。

 国保は国が音頭を取って国民皆保険制度をつくり、その運営を自治体に委ねている経過をみても、国と自治体の責任は免れません。国保は社会保障であり、上げられないとか、負担に耐えろ。こういう発想というのは国民健康保険を知らない人が仰る論法だというふうに申し上げておきます。

 

 さて次に、住宅リフォーム助成制度についてであります。

 今やこの制度は、実施自治体は5県3政令市を含め、628自治体、全自治体の約35%に広がっております。経済効果が既に実証済みのこの制度。本市でも実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

 国民保険を知らないというふうに言われましたので、しっかりそれを認識したつもりでやってます。繰り返しになりますけれども、所得に応じた負担を頂くという事ですから、大阪市の今の保険料は決して高くありません。大阪府内の大阪府民の平均の負担割合、これはしっかりと負担をして頂くという事です。

 住民のために頑張ることがなにがおかしいのかとねそれはおかしくないですけれども、それを言うんだったら僕も住民のために頑張るという事なので、その部分で批判はしないで欲しいですけれど。

 それからこの国民保険についての共産党がよく言われる単年度収支の部分、黒字黒字と言いますけれどもね、これ是非会計制度を勉強して頂きたいなと思うんですけど、複式簿記で見てもらうと、単年度の収支は基本的にはトントンです。これは国からの精算分、国からもらったお金の精算分とかそういうモノが、これは公会計の弱点ですけれども、単年度収支の単式ですから、お金が入ってきたら何となくそれが黒字のように見えますが、国に返さなきゃいけないお金も入ってですね、それはホントは負債勘定にたてなきゃいけないので、通常はこれ黒にならないんですけども、そういうモノも全部入ってる。任意繰り入れをやってるそのお金、183億円の任意繰り入れをやってる中で、単年度収支が、25億と。本来だったら任意繰り入れでも、任意繰り入れも無し、国の精算金を除いてですね、これ考えると、収支は黒字ではありません。ですから、よく共産党の皆さんが言うように、234億円の黒字があるんだから保険料下げろと、こんな市民を騙す様な事は、やめて頂きたいと思っております。

 そして住宅リフォーム助成制度についてなんですが、このような何か一つの政策をやれば国全体がバラ色になるようなこんなことを国民に錯覚させるようなこんな政策は、絶対にやりません。

 

○井上ひろし議員

 そういう姿勢を無責任と言うんです、市長。

 この住宅リフォーム制度、本市において平成20年にですね、リフォーム工事を行った持ち家数約51万戸に対して、約13万戸となっています。仮にその半分の65,000戸が本制度を活用したと致します。一軒あたりの平均リフォーム工事費を180万円とし、助成金をリフォーム工事費の10分の一と仮定致しますと、65,000戸×18万円で、117億円となります。産業連関分析は、117億円を経済効果とし、これを出発点に基準となる係数を投入して、生産誘発効果、雇用効果、税収効果といった経済効果を計算する訳です。これだけの自治体で実施しているという事は、もうそういう効果がはっきりしてるからなんですね。そういう事を認識せずに、やりませんと。ホントにこれは無責任だと改めて申し上げておきます。

 経済効果を産業別に見ますと、建設業ばかりではなくて、商業、サービス業、運輸業、不動産業など地域産業への波及効果も認められております。また社会資本整備総合交付金が平成25年度で、386億円、国から本市に交付されておりますが、国はこの交付金の住宅リフォーム助成制度への活用を認めておりますし、国も2013年度には住宅リフォーム推進事業を初めて創設して、補正予算を計上していますので、これらを財源として活用する事が可能であります。税収も増えるんですから、やったらどうですかね、市長。

 住宅リフォーム助成制度は、地元企業に発注するという条件があるため、地元企業収入や雇用者収入を増やし、それが地元で消費され、それらに関わる地方税収入も確保されるメリットがあります。

 地域発展の基本としては、稼いだ所得が地元で消費され、利益も地元に再投資される事が大切です。こうした点では確実に効果のあるまさに地に足の着いた経済対策といえます。カジノとは大違いだと申し上げておきます。

 尚、現在本市の6地域で実施されているホープゾーン事業も、言わば住宅リフォーム助成制度の一環であると思いますので、ぜひこの事業の地域への影響も参考にして頂きたいと思います。

 

 さて、最後に市長の政治姿勢についてお伺いします。

 市長は、車を選ぶ時に、ボンネットを開けてエンジンを分解しますか、こういうふうにタウンミーティングなどで言っておられる様です。車の安全性のチェックをするのが議会の役割です。安全性がチェックされておらず、ハンドルもブレーキもきくかどうか分からない。私たちは、こんな危険な商品を決して売りに出す訳にはいきません。

 まずは法定協議会を正常化、再開し、民主的なルールで議論を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 

◆橋下徹市長

 住宅リフォームのこの制度、経済政策としてとらえるから僕は反対してるんです。ホープ事業は経済政策ではありません。町並みの景観を整えて、ある意味賑わいを創出するというところも含めての事業です。

 だいたいですね、この住宅リフォームの制度、共産党の皆さん必死になってるのが僕よく分からないのが、公共工事のあり方と同じですよ。ケインズ政策そのものじゃないですか。なんでこれ税を投入してですね工事をやる。大型開発はダメだと言っておきながら、住宅リフォーム工事は良いんですか。単にこれ小規模に分散しただけであって、やり方としたらケインズ政策と同じですよ。これは、例えば地方でこの住宅関連、住宅業中心としたそういう産業しかないようなところであればですね、こういうところはきくのかも分かりませんですけども、大阪のような大都市で、住宅リフォーム業のその率、考えてみてください。この大都市に於いては、サービス産業が6割、7割を、総生産の内6割、7割占めてるんですよ。こういう大都市において住宅リフォームだけに特化したような税金の使い方、税を投資するなんていうのは、これは悪しき公共事業のやり方そのものです。

 ですから、大阪は大都市の力をフルに発揮する。いわゆる大阪の成長戦略というものは、地価を高める、付加価値を高めるという事ですから、規制緩和と減税ということで、色んな企業に集まってもらってある意味新しい創造、イノベーションを起こしてもらうというところが大都市の役割であり、そうではないその地域においてはこいう形でケインズ政策的なですね、公共工事的な発想で、経済を刺激するという事は、ありなのかも分かりませんけれども、これまさに共産党が批判している大型か細分かの違いだけであって、そこの本質論、何か全然含まれてないんじゃないですか。

 ケインズ政策的な公共工事的なですね、経済政策というのは、今の時代、今のこの状況で僕は自治体がやるべきで無いと考えています。

 それから、法定協議会の話ですが、これまで協定書、これは作成経過については法律の範囲で、法律に基づいて、ルールに基づいてしっかりやってきました。議論するんであれば、大阪市議会の法定協議会の委員のメンバーが、法定協議会に参加すれば良かっただけです。それは参加をしなかったのはまさに市議会の法定協議会の委員の皆さんじゃないですか。参加せずしてですね、あの法定協議会がおかしいおかしいと言うのは、そっちの方がおかしいと思いますね。

 民主的なルールに基づいて、キチッとこの大阪都構想の設計図はつくりました。ですから後は、住民投票に付すための環境整備を整えてもらってですね、住民の皆さんにキチッと決定をして頂きたいと思います。

 議会が決めるのが全てだというふうに、議会制民主主義というものをどう考えるのかと、議会の方からも散々言われましたけれども、皆さんはですね、僕が市長の出直し選挙やった時に、あんな投票率で民意を得たと言えるのかという事を、散々言われました。維新の会以外の皆さんが市長があんな23%かなんかの投票率で、あんなのは全然民意を得ていないと。そしたら皆さんの前回の統一地方選挙での得票率はどうなんですか。得票率が有権者に占める得票率の割合が30数%くらいだったんですかね。維新の会以外。これ、大阪市民の意見全然反映して無いじゃないですか。だから議会が全部決めるなんてのは、こんなのは僕は有権者に対する冒涜だと思いますよ。

 前回はっきり言いますけれども、維新の会以外の皆さん、現職のみなさん、投票率が49の内、各議員の皆さんの得票数を全部積み重ねてですね、有権者に占める割合をはじくと、だいたい30%ちょいくらい。30何%、40%になってません。

 それで果たして市民の意思を全部代表してると言えるのかどうなのか。全く僕はこれはね、市民を馬鹿にしてると思いますね。通常の議会制民主主義の中で、こう言う形で議論するのは良いですけれど、法律法律の中に、住民投票で決めるという事が定められているんであれば、住民の皆さんの意見、100%住民の皆さんの意見がダイレクトに通じるような形で、住民投票で決めるべきだと思ってます。

 今回の協定書はキチッと民主的なルールでキチッとつくりましたので、是非住民の皆さんに決めて頂くような、そういう環境整備に務めて頂きたいと思っています。

 

○井上ひろし議員

 市長のそういう姿勢が、今の大阪市政の混乱と停滞を招いているんだなということが、改めて良くわかりました。

 このリフォーム制度も、県レベルでもやってますしね、政令市でもやってますから。私、こういうことで実際効果が上がってるんじゃないかと申し上げました。いっぺん試算くらいしたらどうですか。効果があるかないか。そういうのもせずにですね、やりません。そういう姿勢だから全てに於いて私は大阪市政に混乱停滞を招いている。全てに於いてそういう姿勢が貫かれている、そこが私は問題だというふうに思います。

 さて、市長がよくスコットランドの住民投票の例を出されますけれども、元々スコットランド独自の立法権を持つ自治政府ですが、スコットランド政府の首相が、議会の同意も無く勝手に投票に持ち込んだのではありません。

 スコットランド議会の同意を得るのはもちろんの事、イギリス政府との間でも、長い時間をかけて住民投票の実施を認める合意書を締結するなど、民主的なルールを経て住民投票に至った事をご理解頂きたいと思います。議会やイギリス政府との合意形成のプロセスが、86.4%という高い投票率にも現れているのではないでしょうか。

 一方で市長は、法定協議会の正常化を求め、過半数の議員が議会の開催を求めたにも関わらず、議会を開催しませんでした。これは明かな地方自治法違反です。そして、今だとばかり協定書の議決を強行したんです。法律違反を犯してまで強行した協定書は、議会は絶対に認めないという事を改めて申し上げておきます。

 昨日、市長は直接民主主義、間接民主主義についての法律家としてのご自身の考え方をるる述べておられました。法律家なら、民主主義を語る前にまず法律を守られるように、強く申し上げて私の質問を終わります。