title


市議団の実績

市長の給与カットは当然
責任のとり方は、巨大開発市政の転換

本会議で姫野市議が主張

姫野浄市会議員  2004年3月1日

 大阪市議会本会議が1日開かれ、日本共産党の姫野浄市議は、関淳一市長が第三セクター三社の特定調停を受け入れて市政と市民に多大な損失を与えたことを理由に、給料の2分の1カット3カ月を行う条例堤案に対して日本共産党大阪市議団の態度を明らかにし、「市長が自ら、減給処分を課すのは当然」だとして、条例提案に反対しないことを表明しました。
 姫野市議は、条例提案について「形だけの処分では同じことが繰り返されるだけ」「市長はじめトップが責任をとったなどとはとても認められない」などの市民からの声を紹介。討論の中で、@特定調停受け入れ自体が大間違いで、地方自治体の長のとるべき責任のとり方ではない、A関市長らは大阪市の将来に関わる重大な問題にもかかわらず、市民と議会に対し重要な情報を隠し、説明責任を果たしてこなかった、などと責任のがれに終始する姿勢を批判しました。
 最後に、姫野市議は、「三セク破たんの責任の真のとり方は、大阪市が長年、巨大開発を市政の中心に据えてきた、この姿勢を根本から転換すること」だと指摘。住民の福祉を増進させるという地方自治体本来の役割に立ち戻ることを求めました。

 

(討論全文)

 私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただ今、上程された議案第18号特別職の職員の給与に関する条例の特例に関する条例案に対する、私達の態度を明らかにする討論を行います。

 この条例案は、大阪市が2月12日、ATC、WTC、MDC各社についての特定調停を受け入れ、市政と市民に多大な損失を与えることになったので、市長が責任を感じ、自らに痛みを与えるためにとして、給料の2分の1カット3ケ月を特別措置として行うとするものであります。この措置と共に、3助役にも給料の5分の1カット1ケ月、また関係4局長には給料の10分の1カット1ケ月を併せて実施すると表明しております。

 このように大阪市政に責任のあるものが、給料の一部カットを行うという措置について、寄せられている市民の皆さんの声は実に厳しいものがあります。

 「また不祥事に蓋をするときの大阪市のやり方がでた」とか「形だけの処分では同じことか繰り返されるだけ」とか「市長はじめトップが責任をとった等とはとても認められない」等々、批判と怒りの声があがっています。至極当然のことであります。

 関市長をふくむ大阪市の最高幹部の行為が、市政や市民に巨額の負担を押付けることになったわけですから、市長がみずからに減給処分を課すのは当然であります。その一点で私達は今回の条例提案にはあえて反対はしません。しかし、市長などの責任は、給料カットなどで済むようなものでは到底ありません。

 三セク3社の経営を破綻させたことに対して現市長をはじめ市政のトップにたつ者は、その責任をどう取るべきだったのか、この際はっきり意見を表明しておきます。

  第一は、今回の特定調停を受入れること自体が、市長の本当の責任のとり方ではないということです。

 これは1月31日わが党下田議員、瀬戸議員が本会議場で詳しく討論で述べたように、特定調停によって金融機関側は損失を受けるどころか大きな利益を得ること、反対に大阪市は今後30年から40年の長期にわたり巨額の負担をさせられ、更に損失補償を義務付けられるという全く一方的で不利なものであることが明らかになったのであり、公共性の薄いビル管理業に大阪市は今後もどっぷりつかってゆくことになるのであります。

 特定調停受け入れの選択自体が大間違いであったのであり、地方自治体の長のとるべき責任のとり方ではなかったのであります。関市長にはこの点の自覚がまったくみられません。

  第二に、関市長らはこのような大阪市の将来に関わる重大な問題にも拘らず、市民と議会に対し重要な情報を隠し、説明責任を果たしてこなかったという点についてであります。

 大阪市は、特定調停の中で地裁の調停委員会が監査法人に作成させた、三セク3社の再建計画についての鑑定書を、市民にも議会にも開示せず、ついに市民から裁判所に非公開決定の取消し訴訟を起こされ、去る2月26日に地裁は、大阪市が鑑定書などを調停法の定めによって公開が禁止されているから公開できないとした処分は、違法だとの判決を下しました。大阪市が公開できないとしてきた説明にはまったく根拠がなかったのであります。

 鑑定書は言うまでもなく、市民や議会が会社再建計画や調停案の当否について判断するためにその開示が必要不可欠なものであります。ましてこの鑑定書は、3セク3社が2次破綻する可能性や追加的金融支援の必要性などについて触れているといわれており、非常に重要な内容が含まれている可能性があります。こうした鑑定書を関市長はじめ理事者は、非公開処分は違法だとの判決が出たにもかかわらず、今日にいたるも、まだ判決を吟味しているなどと称して、かたくなに鑑定書の公開を拒否し続けているのであります。

 大阪市はこれまで、三セクビルを建設する時も過大な施設計画だと批判されながら需要見通しなども公表しませんでした。また、無謀な公金貸付だと批判された時も必要な会社経営情報について公表しませんでした。今度も、自分たちに都合の悪いことはすべて隠し通すという同じ誤りを繰り返そうとしているのであり、私は絶対に許せません。市長らが責任を取るというなら、調停委員会に提出された鑑定書等は直ちに議会と市民の前に公開することこそ、本当の責任の取り方であります。

 また、この3セク3社に関わる歴代局長が、過去13年間にわたり金融機関に対して、100数10枚の債務保証に等しい念書を提出していたのでありますが、これが表面化すると市長をはじめ各局長は「この文書は単なる要請文書であり、債務保証ではないから問題ない」と開き直っている始末です。これらの文書は度重ねて、3社への融資について金融機関にはご迷惑をかけないと、大阪市が公に約束したもので、こうした念書が積み重なることが、今回の特定調停で大きな負担を大阪市がかぶることにつながったことは明白であります。市民の目線から見れば、大阪市が金融機関に債務保証を約束していたとしか思われない、こうした念書問題でも、関市長や関係局長は一切、市民や議会にお詫びもしようとしない、ここにも、三セク経営破綻や特定調停による市民への負担押し付けについて、責任のがれに終始しようとする態度が表れているのであります。これでは給料カットも責任を感じてのものではなく、責任のがれの一つだと言われても仕方ないのであります。

 最後に関市長に対して申し上げたい。3セクの破綻の責任の真のとり方は、大阪市が長年、巨大開発を市政の中心に据えてきた、この姿勢を根本から転換することであります。そして、住民の福祉を増進させるという地方自治体の役割に立ち戻り、市民の皆さんの切実な願いを尊重していくことであります。

 以上を以って私の討論を終わります。