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市議団の実績

「職員『厚遇』問題の『責任の所在』の明確化を求める決議」

に賛成する討論

本会議で瀬戸一正市会議員

瀬戸一正市会議員

2005年3月29日

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま提案されました、議員提出議案第11号「市政の信頼回復に関する決議」に反対し、議員提出議案第12号「職員『厚遇』問題の『責任の所在』の明確化を求める決議」に賛成する討論を行います。

 昨年来明らかにされてきた、いわゆる「カラ超過勤務」や「ヤミ年金」など、一連の職員厚遇は、市民の大きな怒りを買い、市政への信頼を大きく傷つけました。市民の怒りは、常識からおよそ掛け離れた厚遇に対してだけでなく、それを市民や議会に隠して支給してきた市政そのものにも向けられているのであり、今市政に求められているのは、厚遇を是正することはもとより、厚遇を作り出した責任とその全容を解明し、市政を市民の目線で改革することであります。

 関市長は、市政運営方針においてこれらの一連の職員厚遇については「日々の業務内容を、その時、その時の状況に照らし合わせて見直しをするという当然なされるべきことを長年にわたり怠ってきた結果です」として、「市の最高責任者として深くお詫び申し上げますと同時に、現在及び過去の幹部職員にも猛省を促します」としています。3月25日の財政総務委員会では「理事者、我々にとりまして、由々しき、大きな過ちであった」とも表現しました。

 しかしこれでは「責任の所在」を明らかにしたことにはなりません。肝心の、職員厚遇は市政のどの時期に、どの幹部が、どうかかわって作られたのか、一向に明らかにされていないのであります。

 職員厚遇を真に正すためには、第一に、それが労使交渉の産物であり、それはいつの時期に誰が作ったのか、その責任は誰にあるのか、を明確にしなければなりません。

 私は財政総務委員会において、82年から始った「職員一律の五時間超勤」が労使交渉で一時金のプラスアルファ分を超過勤務手当に転換したものであることを、具体的に示す労働組合関係の文書を突き付けて、労使交渉の産物であることを認めるように求めましたが、理事者は「今からそれを検証するすべがなかろうかと思う」と答弁しました。

 また、93年度からヤミ支給された年金制度は、89年に職員互助組合条例の特別退職金制度を議会が廃止したものを、労使でつくった福利厚生検討委員会で再構築しヤミで支給していたものであります。ところが、これを質したのに対しても、理事者は、福利厚生検討委員会は「双方で福利厚生全般にわたって検討を行おうという趣旨で設立された」と答えるだけで、労使で合意しヤミで支給してきたことについての自らの責任については一言も触れなかったのであります。さらに、今回補正予算で「互助組合連合会」等に返却を求めた141億円のうちの、まるまる公金だとされた「交付金増額執行分」122億円についても、労使交渉で86年から、一時金プラスアルファ分の組合員一人3万6千円を毎年18億円、条例に基づかずに交付金として支給し、互助組合等がこれを6年間にわたって積立ていたものであります。ところが、これについても「委員ご指摘のようなこともあったのかと思います」とのいい加減な答弁に終始したのであります。要するに、市長ら理事者は一つひとつの職員厚遇が労使交渉の産物であったことについては明確には認めずに、単に、「過去の幹部職員に猛省を促す」としているだけであります。

 職員厚遇を真に正すためには、第二に、勤務条件条例主義を定めた地方公務員法を踏みにじったのが、具体に誰であるのか、その責任も明らかにされなければなりません。

 労働組合がどんな要求をかかげようとこれを受入れるか否かは理事者・管理者トップの判断と責任であり、ましてや、これらの勤務条件を地方公務員法に則って議会に諮り条例にする責任を負っているのは市政管理者であります。そして、これらの職員厚遇の一つひとつに公金を支出する決済をしたのも、市政管理者トップであります。これらが誰であったのかについては、一向に明らかにされていないではありませんか。

 申すまでもありませんが、労使交渉で職員厚遇を認めたのも、地方公務員法を踏みにじったのも、82年当時であれば大島靖市長であり、90年当時は西尾正也市長であり、98年の「五時間一律超勤」裁判和解誓約は磯村隆文市長であります。関市長もこれらを引き継いで来ているのであります。これら歴代の市長が、職員厚遇の諸制度を作りだし、これを市民に隠し続けて来たことに深くかかわってきたことは明らかであります。これらは、過去のこととしてヤミに葬るべき問題ではありません。これらの「責任の所在」を明らかにすることなしには、「現在および過去の職員に猛省を促す」と言っても、それは空文句にすぎないと言わなければなりません。「責任の所在」を具体的に、明確に明らかにすることこそ、二度とこうした職員厚遇を作り出さない第一歩となるのであります。

我が党が提案している決議案は、以上の理由で、関市長に対して、自らの責任はもとより、関係幹部職員の「責任の所在」を明確にされるよう、強く求めているのであります。

これに対して、与党のみなさんが提出された「市政の信頼回復に関する決議」案は、これらの「責任の所在」については何もふれていませんし、市長に対して「責任の所在」を明らかにすることも何ら求めていません。これは、歴代市政トップの責任を事実上、不問にするものと言わなければなりません。なぜそうなるのかと言えば、与党の諸君も、職員厚遇を作り出してきた歴代市長を、市労連とともに市長選挙で応援し、その市長の市政を支えてきたからであります。与党提案の決議案は言外に、一連の職員厚遇が、我が日本共産党を除くオール与党市政の産物であることを告白しているのであります。こんな決議案では到底、市政の信頼回復はできないと言わなければなりません。

なお、関市長は「責任の一端を明らかにする」として「市長助役など特別職の給与10%減給」を提案されましたが、市民からは「10%減額では軽すぎる」という声が寄せられています。市長の条例上の年収は2946万円でありますから、今回の影響額は266万円で、財政危機による10%分と合わせて減給されてもなお市長の受取る給与は年額2395万円になるのであります。軽いと見られても仕方がないと言うことを申し上げておきます。

以上、議員提出議案第11号に反対し、議員提出議案第12号に賛成する討論といたします 

 

<日本共産党大阪市会議員団の提案>

職員「厚遇」問題の「責任の所在」の明確化を求める決議(案)

 昨年来明らかにされてきた「カラ超過勤務」や「ヤミ年金」など、一連の職員「厚遇」に対する市民の批判は、まことに強いものがある。それは、市民常識からはおよそ掛け離れた「厚遇」にあるだけでなく、それを市民や議会に隠して支出していたことにこそ向けられている。

 この、一連の職員「厚遇」が、市労連・労組と市当局との労使交渉のなれ合いの産物であることはすでに明らかであり、地方公務員法に言う勤務条件条例主義を踏みにじって公金を支出してきた市管理者トップの責任は重大と言わねばならない。

 こういう中で、今、緊急に求められていることは、行き過ぎた職員「厚遇」を改革し、二度と繰り返さないための「再発防止策」を講ずると同時に、この問題に対する責任の所在を明確にすることである。そうして、一刻も早く市民の信頼の回復をはかることである。

 よって、關市長におかれては、みずからの責任はもとより、関係幹部職員の責任の所在を明確にされるよう強く求めるものである。

以上、決議する。