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市議団の実績

市会本会議代表質問

下田敏人議員

下田敏人市会議員

2007年2月21日

 

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、2007年度大阪市一般会計等予算案、ならびに当面する施策等について、関市長に質問したいと思います。

 今、戦後最長の景気の拡大が続いていると言われておりますが、これを謳歌しているのは、大企業や一部大資産家にすぎないのでありまして、トヨタ自動車などは、2006年度、売上23兆円、営業利益、実に2兆円を超える見通しとなっているのであります。そうして、これら資本金10億円以上の大企業の、一人あたり役員報酬は、2001年度、1400万円から、2005年度、2800万円と倍加すると同時に、この同じ時期に、株式配当も3倍に膨らんでいるのであります。

その一方で、労働者一人あたり賃金は、2003年度以降、連続して減少すると同時に、いわゆるワーキングプア、働けども働けども暮らしがよくならない、生保基準以下の生活を余儀なくされている人が、実に、400万世帯にも達しているのであります。まさに、国民の間にはかつてない程の格差と貧困が広がっているのでありまして、NHKの調査でも、貧富の差が拡大していると答えた人が83%、又、内閣府の調査でも、生活に不安を感じている人が、これまでの最悪の67.6%になっていることにもあらわれております。

 ところが、安倍内閣は、いずれ企業の好調さが、家計や賃金に波及するなどと、相変わらずの詭弁をろうしながら、格差拡大に一層拍車をかけるように、大企業には更なる減税、国民には定率減税廃止などの増税を押し付けた上に、最悪の庶民増税、消費税の税率引き上げに手をつけようとしているのであります。

 又、同時に、戦後レジームからの脱却などとして、いよいよ日本国憲法の改悪にまで突き進もうとしているのであります。まことに許しがたいものであります。

こういう中で、260万市民にとって、最も身近な行政である大阪市の責任は、極めて重大と言わなくてはなりません。国の悪政に待ったをかける先頭に立つと同時に、みずからは、市民の福祉の増進につとめるという地方自治体本来の役割をしっかりと果たすことであります。そうして、何よりも、市民のくらし、営業、福祉、教育を最優先にすべきなのであります。

しかるに、本予算案は、市民の強い大きな運動もあって、敬老優待パスの継続を盛り込んだものの、悪名高い市政改革マニフェストに基づいて、国保料金の4.5%もの値上げに、重度障害者給付金の廃止、市民の望んでいる学校施設整備など、身近な公共投資は軒並みカット、その一方で、スーパー中枢港湾づくりや淀川左岸線二期事業など、ムダで環境破壊の開発は着実に推進するという逆立ちではありませんか。市民にとって、全く夢のもてないものでありまして、希望を失った職員の早期退職者が後をたたない程であります。到底、認めることはできません。

市長、このような予算案は撤回し、根本から組み替えるべきであります。以下、こういう立場から、具体に質問したいと思います。

 

T.市政に福祉の心を取り戻すことについて

まず第一は、市政に福祉の心を取り戻すことであります。

その点で、看過できないことの最たるもの、それは、とうに負担の限界を超えている国民健康保険料の、またぞろ、4.5%もの値上げを盛り込んでいることであります。最高限度も53万円から56万円に、介護保険料と合わせ、65万円にもなるではありませんか。しかも、今回の値上げは、比較的所得の低い人にシフトしており、例えば、65歳以上、2人世帯では、所得150万円で2万円ふえて19万2926円、12.8%もの保険料になるのであります。とてもじゃないが、払えるはずがありません。市長、あなたには、市民の悲鳴が聞こえませんか。こんな値上げは撤回すべきであります。

そして、国に、国保財政健全化の責任を果たすよう求めること、特に交付金のカットなど、理不尽なペナルティをやめさせると共に、当面、一般会計からの繰り入れをふやし、払える保険料に減額すべきであります。

又、この間、滞納を理由にした、保険証の取り上げ件数が、一昨年11月末7910件であったものが、昨年11月末9135件と増えつづけております。皆、これ、悪質滞納者というんですか。まともに調査などしていないでしょう。いずれにしても、人の健康、命にかかわることではありませんか。取り上げはやめるべきであります。合わせて答弁を求めます。

又、今回、無慈悲にも重度障害者給付金、1級1万円と2級8千円。バッサリと削ろうとしております。いったいどれだけの財政負担になるのか。4億2900万円にすぎないではありませんか。市長、あなたに福祉の心がおありなら、折角、年に1回、楽しみにしておられる訳です。削るべきではありません。答弁を求めます。

次に、今日、一層の小子化の進展の下で、安心して子どもを生み育てることが出来るようにすること。まさに喫緊の課題であると思います。

こういう中で、本予算案では、お子達の医療費の助成制度、これまで就学前までであったものを、小学3年生まで入院のみ適用させようといたしております。しかしながらとてもじゃない、今の社会的な要請に応えられるものではありません。

他都市では、兵庫県で入院通院とも小学3年まで、神奈川県では、入院は中学卒業まで広げております。又、所得制限のないのは、1府18県、自己負担なしは、1都14県に及んでおります。

本市においても、こういう他都市の状況にも照らして、せめて小学校卒業まで、入院、通院共、所得制限なし、一部負担金なしとするべきであります。答弁を求めます。

又、保育所の待機児の解消に全力をあげるべきことは言うまでもありません。当局の少なめの数字でも、昨年846人と全国の最悪を記録しました。

何より園庭もあり、必要な保育士さんが配置された認可保育所の増設・拡充が必要ではありませんか。なかでも、公立保育所の拡充は不可欠であると思います。

ところが、市当局は、毎年5ヶ所ずつ、50ヶ所以上もの民間委託を進めようといたしております。保育における公的責任の放棄にほかなりません。保護者からも強い反対の声が寄せられているではありませんか。

議会にも公立保育所の存続を求めて、幾つもの陳情が出され、そのうち東成区の大成保育所では訴訟まで提起されているのであります。

このような公立保育所つぶしはやめ、拡充をこそ進めるべきであります。合わせて答弁願います。

又、高齢者対策も待ったなしの課題であります。特に、介護保険制度の拡充は、市民の強い願いとなっております。

なかでも、特別養護老人ホームの不足は深刻であります。2006年9月  現在、待機者は2652人となっておりますが、はじめからあきらめておられる人の数を入れれば、大変な人数になると思います。待っておられるおうちの状況というもの、本当にきびしいものがあります。

当局は、2008年度末まで、都合3年かけて、1238床ふやして、9900床にするとしておりますが、全く間尺にあいません。建設計画を見直して、ベッド数の増をスピードアップで進めるべきであります。

又、この間の一連の改悪によって、施設利用料が大幅に引き上げられました。老健施設では、これまで、課税世帯で、月65000円だった利用料が、95000円に、非課税世帯で年金80万円以上は、49400円から64970円に引き上げられたのであります。又、同時に、所得125万円以下の高齢者に対する市府民税の非課税措置の廃止によって、課税世帯となって、64970円から、更に、95000円になった人が多数出ているのであります。国に改善を求めると同時に、市独自でも利用料の減額措置を講ずるべきであります。

又、昨年の本市の介護保険料の引き上げも高齢者にとって、大幅な負担増となりました。

年金が下げられた上に、所得税や介護保険料の天引きが増えて、更に手取りが下落したという高齢者の悲鳴にも似た嘆きの声が多くよせられたのであります。

大阪市で、その気になればできること、すなわち、介護保険料の減額措置、これを講ずることであります。特に、低所得者向けの減免の基準を大幅に緩和すべきであります。

合わせて、答弁を求めるものであります。

さて、今、非正規雇用などによるワーキングプアの存在が、大きな社会問題となっております。

こういう中で、国において、最低賃金制度の改定がはかられようといたしております。現状は、全国の地域毎の最低ラインが時給673円で、大阪府でも708円でありまして、フルタイムで働いても、月12万円にもなりません。労働者の団体などでは、せめて、ヨーロッパ諸国なみの水準、時給1000円にすべきとの、強い要望が出されております。

東京に次ぐ、第二の都市の市長として、国に対して、わずかばかりの見直しではなく、是非とも大幅な引き上げをはかるよう、求めるべきであります。答弁を求めます。

 

U.行き届いた教育とそのための条件整備について

 第二にお聞きしたいことは、どの子にも行き届いた教育を保障し、そのための条件整備を行うことについてであります。

先ず、少人数学級の推進であります。お子たちを、ていねいに育てるために必要不可欠なものであることは、論を待たないところでありまして、教師をはじめ、保護者達の強い願いであります。

教職員や父母らでつくる「ゆきとどいた教育を進める会」が、18年間で集めた少人数学級の実現を求める署名の総数は、実に、3億5600万人分にも達しているのであります。

こういう中で、自公政権が、今だ、これに背を向けているにもかかわらず、府県レベルでは、東京都を除く46道府県で何らかの少人数学級に踏み出しているのでありまして、特に、山形県では、小学校・中学校、全学年で実施しているのであります。

大阪府でも、小学校1、2年に限って、35人学級に踏み出しているところでありますが、大阪市としても、国や府に要望すると同時に、独自でも更なる拡充をはかるべきであります。答弁を求めます。

又、教育委員会は、小学校5、6年の国語、算数、中学校2、3年の国語、数学、英語を、言わば、できる子、できない子の習熟度別授業を推進すると言って、臨時講師を派遣しておりますが、これが、どれだけ子どもの心を傷つけているか、教育長、あなた、分かっているのですか。

「今から、アホクラスに行ってくるわ」と自嘲気味に言う子もおれば、参観に来て耐えられなかったと感想を述べた親御さんもおられるではありませんか。教える側も、正規の教師と講師との連携がうまく行かないなど、特に、できない子のクラスは指導が極めて困難だと言われております。

およそ、公教育に、このようなもの、もちこむべきではありません。明確な答弁を求めます。

次は、中学校給食について、お聞きしたいと思います。

学校給食法第4条「義務教育諸学校の設置者は、当該諸学校において、学校給食が実施されるように努めなければならない」とうたわれております。

こういう中で、今や全国の市町村、84.9%の中学校で、給食を実施いたしております。しかるに、本市においては、今だに9.3%、ここ10数年、全然進捗がありません。

あなた方は、この努力義務というものを全く果たしておらないということではありませんか。しかも、96年4月以来、弁当販売のモデル実施をするなどとして、故意に給食を遅らせ、10年も試行して、今もって、結論を出さない。これ程の怠慢がありますか。確信犯ではありませんか。教育を語る資格は全くありません。

ただちに、これまでの行いを悔い改めて、中学校給食に踏み出すべきであります。答弁を求めます。

又、今回、小中学校整備費や校舎補修費が大幅にカットされていることは、到底、見過ごすことができません。小中学校整備費は、2005年度123億円であったものが、新年度50億円と4割にまで落ち込んでおります。又、校舎補修費も、2005年度59億円が、今回、38億円と大きく減額されているのであります。

いったい、こんなことで、よりよい教育条件をという市民の願いに応えられるんですか。特に、トイレ改修などは、待ったなしでありますが、今、教育委員会に要望の上がっているものだけで、167ケ所もあるではありませんか。せめて、2年前の水準に予算を戻すべきであります。市長の答弁を求めるものであります。 

 

V.民営化の推進で地方自治体の役割を放棄しようとしていることについて

第三は、官から民へとばかりに、何でも民営化を推進して、地方自治体としての役割を放棄しようとしていることであります。

なかでも、交通事業の経営形態の見直し、新年度にも答えを出そうといたしております。

昨年5月の関西経済同友会の、市営交通事業の完全民営化をとの、露骨な市政介入が、その背景にあることは申し上げるまでもありません。

経済団体たる彼らの狙いは、いったいどこにあるのか。それは、言うまでもなく、超優良企業である地下鉄事業にあるのでありまして、それを新たなもうけの対象とみなしているからであります。

しかしながら、地下鉄事業、元々、膨大な費用を要することから、民間は手を出さなかったのでありまして、そういう中で、市民の足の利便をはかり、釣り合いの取れた街づくりを進めるために、まさに、公共の福祉の増進をはかる公益事業として出発したのであります。

そして、昭和8年以来、市民の税金と利用者の料金で、営々と建設し、今や、営業キロ137Km、毎日、240万人もの乗客を安全、スピーディにお運びし、昨年の決算では、196億円もの利益を出すまでに成長、発展してきたのでありまして、困難なバス事業を何らかの形でサポートしつつ、今後とも前進をはかって行く必要があるのであります。それを今になって、民営化しろ、まさに、市民の貴重な財産、その果実を奪いとろうとするものに他なりません。

断じて認めることはできないのでありまして、到底、民間への売却など許されるものではありません。市長の明確な答弁を求めます。

又、この間、市長は、継続可能で発展性のある経営形態を探ると繰り返し言ってまいりましたが、もう、その答えも、ハッキリとでているのではないでしょうか。

株式会社化のシミュレーションでは、新たに、1430人もの職員を減らさなければやっていけない上に、地下鉄の設備投資は10%カット、バスの設備更新は車両以外ゼロ、バス路線も98系統もオミットするというものでありまして、とてもじゃない、まともな事業継続とは言えないのであります。

又、一般会計の負担も、国からの地方交付税措置がされなくなることなどから、むしろ逆にふえるのであります。

結局、どこから考えても、株式会社化には道理がないのでありまして、キッパリと断念をして、今後とも、地方公営企業として、市民の足の利便をはかり、安全輸送に徹して、事業継続、発展を計るよう求めておくものであります。

答弁を求めます。

さて、今一つ、経営形態の見直し、かまびすしいのが、市民病院であります。

地方独立行政法人化であるとか、公営企業の全部適用であるとか、色々言われておりますが、つまるところ、病床規模のダウンサイジング、医師等不足する科目はスクラップアンドビルドとうたっているように、縮小、合理化の方向でありまして、真に市民の医療ニーズに応えるものではありません。

特に、産科、小児科など、民間病院等での医師不足が深刻な中で、国にも強く求めながら、大阪市が全力を傾注して、医師の養成をはかると同時に、そういった分野での、むしろ、拡充にこそ努め、しっかりと公的役割を果たすことだと思います。ドクターである関市長の答弁を求めます。

さて、これら地方自治体の変質につながる民営化路線の旗振り役が、かの上山信一慶応大学教授なのでありますが、この上山氏が、こと民営化に関しても、全く無定見であり、しかも極めて乱暴な言辞をろうする人物であることが明らかになりました。

地下鉄は継続不可能、もう破綻している、品質もコストも極めて劣悪であると言ったかと思えば、地下鉄は超優良企業だと言うのであります。又、地下鉄は500億円のキャッシュフローをもち、8000億円の借金はたった16年で完済可能と言ったかと思えば、今度は、資金不足で地下鉄の劣化はもう始まっている。安全確保のためにも、すぐに民営化すべきだなどとのたまうのであります。

更にひどいのは、この人は、大阪の経済が沈滞し、全国から軽視される原因は、「信用」のなさだとおっしゃるのであります。そして、なぜ、信用がないかと彼に言わせれば、タクシー代をケチって119番を呼ぶという民度の低さや、モノ取り根性、それは、キセルアンド脱税マインドで、そこにあると、好き放題言っているのであります。

市長、いつまで、こんな人物の言うことを聞くつもりですか。市政改革推進委員長などは、即刻やめてもらうべきであります。答弁を求めます。

 

W.ムダな大型開発は中止し、市民に身近な公共投資を優先することについて 

第四は、臨海部などのムダな大型開発は中止、凍結すると同時に、市民のくらし、営業、身近な公共投資を優先することであります。

先ず、夢洲のスーパー中枢港湾づくりについてであります。

今回、大阪市の負担だけで39億円余りの予算が計上されておりますが、キッパリと見直すべきであります。なぜなら、その中心である大水深コンテナ埠頭C12の建設。その必要性が極めて低いからであります。

確かに、今、外貿コンテナ貨物はふえておりますが、それは、対中国が主たるものでありまして、1万t内外の比較的小型の船舶に依っているのでありまして、咲洲のコンテナ埠頭で充分対応できるではありませんか。答弁を求めます。

又、200数十億円もの巨費を投じて建設したC10は、いったいどうなったのでありましょうか。竣工以来、6年も経って、今だにバックヤードの舗装は一部だけ、肝心の外貿コンテナ船も、咲洲から移ってきた1万t内外の船が、たったの週2便入っているだけ、ガラガラではありませんか。

あなたがたは、5万t、6万tの船がドンドンふえる、咲洲は船底がつかえてどうにもならない、第一、もう飽和状態だ、埠頭も道路もコンテナとトラックで満杯だと言って、建設強行したのであります。まさに、市民と議会をたばかったに等しいではありませんか。明確な答弁を求めます。

いずれにしても、C10をほったらかしにしておきながら、今度は国際競争力をつけるといって、C12の建設につき進む、そして、つくる以上は、貨物を集めなければいけないといって、咲洲のR岸壁など、5バースのコンテナ機能を廃止して、夢洲にもってくる、このコンテナ機能廃止に伴って、80億円もかけたガントリークレーン等の設備はスクラップ同然となり、新たな埠頭機能をつくるための費用も発生する、いったい、どれだけ市民の税金を浪費すれば気がすむのかと言いたいのであります。

ムダな埠頭の再編はするべきではありません。答弁を求めます。

又、人っ子一人住んでいない夢洲に向かって、咲洲から海底の道路トンネル、地下鉄トンネルの建設工事が進められております。新年度も57億円余りの予算計上がなされておりますが、これ又、不要不急予算の典型であります。

申しあげるまでもなく、夢洲の4万5千人の街づくり計画は、バブルの如く、雲散霧消いたしました。国の直轄事業などといって、強行した道路トンネルにしろ、どれだけの車が通るのか、知れたものではありません。ましてや、地下鉄トンネル、いったい、いつになったら地下鉄車両が通るのでありましょうか。

こんなとんでもない建設工事は、国にも申し入れて、ただちに凍結すべきであります。そうして、市民の願っている身近な公共投資に振り向けるべきであります。答弁を求めます。

さて、次に、お聞きしたいのは、USJにかかわってのことであります。

USJは800万人もの集客がなければペイしないという程の大規模な娯楽施設でありまして、本来、大阪市が膨大な人と金を注いで、行うような事業ではなかったのであります。まさに、民のなすべきことを官が行ったのであります。

そうして、公金も含め、1000億円近い巨費を投じて、基盤整備を行って、上物の建設を可能にすると同時に、USJ本体に対しましても、100億円の出資と、160億円の貸付を行って、まさに、筆頭株主として事業を推進してきたのであります。

その結果というものは、既に明らかだと思います。関西経済の起爆剤になると豪語したにもかかわらず、来るべき映像産業もなければ、地元商店街等への波及もなし。他の既存集客施設の相次ぐ閉鎖というおまけつきであります。

その上、今や、外資であるゴールドマンサックスの餌食にされているではありませんか。

USJの弱みにつけこんだ優先株等のからくりによって、大阪市の2倍の投資で、実に、4.4倍、88万株も手にした上、他の株式も買収して、97万株余りを保有しているのであります。そして、今回の東京証券取引所マザーズ市場への上場によって、ゴールドマンサックスの保有株の売却が可能となる半年後に、仮に1株5万円で売り抜くとすれば、2百数十億円のわずか2年足らずの投資で、100%以上、260億円もの利益を得ることになるのであります。

いったい、何のための、誰のための事業であったのかと、言わなくてはなりません。

この際、元々、出発がまちがっていたことにも鑑みて、一切合財、手を引くべきであります。

160億円の貸付金、グループファイナンスの70億円についても、早期の返済を求めるべきであります。答弁を求めます。

又、このUSJの基盤整備を受け持った此花臨海土地区画整理事業、USJの上場とは裏腹に、もうどうにもならなくなっているではありませんか。

元々、売れるはずもないのに、テーマパーク内に、19haもの保留地を設定せざるをえなかったところに、大きなまちがい、無理があったのであります。近々、550億円もの起債の元利償還のために、毎年、30億円もの金額、20年近くにもわたって補填せざるをえなくなるではありませんか。

しかも、20年の定期借地終了後、仮に更地価格で、この土地を売却したとしても、なお、258億円もの赤字が生ずるのであります。大変な損害ではありませんか。市長、この責任、いったいどうつけるつもりですか。答弁を求めます。

又、今回、何かと批判の強い都市再生産業立地促進助成制度の大型特例を更に拡充しようとしていることであります。100億円以上の投資をする大企業等に対して建設費等の5%以上、上限30億円の助成をするというものでありまして、雇用がふえるふえないには関係なく、ただ、府内から常用雇用者が30人以上出勤してくればよいというだけのものであります。

既に、昨年7月に決定している旭ガラスの工場の住之江区の立地については、大阪市が17億2500万円と大阪府が同額、都合、34億5000万円もの助成を行うことになっております。

今、バブル期を超える大もうけをしている大企業に対して、府と合わせ、上限60億円もの助成を行うなんてことは、到底、市民の理解を得られません。今なお厳しい状況におかれている中小企業への支援に、回すべきであります。

なかでも、経済局が進めているものづくりの共同開発などに対する助成は、1プロジェクトあたり上限300万円で、予算枠も2850万円にすぎないではありませんか。もっと拡充すべきであります。合わせて答弁願います。

次にお聞きしたいのは、市民が望んでいる身近な公共投資を進めることについてであります。

先ず、市営住宅の建設であります。

申しあげるまでもなく、市民の市営住宅入居への要求は、引き続き、強く大きいものがあります。昨年2月の応募倍率は36.8倍、7月は40.7倍という状況でありまして、とてもじゃないが、まともに入ることはできません。

なかでも、人気の高い北区扇町住宅は、なんと、1096倍。住吉区我孫子南が954倍。天王寺区堂ヶ芝が949倍という有様であります。市民の願いに応えて、なお、市営住宅の建設を進めなくてはなりません。

ところが、住宅局は、建替事業の中で、従前戸数すら確保しないばかりか、用地を意識的に余らせて、民間のマンション業者に売却して行っているのであります。とんでもないことだと言わなくてはなりません。

このようなことは、キッパリと中止して、必要な市営住宅の建設を進めるべきであります。

又、11回落選者への優待措置や家賃減免制度は、これまで通り、継続すべきであります。合わせて答弁を求めます。

次は、地下鉄8号線の延伸問題であります。

言うまでもなく、今里以南、湯里6丁目間の地下鉄導入は、市民の足の利便をはかり、若者も住み続ける活気のある街づくりを進める上で、欠くことのできないものでありまして、周辺住民の長年の悲願でもあります。一刻も早く着工に踏み出すことが肝要であります。

確かに、1300億円と多額の費用を要しますが、その28%を負担する地下鉄事業は、今、毎年、500億円ものキャッシュフローを生み出す優良企業でありまして、充分、これに耐えられることは言うまでもありません。

又、一般会計の負担は、48%ではありますが、その45%が地方交付税として返ってくるのでありまして、実質、26.4%にすぎません。事業の必要性、重要性からしても、又、条例で市民に約束していることからも、これに市民の税金を投入することは、至極当然のことではありませんか。

市長、北港テクノポート線やムダな開発はストップして、まさに、選択と集中で、地下鉄8号線の延伸を進めるべきであります。答弁を求めます。

 

X.汚職や腐敗のない清潔な市政にすることについて

第五は、汚職や腐敗のない、清潔な市政にすることであります。

まず、同和行政についてであります。

芦原病院の経営破綻や小西邦彦解同飛鳥支部長の逮捕などによって、長年の本市同和行政というものが、いかに、解同言いなりで、乱脈きわまりないものであったか、白日の下にいたしました。差別をなくするための条件整備のはずの同和事業、同和行政が、逆差別を生み出し、解同一部幹部の利権あさりの手段となって、逆に、差別解消を遅らせてきたのであります。

まさに、諸悪の根源は、行政の主体性を投げ捨て、解同の無法を許した窓口一本化、すなわち、解同=市同促、今、人権協会との癒着にあることは、既に、明白であります。市長、ただちに、解同=人権協会との悪しき関係を断ち切るべきであります。

人権文化センターや旧同和住宅附帯駐車場などの人権協会への委託は廃止し、278人もの人件費保障はやめるべきであります。

又、長い間ほったらかしにしていた206ヶ所、13haもの未利用地は、ただちに売却等の処理を進めるべきであります。

又、人権文化センター内の解同支部事務所は、いったいいつになったらきれいになるのでありますか。合わせて、明確な答弁を求めます。

さて、芦原病院の破産手続きが進められております。本市の債権、138億円はただの紙切れとなるのでありまして、これに対する関市長はじめ、関係理事者の責任は極めて重いものがあると思います。わずかばかりの減給処分等ですまされるものではありません。

前の市長、現関市長、歴代の環保局長等に、つまり、自らも含めて、応分の負担を求めるべきであります。明確な答弁を求めます。

又、芦原病院の経営者等の責任も当然問われなくてはなりません。特に許しがたいのは、芦原病院の理事全員が個人保証を義務づけられていた同和金融公社の借金、2億5千万円は、全額返済しておりながら、本市からの借入金、130億円は、ただの一円も元利共、支払ってこなかったのであります。これ程、人を馬鹿にした話がありますか。

こういう経営者に対して、別途、40億円ものデタラメな補助金流用について、たったの1100万円の返還を求めただけではありませんか。これでどうして、市民の理解が得られますか。

この、補助金、貸付金、両方の焦げつきに対する相応の負担を、芦原病院経営者等に求めるべきであります。答弁を求めます。

又、小西邦彦解同飛鳥支部長の、言わば、不当利得についても、見過ごすことはできません。例の、業務上横領事件の公判でも明らかになったように、彼は、暴力団より同和問題の方が儲かるとの考えから解同支部長になって、その地位と解同の圧力を背景に、西中島駐車場の実質的な経営を市当局に執拗に要求。1974年開業以来、虚偽の収入報告をくりかえしながら、その実32年間で、なんと、数十億円もの収益をあげていたのであります。そして、その中から、自己の飲食費や高級服飾、宝飾品、高級外車に、自分用の500万円もの棺桶の購入等に費やすと共に、莫大な個人の蓄財に回していたのであります。まさに、同和を食い物にしてきたのでありまして、断じて許すことはできません。

市長、これ、とりかえすべきであります。答弁を求めます。

いずれにいたしましても、手つかずの教員加配はじめ、一切の特別扱いをやめ、同和行政を完全に終結させるべきであります。市長の明確な答弁を求めます。

又、この間、本市職員112名が、市営住宅家賃、保育料、市税、学校給食費等、8078万円を滞納していたことが明らかになりました。極めて、遺憾であると思います。

この職員112名中、104名が2号職員であり、その内最も多いのが、環境事業局清掃等の職員、35名であります。

周知のように、京都や奈良では、同和枠採用職員の中での不祥事が、相次いでおります。本市においても、はたして、採用時、問題はなかったのか。全体の奉仕者としてのモラルの醸成にどう努めてきたのか。

小西事件での職員の逮捕も含めて、まじめにがんばっている大多数の職員が、肩身の狭い思いをしないためにも、市長はじめ所属長が、真摯に問題点や教訓をえぐりだして、みずからキチンとえりをただすことが肝要だと思います。市長の答弁を求めるものであります。

 

Y.市長の平和に対する認識等について

最後に、市長の平和に対する認識等について、お聞きしたいと思います。

昨年4月に、アメリカのイージス駆逐艦、カーチスウィルバーが大阪港に入って以来、1年もたたないうちに、又、ミサイル駆逐艦、ステッテムがこの3月1日に、まことにずうずうしくも、入港しようとしております。

大阪港は、平和な貿易港であって、軍港ではありません。しかも、米艦船は、ブッシュの言う、覚悟した敵とのロングウオーのさ中にある、言わば、すべからく、臨戦体制にあるのでありまして、核を積んでいないという保障はありません。94年、全会一致採択された、大阪港の平和利用に関する決議に照らしても、キッパリと断るべきであります。答弁を求めます。

又、この際、神戸の非核方式を見習うべきだと思います。75年の決議で、非核証明書の提出を求めるようになって以来、それまでの13年間で、112回も入港していた米艦船が、以後、31年間、ただの一度も入っておりません。大阪港でも、入港する米艦船に、非核証明書の提出を、是非とも求めるべきであります。答弁願います。

いずれにしても、戦後61年間、まがりなりにも、日本が本格的な戦争にまきこまれることもなく、又、他国の国民に対して、銃を向けることもせずに来られたのは、日本国憲法第9条があったればこそであります。

アメリカ、オハイオ大学のオーバービー博士は、9条は世界の平和を願う人々の希望の星だと言いました。まさに、日本国民にとって宝であり、世界の人々にとって希望の星、それが、日本国憲法第9条だと思います。

今後とも、しっかりと守って行くことが肝要であります。

あの、大阪大空襲によって、街が焼かれ、港が壊滅的な打撃をこうむった、その痛苦の教訓の上に立って、憲法9条を前提とした、非核平和都市宣言を行うべきだと思います。関市長の見解をお伺いするものであります。

以上、質問といたしますが、答弁のいかんによっては、再質問することを申し添えておきます。