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市議団の実績

石川かんじ議員の同和終結決議討論

石川かんじ市会議員

2007年3月15日

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、議員提出議案第8号「地対財特法期限後の関連事業等の早急な見直しを求める決議案」に反対、議員提出議案第9号「同和行政の完全な終結を求める決議案」に賛成する討論をおこないます。

 あらためて言うまでもなく、芦原病院問題と飛鳥会事件は、本市の同和事業、同和行政が、いかに「解同」言いなりで、行政の主体性を投げ捨て、乱脈・不公正なものであったかを、誰の目にも明らかにしました。

 わが党議員団は、むだな大型開発優先と不公正・乱脈な同和事業温存を、大阪市の「2つの病」だと指摘し、その抜本的な見直しをくりかえし求めてまいりましたが、同和行政の終結が大阪市にとって焦眉の課題であることを、あらためてうきぼりにしたのであります。

本市同和事業には、1969年の同特法施行以来30数年間に、実に、1兆2千億円もの巨費が投じられてきました。

その結果、それまでの劣悪な生活環境は大きく改善され、結婚や就職などの差別も基本的には解消し、地区内外の融合も進んで、もう早い段階で、同和行政は全く不必要となったにもかかわらず、その後も、延々と続けられてきたのであります。

そして、この間に、「解同」、すなわち、市同促・地区協による「窓口一本化」の下で、一般地域では考えられないデラックスな各種施設や学校などの建設をはじめ、過度な個人給付的事業の実施、教職員の加配、会館等へのおびただしい数の職員配置など、いわゆる逆差別といわれる事態が生じたのであります。

しかも、これらの建設土木工事が、同建協業者のみに独占発注されるなど、「解同」一部幹部に特権を与え、「同和貴族」という言葉がうまれるなど、腐敗の構造がつくられたのであります。

また、「解同」の言うままに、必要もないのに、膨大な同和用地を買収させられました。今だに放置されている土地は、なんと、206ヵ所、13haにも及んでおります。

こういう中で、2001年度末の、地対財特法の失効は、こうした本市の異常な同和行政に終結を迫りました。

ところが、それ以降も、「人権行政」と名を変えて、同和特別扱いを続け、わが党議員団の調査では、毎年130億円もの巨額の予算を投入してきました。こうして、差別の解消を、逆に遅らせてきたのであります。言語道断と言わなければなりません。市当局の責任は、言うに及ばず、これに賛成し、一緒になって推進してきた自民・公明・民主、与党各党の責任は極めて重大であると申せましょう。

与党の諸君は、わが党が1994年の3月議会以来、これまで12回も同和行政の終結を求める決議案を提出したにもかかわらず、7回は否決、5回はまやかしの対案を出して、一時不再議、事実上否決してまいりました。文字通り、同和行政の終結を遅らせてきたのであります。

さて、今、市当局は、市民のきびしい批判の中で、同和事業の一定の見直しを余儀なくされております。

ところが、本市の乱脈・不公正な同和行政の大もとにある、「解同」・市同促、現在の人権協会との癒着に、根本からメスを入れようとしておりません。

そればかりか、市長自身が、「人権施策はこれからも必要」と公言し、事実上、同和行政を継続しようとしているのであります。

したがって、2007年度の予算案では、同和対策債元利償還金や小中学校への教員加配など、巨額なものを除いて、約40億円を計上、同和事業の見直しなるものは、きわめて不十分なものになっております。

特に、人権協会職員の雇用に配慮するなどとしていることは、断じて認めることはできません。旧同和住宅附帯駐車場などの人権協会への委託はあと3年間も続けるというのであります。人権文化センターや旧同和住宅附帯駐車場などの人権協会への委託はただちに廃止し、派遣している職員を引き上げるべきです。

また、事業を見直すと言いながら、2007年度予算では、化製場集約化対策事業補助金や人権情報収集・提供事業補助金など、13事業、2億8185万円の補助事業を前年と同様に計上しております。大阪府人権協会分担金などもそのままです。工場アパート管理業務や資源再生共同作業場管理・運営などの委託料も14事業、1億6316万円と、変化がありません。

206ヶ所、13haもの同和事業未利用地が、いったいいつになったら処理されるのかも、はっきりしません。小中学校への教員加配にも手をつけようとしておりません。「解同」が主導する研究集会への職員派遣や人権研修もやめようとしておりません。

また、旧同和金融公社への貸付金20億円余りは、現在、毎年、わずか1000万円に満たない金額しか返却されておりません。今のままでは、200年もかかるにもかかわらず、今後も確実に返済を求めると言うのみであります。

これでどうして、市民の理解が得られるでしょうか。

また、この間、京都市奈良市で、同和枠で採用した職員の不祥事があいつぎ、「解同」言いなりの同和行政のゆがみが、あらためて大問題になっています。

本市においても、職員112名が、市営住宅の家賃、保育料、市税、学校給食費等、8078万円を滞納していたことが明らかになりました。本市においても、はたして、採用時、問題はなかったのか、解明が改めて求められております。

さらに、旧芦原病院への補助金・貸付金をめぐるさまざまな疑惑について、真相を解明し、責任の所在を明確にするとともに、歴代市長や関係幹部職員、病院経営者などすべての関係者に相応の負担を求めること、同時に、小西邦彦「解同」飛鳥支部前支部長から西中島駐車場にかかわる不当利得を返還させること、小西が理事長をつとめていた「ともしび福祉会」への補助金で不当なものは返還させること、これらも、あいまいにできないことは、言うまでもありません。

今、芦原病院等の問題を通じて、長期にわたる同和タブー、「解同」タブーが、ようやくうち破られました。これまで、同和地区内外を隔ててきた垣根も、法的には既に取り払われ、「普通の地域にしてほしい」というのが、大多数の市民の声です。文字通り、自由な社会的交流を促進するとともに、同和事業はきっぱりと廃止し、「人権教育」の名による同和教育も終わらせ、同和行政を完全に終結する時であります。

そのためにも、この障害となってきた「解同」・人権協会との関係を断ち切り、一切の同和特権、同和利権を許さないことが重要であります。

本議会が市民の負託に応えて、議員提出議案第9号「同和行政の完全な終結を求める決議案」を是非とも採択すべきであることを申し上げて、以上、討論といたします。