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市議団の実績

大阪市議会で「特別区設置協議会」設置を可決

都構想ありきの協議会設置は絶対に認められない

山中市議が反対討論

山中智子市会議員

2013年2月1日

 大阪市議会は1日、臨時市議会の閉会本会議を開き、橋下徹大阪市長提案の大阪市を廃止して特別区を設置するための詳細な制度設計を行う協議会(「大阪府・大阪市特別区設置協議会」)の設置を「維新」、公明の賛成で可決しました。

 議会に提案された協議会は、昨年8月に成立した特別区設置法にもとづく協議会です。

 反対討論を行った日本共産党の山中智子市議は「議会での議論は緒に就いたばかりで大阪都構想の含意は得られていない」と指摘。

 山中市議は、大阪経済深刻化の原因が府と大阪市の二重行政にあるという橋下市長や松井一郎府知事の意見には日本共産党を含め各会派から異論が続出しており、区割り案や財政調整制度案でも財源が確保できないうえにコスト増で市民サービス切り捨てにつながりかねないなど問題点が提起されたばかりだ−と述べました。

 「大阪市廃止は市民の中でも合意は得られていない」とし、一昨年の府知畢・大阪市長ダブル選で「維新」が「大阪市をバラバラにはしません」「大阪市はつぶしません」とのビラを配ったと指摘。「詳細な制度設計にすすむ前に、メリットもデメリットも市民に説明し、パブリックコメント(意見公募)を実施して市民の意見を聞くべきだ」とし、議会での十分な議論もなく、都構想ありきの協議会の設置は絶対に認められない」と主張しました。


 山中智子議員がおこなった反対討論

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、議案第1号「大阪府・大阪市特別区設置協議会の設置に関する協議について」に反対の討論を行います。

 提案されている協議会は、昨年8月に成立した特別区設置法にもとづき、大阪市を廃止して特別区を設けるための具体的で詳細な制度設計を行うための協議会です。日本共産党は、市民サービスを大幅に後退させ、地方自治を破壊するものとして、大阪都構想には一貫して反対であることをあらためて表明し、提案されている協議会の設置に絞って反対の理由を申し上げます。

 協議会の規約案第6条の6項では、「会長及び委員は、協議会の目的に従い、誠実にその職務を行わなければならない」とされており、一路、大阪市廃止と特別区設置をめざして、その具体案づくりに取り組むことを求めています。

 つまり、この協議会は大阪都構想、すなわち市の廃止、特別区設置を是とすることを前提としたもので、市民のみなさんの中はもちろんのこと、議会においても、その点での一定の合意がなされていることが必要です。

 しかし、実際には本市会における議論でも、大阪にふさわしい大都市制度推進協議会でも、議論は緒に就いたばかりで、とても合意が得られたとは、言えないのであります。大阪の経済が深刻な状況であることは言うまでもないことですが、その主な原因を、大阪府と大阪市があったからだ、とする、市長や知事の意見に対して、我が党をふくめ、各会派から異論が続出しています。さらに、二重行政とは何なのか、についても、まったく議論が深まっておらず、仮に、二重行政があるとしても、それを解消するためには、統治機構の改革、すなわち大阪都づくりしかないとする論にも、まったく道理がありません。詳細な制度設計に向かう合意どころか、スタートラインにさえ立っていないのが現状なのであります。

 そうしたなかで提案された、区割り案や財政調整制度の案をめぐっても、特別区の財源が確保できないうえにコスト増で、市民サービスの切り捨てにつながりかねないこと、財源や資産の点で特別区間に大きな格差が生じかねないこと、等々の問題が今やっと提起されたばかりです。

 さらに、市民の皆さんの間でも、大阪市廃止の合意が得られている、などとは到底言えません。区割り案が発表され、「いったいどういうことなのか」という多くの戸惑いの声をお聞きしますし、単に区がまとまるだけの合区だと受け取っている方もおられます。市長は一昨年の知事・市長のダブル選挙の勝利をもって、都構想への民意だと言い続けておられますが、その選挙中に「大阪市をバラバラにはしません」「大阪市は潰しません」「大阪都構想が実現すれば市民の皆様の生活はよくなります」というビラを配布したことは消すことのできない事実です。詳細な制度設計に突き進む前に、都構想の骨格、大阪市はバラバラにすること、区長は公選になるが、生活が良くなるとは限らず、市民サービスは現状維持できない可能性があること、など、メリットもデメリットもできる限りていねいに説明すべきです。そして、パブリックコメントなどを実施し、市民の意見をまず聞くべきです。

 こうした手続きぬきに、また、市会での十分な議論もなく、都構想ありきの協議会を設置することは、絶対に認めることはできません。以上、反対討論といたします。