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市議団の実績

「生き生き地球館」の廃止条例案に対する

北山議員の反対討論

北山良三市会議員

2013年11月29日

私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案262号「環境学習センター『生き生き地球館』廃止条例案」に反対する討論を行います。 

環境学習センター「生き生き地球館」は、1997年、本市における環境学習事業の拠点施設として創設され、以来430万人を超える来館者を迎えています。昨年度は34万人が訪れ、2010年度から2013年度までの目標120万人を突破する見通しであり、来館者は年々増加しています。また、学校教育の一環としての利用も多く、昨年度までの4年間で、小学校496校、中学校151校が活用している、事実上府内唯一の環境学習施設であります。

そして、この「生き生き地球館」では年間300件以上の講座等が実施されているとともに、里山や田園風景を再現した1.ヘクタールもの広さの自然体験観察園と一体的に運営され、ジオラマ・地球シアター・図書室・ビデオギャラリーなど、親子でも楽しく学べ、多くの市民・事業者等の環境意識の高揚に大きな成果を上げているのであります。

地球温暖化が自然災害にも大きく影響を与え、環境問題が国際的にも最重要課題となっている今、このような重要施設を廃止してはならないのであり、断固反対します。 

同時に、去る18日および1122日の民生保健委員会での各会派の質疑を通じても、「生き生き地球館」を廃止してはならないことがはっきりしたのではないでしょうか。

例えば、「拠点施設である『生き生き地球館』を廃止して、区単位の環境学習の取り組みとして発展させたい」と当局理事者が主張したのに対して、「区単位の取り組みに発展させるためにも拠点施設を残し、連携する方がより効果的である」との委員の指摘があり、極めて当然であると考えます。

また、「利用者は広範囲にわたっている」「廃止は拙速であり、市民目線で見ていない」「自然体験と学習がセットになっているこの施設の存在意義は大きい」「環境問題は文字だけで学べるものではなく、子どものころから体験的に学ぶことも重要だ」などの委員の質疑があり、重要な指摘であると思います。

 さらには、委員の質疑で、「都構想」での府市再編効果額に、この「生き生き地球館」の廃止で浮かした経費が含まれているとの答弁がなされており、今回の廃止提案は、決まってもいない「大阪市の廃止・特別区設置」にむけた地ならし・前倒し実施にほかならないという点も重要だと考えます。

加えて、こんな重要な施設の廃止を提案している橋下市長は、この施設の全体の内容を一度も見ておらず、「しっかりと見学すべきだ」との指摘に対して、ツイッターや選挙応援には膨大な時間を使っているにもかかわらず、市長は「見に行く時間がない」と開き直りました。そして、「子どもたちの環境学習は、副読本とタブレットPCを使えばいい」と答弁し、こういう施設での体験型学習を否定する答弁に終始しました。とんでもない発想だと思います。

こんな委員会質疑をふまえれば、「生き生き地球館」を廃止せず、存続させながらいっそう環境学習事業を発展させていくことが求められているのであります。 

最後に、「別館を残す」との修正によって「生き生き地球館」の廃止をよしとする意見についてであります。

別館は、「生き生き地球館」の施設の四分の一程度の広さしかなく、一階は空間スペース、二階は研修室にするとのことであります。これではこれまでの「生き生き地球館」が果たしてきた役割を継承し、さらに発展させることは到底できません。しかも、どの程度の予算を組み、誰がどのように管理・運営していくのかも明らかにされておらず、あいまいなまま先行して地球館の廃止を決めてしまうというのは、あまりにも拙速であり、市民に対して無責任な態度だと言わなければなりません。 

以上をもって、環境学習センター「生き生き地球館」の廃止条例案への反対討論といたします。