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市議団の実績

「大阪市会議員定数及び各選挙区選出数に関する

条例の一部を改正する条例案」

に対する渡司議員の反対討論

わたし考一市会議員

2010年3月26日

 私は日本共産党市会議員団を代表して議員提出議案6号「大阪市会議員定数及び各選挙区選出数に関する条例の一部を改正する条例案」に反対の討論をおこないます。

 言うまでもなく、大阪市会はじめ地方議会は、住民のもっとも身近な議会として住民の声を自治体に反映する代表機関であると同時に、大きな執行権を持つ市長に対し、市民の立場からこれをチェックし独断や暴走を防ぐという重要な役割を果たす機関であります。こうした議会の無原則的な定数削減は、地方自治体における議会制民主主義を切りちぢめ、結果として自治体を住民から遠ざける役割を果たすものだといわなければなりません。

 全国都道府県議長会の下につくられた都道府県議会制度研究会も報告の中で議員定数問題について次のように結論づけています。「議員定数は、議会の審議能力、住民の意思の適正な反映を確保する事を基本とすべきであり、議会の役割がますます重要になっている現状においては単純な定数の一律削減論は適当ではない」「競って定数削減をおこなう事は、少数意見を排除することになりかねない点にも留意すべきである」と注目すべき指摘をおこなっています。

こうした立場から3点について反対理由を述べたいと思います。

 第1にこの間の人口動態からみても定数を減らす理由はないという事であります。

大阪市会では戦後でいいますと、上限数が96名であるにもかかわらず、1983年には94名から92名へ、87年には92名から90名に、そして一番直近の2003年の選挙で90名から89名へとそれぞれ定数削減が強行されましたが、この3回の定数削減の時は少なくとも大阪市の人口が減少する中でおこなわれたものであります。この10年あまりの本市の人口の動きは2000年に実施された国勢調査と比較すると、2005年は約3万人増え、2005年と2010年を比較しても約34,000人、10年間で約64,000人増えているわけですから、定数を増やす事はあっても、減らす根拠は全くないと言わなければなりません。また、議員一人あたりの人口は、本市においては横浜市の41,624人に次ぐ29,537人で、人口あたりの議員の数は、政令市のなかで2番目に少ない結果となっているのであり、こうした面からみても定数削減には道理がないのであります。

 第2に較差是正の問題であります。

 2007年2月7日の各派幹事長会議では行政区間の一票の較差をなくす方向が合意されました。大阪市会でも過去には91年に「一増一減」が行われるなど、こうした形で定数是正が行われてきました。しかし、今回は一方的に減らすのみで増員区はなし、しかも、いくつかの逆転区を温存する事となっており、較差をできるだけなくす定数是正という面からも不十分であります。

 第3に一般会計に占める本市の議会費割合は、2008年度決算ベースで0.18%と、すでに政令市の中で一番低い水準となっている事であります。

この数年間、全国でも財政難を理由に多くの自治体で議員定数の削減が強行されてきました。本市も財政難が声高にいわれておりますが、この原因は90年代の莫大な公共投資、3セク事業や阿倍野再開発などの相次ぐ大失敗、そして過去に1兆円もの乱脈な同和行政が行われてきたからであり、ここにこそメスをいれるべきであります。

 当然、議会費においても経費削減の努力が必要であります。我が党はこの間、費用弁償の廃止や政務調査費の使用においてすべての領収書を添付する事などを提案してまいりましたが、この他にも公用車の廃止や、議員報酬と政務調査費の一定の削減が全会一致で取り組まれてきたところであります。

 さらに、本議会にも提案されていますが、市民から批判の多い、任期中4年間で大半の議員が参加することとなっている海外視察は、廃止も含めた見直しが必要であるという事を改めて厳しく指摘をし、本条例改正案に反対の討論といたします。