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市議団の実績

2002年度大阪市予算編成  と当面の施策に関する要望書
 

                           2001年12月12日
大阪市長 磯村隆文 殿
                         日本共産党大阪市会議員団
                               団長 姫野浄

2002年度大阪市予算編成  と当面の施策に関する要望書

 今、日本の経済は、引き続き、極めて深刻な事態に直面している。
 先頃発表された10月の完全失業率は、5.4%と前回比0.1ポイント更に悪化して、又もや戦後最悪を更新した。又、企業の倒産も、実に17年5ヶ月ぶりに1900件を超え、負債総額も10月としては戦後3番目の高水準となっている。
 最近、日銀が国民の生活実態についての調査を行っているが、なんと、72%もの人が、1年前と比べ生活が悪くなっていると答えている。経済の6割を占める家計消費が、一層、その低迷の度を深めていることを裏づけるものでもある。政府自身、11月の月例経済報告では、「景気は一段と悪化している」と表現せざるをえなかったのである。
 まさに、「構造改革」ゴリ押しの小泉内閣の失政極まれりと言わなくてはならない。
こういう状況の下で、今こそ、真に国民・中小企業の立場に立った「改革」が求められている。
 すなわち、大企業のリストラや無秩序な生産拠点の海外移転などを規制するルールをつくると共に、国連からも指摘され、先進国では例のない程の長時間過密労働をキッパリと是正し、労働時間の大幅な短縮に努めつつ、社会保障の拡充などで、国民の中にある将来の不安、老後の不安を解消し、下から経済の拡大をはかることである。
 ところが、小泉内閣は、構造改革をやれば、失業がふえるのは当たり前などと国民の苦しみなど、どこ吹く風で、こともあろうに、大企業のリストラを一層あおりながら、中小企業を倒産に追い込む「不良債権の最終処理」を強行し、更には、医療の大改悪を策すなど、国民に一層のいたみを押しつけようとしているのである。
 これでは、経済は、ますます悪くなるばかりで、がまんの先の明るさなど見えようがない。事実、竹中経済財政大臣をして、「シナリオが狂った」ことから、経済がよくなるには、2、3年どころか10年の忍耐が必要などと言わしめている程である。
 今、こうした事態の中で、しかも、全国でも最も深刻な経済状態にある大阪にあって、地方自治体としての大阪市の果たすべき役割は、ますます大きくならざるをえない。
 国に対しては、国民本位の政策への転換を強く求めると共に、みずからは、オリンピック招致失敗の教訓の上にたって、夢洲などの巨大開発をキッパリと見直し、不公正乱脈な同和事業は終結させ、一切の同和優先を排しつつ、市民のくらし、福祉、中小企業を守ることこそ、優先にすることである。
 以下、このような立場から、6つの柱で、2002年度予算編成、ならびに、当面の施策について、その実現をはかられるよう要望するものである。


 1、市民の健康・福祉・社会保障を最優先する

1)安心できる大阪市介護保険へ、制度の抜本的改善を国に要求するとともに、自らの公的責任を果たす。
@ 介護保険料を、所得階層の第1、2段階の人は無料とし、3〜5段階の人は基本額の4分の1を減額する。また、第2号被保険者についても、国保加入者の介護保険料減免を拡充する。
A 当面、すべての居宅サービスを、新規も含めて3%に軽減するよう国に要求すると同時に、市独自の利用料減免制度を設ける。
B 特別養護老人ホーム待機者を早急に解消する建設計画を立て、実施する。そのために、市遊休地の活用を図る。また、選考内容の公表など、法人等選考委員会の運営を民主的なものに改善する。
C 大阪市として、質の高い介護サービスを市民全体に保障する公的責任を果たすために、市社会福祉協議会による訪問介護サービスやデイサービスを復活し、充実する。とりわけ、措置でおこなう訪問介護サービスなどは、市社協ヘルパーを派遣する。
D 税制面での優遇策や補助金など、介護保険で重要な役割を果たしている非営利の法人等への支援策を実施する。
E 第三者機関を、認定等に対する苦情処理も対応できるオンブズパーソンへ充実させる。
F 施設での日常用品リース代など、自己負担の実情を調査し、施設に対して適切な指導を行う。

2)高齢者保健福祉計画の見直しをすすめるとともに、すべての高齢者を対象とする市独自の福祉施策をいっそう充実させる。
@ ふれあいデイサービス事業、ふれあい家事サービス事業は、全高齢者に対象を広げ、低所得者に対する料金減免制度をつくる。
A 「介護予防、生活支援事業」の中で未実施の外出支援サービスや訪問理美容サービス等は早急に実施するとともに、低所得者に対する料金減免制度をつくる。
B 「高齢者住宅改修費助成事業」については、すべての高齢者を対象にして、所得制限をなくし、支援限度額と支給額を引き上げるとともに、対象工事を拡大する。また、手続きを簡略にする。
C 月5万円の在宅老人介護手当てを実施する。
D 老人医療費助成制度の復活を大阪府に求めるとともに、市独自の助成を行う。
E 高齢者への家賃補助制度を新設する。
F 「ペンダント式緊急通報システム」の協力者は行政の責任で配置するとともに、昼間、事実上「独居老人」となる高齢者も対象とする。
G 在宅介護支援センター事業の委託を医療法人や医療生協にも拡大する。
H 保険で良い入れ歯の治療を受けられるように、診療報酬の改善を国にもとめる。
I 大阪府で実施している「街角デイサービス事業」を大阪市でも実施するとともに、「民間デイサービス事業」を拡充する。「宅老所」など、市民の自主的な取り組みに対する支援を強める。
J 地下鉄・市バスの敬老優待パスの交付年齢を「65歳から」に改善する。

3)乳幼児の医療費無料の制度化をひきつづき強く国に求めるとともに、大阪市の
制度は所得制限はつけず、通院の場合も当面就学前児童まで対象とするよう改める。

4)国民健康保険制度の改善をはかる。
@ 国保料金の値上げをやめ値下げを行う。
A 短期保険証や資格証明書の発行をやめ、医療を受ける権利をすべての被保険者に保障する。
B 社会保険から国保に変更した場合の保険料請求を過去2年間、遡及する措置をやめる。
C 国保財政の悪化の原因となっている国庫補助率切り下げ措置をやめ、45%の補助率に戻すことや、収納率によるペナルティーをやめることを国に要求する。また、本人8割給付への復元、傷病手当、出産手当の新設も国に求める。

5)医療保険改悪の中止を国に求める。

6)「基礎年金への国庫負担2分の1への引き上げ」などで、老後の安心できる年金制度への改善を政府に求める。
 
7)保育所・学童保育の充実で、子どもたちのすこやかな成長と父母が働きつづけられる条件整備を進める。
@ 保育所を充実させる。
(1) 東田保育所をはじめ、公立保育所の廃止は中止し、新設・増設を行う。
(2) 当面、少子化対策臨時交付金を活用して、市立保育所の低年齢児枠の拡大に取り組み、待機児の解消をはかる。保育士配置基準の改悪は行わない。
(3) 産休明け保育、年度途中入所などを公立でも実施するとともに、共同保育所への補助額については、大幅に引き上げる。また、「家庭保育」「ベビーセンター」の費用徴収金にも「保育所の保育料減額制度」なみの減額制度を設ける。
(4) 保育料値上げをやめ、父母負担の軽減をはかる。保育料の減免については利用しやすいものに改善する。
(5) 給食・おやつの改善や保育時間の延長、老朽化や劣悪な施設は改修、建替えなど、保育内容と施設の改善をはかる。また、民間保育所への助成を拡大する。
(6) すべての保育所に、予備保育士2名、栄養士、看護婦を配置し、子どもの安静室をつくる。
(7) 乳幼児健康支援デイサービス事業の事業者を増やすとともに、補助金のあり方を実態に見合ったものに改め、大幅に増額する。

A 学童保育を充実させる。
(1) 大阪市の責任で児童福祉法にもとづく公設公営学童保育を実施する。
(2) 空き教室の活用や補助金の増額など、現行の共同学童保育への親身な援助を行う。とりわけ、児童に危険が及んでいる「第5めだか学童」と公団から立ち退きを迫られている南港ポートタウンの3学童については、緊急に空き教室を貸与する。
(3) 学童保育指導員の身分・労働条件の保証を市の責任で行う。
 
8)生活保護行政は憲法と生活保護法の精神に基づいて行う。
@ 失業者が増大している中、求職困難を理由とする生活保護申請に対し、窮状と実態をふまえ、法の精神に基づいた保護行政を行う。また、ケースワーカーの増員をはかる。
A 厚生省1950年通知の「保護漏れのないよう特別の配慮」の精神に立ち、職権保護なども行って、痛ましい餓死事件などが厳に起こらないようにする。保護件数減らしのための水際作戦や、申請用紙の交付拒否はやめる。窓口に生存権保障を明記した、分かりやすい生活保護制度の案内パンフレットを置く。
B 被保護者への不当な就労強制など、人権侵害まがいの生活保護切り捨てをしない。
C 生活保護費の内容がわかるように、明細書を支給ごとに出す。議会で意見書として採択された「医療券を医療証に改める」ことを国に強く要望するとともに、国が実施するまでの間、独自に医療証などの発行を具体化する。
D 夏季・冬季一時金は増額する。

9)野宿者対策を強化する。
@ 病弱・高齢などで就労できない人には、生活保護を適用し、医療・居住の保障を行う。入院により生活保護を適用した人に対しては、退院後、居宅保護を希望する人には敷金を出し、自立に向けた援助をする。
A 簡易宿泊所の福祉アパート化を支援するとともに、簡易宿泊所での居宅保護を認める。
B 自立支援センターを増設する。
C 清掃事業の大幅な拡大など、府・市が協力して特別就労計画をつくる。国にたいして特別立法の制定と実行性のある特別就労対策事業などの実施を求める。
D 年末年始に実施している臨時宿泊対策は規模を大幅に拡大し、実施期間を早めるとともに、期間を延長する。
E 府市共同で建設業協会に対し、建設業退職金共済制度への加入、手帳の交付、退職金の手続きなどを行うよう徹底した指導を行う。また、府市の公共事業における同制度の徹底をはかり、日雇い労働者の一定率の雇用を元請に指導する。

10)障害者や家族の生活と社会参加を保障する。  
@ 障害者共同作業所への運営助成金は、大幅に増額し、家賃に対する補助制度の新設を行う。また、市有地の提供など場所確保の援助を行う。
A 障害者施設利用者の本人負担、父母負担金を軽減するため国に働きかけるとともに、大阪市も独自に基準を設け、大幅に引き下げる。
B 重度・重複障害者のための通所更生施設、授産施設、福祉工場、「共同ホ−ム」、通勤寮を新増設する。
C 肢体不自由児の療育施設などの措置児の障害が重度、重複化してきている現状にかんがみ重度加算金・重症児指導費等の補助を行う。また、障害児の通所施設にも重度加算を適用するとともに、通所保障を行う。
D 公共施設を障害者が利用しやすいように設備を改善する。区民センターや市立の会館、地下鉄駅舎に聴覚障害者等が連絡用に利用出来るファックスを設置する。プールに障害者の更衣室を設ける。
E 視覚障害者家族に届く郵便物等の代読サービスを行う「文字情報センター」(仮称)を設置する。視覚障害者宛に発行する市の通知等については、点字で行うものを増やす。選挙公報も点字で発行する。
F 障害者医療費公費負担の範囲を拡大する。とりわけ他都市でも実施している内部障害3級は公費負担に直ちに加える。
G 社会保険家族である精神障害者の自己負担分の公費負担を国に求めるとともに、これが復活するまでの間は大阪市が公費負担をする。
H 「手話通訳者」「ろうあ者生活相談員」の正規職員を各区役所や市民病院・市大病院に最低1名配置する。
I 二次障害者の相談窓口を新設するとともに、二次障害の背景になっている労働、住環境の問題や医療、福祉、予防など総合的に対処できるよう全市的な協力体制をつくる。
J 成人障害者のための生活施設を建設し待機者を解消する。障害児生活施設での年齢超過者の作業・指導・訓練を保障し、処遇向上のための特別の対策を行う。

11)社会福祉施設利用者・児の豊かな処遇を保障し、職員の健康と労働条件を守る。
@ 民間社会福祉職員の適正な給与や労働条件を保障するため、国に改善を求めるとともに、本市公私間格差是正制度の拡充をはかる。
A 保育所をはじめ民間社会福祉施設の職員の配置基準については、大阪市基準と同一とし、必要な助成を行う。
B 障害者の生活施設2対1、障害児通所施設4対1の職員配置を実現する。

12)市民病院を充実させる。
@ すべての市民病院での夜間・休日の救急患者の受け入れを行うなど、その公的役割を充分発揮する。 
A 市民病院の医師・看護婦を増員するとともに、患者の待ち時間短縮等の患者対応の改善を行う
B 大阪市が病院建設を約束し、住民から強い要望が出されている南港ポートタウンに市民病院を建設する。
C 病院内の衛生を重視し、院内感染防止対策の強化をはかる。

13)保健所及び保健センター機能を充実させる。
@ 市内のHACCP(総合衛生管理製造過程)認定施設への立ち入り検査を強化するなど、市民のいのち、健康を守ることに全力をあげる。
A 保健所や保健センター機能強化のため、保健婦・精神保健相談員・高齢者相談員・検査技師・環境衛生監視員・食品衛生監視員等を増員する。また、食品衛生監視員と環境衛生監視員の兼任はやめる。
B 保健所とすべての保健センターに歯科衛生士を配置するなど、乳幼児から高齢者まで一貫した口腔保健対策を確立する。
C O―157などの食中毒対策を強化し、学校・保育所・社会福祉施設・病院・ホテル・職場給食等での衛生管理を徹底する。

14)「不健康都市」の汚名を返上するために、市民検診を抜本的に拡充・強化する。
@ 基本健康診査の対象年齢を大幅に引き下げ、検査項目を大きく拡充する。
A 大阪市が実施しているすべての市民健診の受診者負担を無料にする。
B 新たなガン検診として、55才以上の男性を対象としたPSA(前立腺特異抗体)による前立腺ガン健診を実施する。
C 健康診査の対象者への個別案内通知や中小零細企業・個人商店などの事業主・従業員への配慮など、市民健診の受診率を抜本的に高めるための手だてを講じる。

15)結核の罹患率が全国平均の3倍となっている現状をふまえ、大阪市として「結核緊急事態宣言」を出し、急いで対策を進める。 
@ 保健・医療機関で実施している全ての「健診」の際に、結核健診を行うようにする。
A 自営業者、中小企業の従業員などの受診率を引き上げるために、個別指導、出張健診、民間医療機関での実施に奨励助成金の給付など特別の施策を進める。また、不安定就労者や住所不安定に対しても検診を実施する。DOTS(服薬を直接確認する結核短期療法)の予算を大幅に増やす。 
B 結核医療施設などの拡充、保健所・保健センターの体制、機能の強化、拡充をはかる。

16)ウイルス性肝炎の予防の確立を国に求めるとともに、市が実施するB型・C型肝炎ウイルス検診については40歳以上の成人は全員を対象にする。
@ B型肝炎ウイルスの母子間感染防御を完壁に実施する。父子間感染防御についても希望者には公費負担で子どもにワクチンを投与する。
A B型肝炎ウイルスに感染する危険性のあるすべての医療従事者には希望者全員にワクチンを無料で投与する。

17)食品安全へ抜本的なとりくみの強化をはかる。
@ 国に対し、遺伝子組替え食品の表示の義務づけと輸入食品の検査体制の強化を要求する。また、食品添加物の指定を拡大せず、縮小するよう要求する。 
A すべての加工品に原料、使用添加物、栄養成分を表示させる。

18)エイズ対策について、大阪市独自の取り組みを進める。
@ 検査体制の拡充や公立病院での治療体制の確立に取り組む。 
A 研究体制の確立や専門医の育成・教育・啓蒙などに努める。

19)難病治療での患者の一部負担をなくし、全国的な公費負担制度を復活させるとともに、難病患者が安心して療養できるよう支援施策の充実を国に求める。また、市独自でも施策を強める。
@ 小児糖尿病患者に対する大阪市の医療費公費負担の年齢制限は22才まで引き上げるとともに、国に難病指定を行うよう求める。
A 難病患者の通院交通費の補助制度をつくる。
B 在宅療養に必要な「呼吸器」の無料貸出制度をつくり、機器稼働電気代を公費で助成する。
C 難病患者たちの啓発・交流活動のために、難病患者たちが取り組む「難病センタ−」の建設事業に助成を行う。
D 重度・重複障害児等で、タクシー通学の必要のある児童については、市が補助してタクシー通学を保証する。
E 難病患者の市職員採用の窓口を広げる。
F 高齢者で介護を要する人工透析患者へのタクシーチケットは、週6枚支給する。

20)アレルギ−予防教室や相談窓口の充実などアトピ−性皮膚炎等のアレルギ−児への対策を抜本的に強化する。
@ 市として独自にアトピ−性皮膚炎等のアレルギ−実態調査を行う。
A 正しい情報の伝達や指導、患者と家族の交流をはかるため相談窓口をつくる。
B 高くつく医療費・検査費への公的助成制度の新設・拡充や除去食の給食を行っている保育所などへの特別の補助を行う。

21)弘済院の建替えにあたり、機能の拡充をはかる。
@ 「児童ホーム」は廃止せず、様々な児童のニ−ズに対応できるようにする。また、子どもの権利条約に基づきプライバシ−が守られ、尊重されるだけのスペ−スに改造する。また職員も専門職を配置し、実践の経験が生かされるようにする。
A 養護老人ホームの定員は減らさず、個室をふくめたものに建て替えをする。また、エレベ−タ−設置など改善をはかる。
B 第1特別養護老人ホームの建て替えでは、今の6人部屋を解消し、個室を含めたものにし、ワンフロア−の規模は40人程度のものにする。
C 病院の建て替えは、医療・看護の充実を図るとともに、安全とプライバシ−を守るものにし、1詰所は40床以下にする。

22)母子家庭への施策は「母子及び寡婦福祉法・第2条」の基本理念に基づき施策の拡充をはかる。
@ 児童扶養手当は所得基準の引き上げを国に求める。
A 大阪市立のスポーツ施設や文化施設が利用しやすいように、母子割引制度をもうける。
B 民間賃貸住宅に居住する母子家庭のための家賃補助制度をつくる。
C 「自立促進講習事業」に手当を支給する制度を設け、母子家庭の雇用の拡大・安定に努める。
D 各種の母子貸付け資金の利率は全て無利息にし、利用の促進をはかる。

23)女性の地位向上にむけて積極的施策を展開する。
@ 男女共同参画社会づくりのための条例制定にあたっては、関係者や広範な市民の声を十分に反映し、真に実効あるものする。
A ドメスティック・バイオレンス(DV)根絶のために、啓蒙・啓発を実施するとともに、シェルターの設置、民間シェルターへの助成をおこなう。DV被害者であることを要件とした市営住宅への優先入居基準をもうける。
B 「セクシャルハラスメント」など、人権侵害のない環境づくりを進める。
C 各区に女性のための相談窓口を作り、専任の相談員を配置する。また、各区に女性の声を生かして、気軽で便利に、低料金で使える会議室などを備えた女性センターの建設を進める。男女共同参画センターの使用料は引き下げる。
D すべての公共施設に保育室やベビーベッド、ベビーチエアーのある化粧室などを引き続き整備し、子連れでも利用しやすいようにする。
E 商都大阪を支える業者婦人と女性経営者の実態調査を行い、支援を強化する。業者婦人の人権を尊重し、自家労賃を認めるよう国に働きかける。


 2、深刻な不況のもと、雇用の安定をはかり、中小企業の経営を守る

1)消費税増税を許さないために、他の地方自治体にも呼びかけ、共同して国に対し働きかけを行う。

2)大阪市の公共料金の値上げは一切行わない。

3)「雇用対策本部」を設置し、強力に雇用対策を推進する。
@ 「新行財政改革」の名による職員2000人削減計画は撤回する。
A 「大企業の身勝手なリストラの規制」、「労働時間の短縮」、「労働者解雇規制法の制定」などを求める。
B リストラアセスメント条例を制定し、大企業のリストラによる人減らしや、生産縮小、海外移転を計画段階から大阪市に報告させ、労働者や地域経済への影響を事前にチェックし、産業空洞化を防ぎ、雇用と地域経済を守る立場から、計画の変更、中止を勧告できるようにする。また、関経連、関西経済同友会、在阪大手企業などへ身勝手なリストラを中止するよう申し入れる。
C 公的ホームヘルパーの増員、30人学級実現のための教員増員、消防士の増員など、市独自の雇用創出策を進める。
D 学卒者や若い就職希望者が就職できるよう求人対策を強め、企業への働きかけを行う。特に市内の高校卒業生の就職活動を支援する。女子学生、女子生徒への就職差別を改めるよう企業に働きかける。

4) 市の制度融資での「貸し渋り」をなくす等、中小企業の資金需要に応える。
@ 高利負担に苦しむ中小企業を救済することのできる「低利借り換え可能な保証制度」や、市独自の無利子融資制度をつくる。制度融資は公的融資にふさわしく、不況で苦しむ中小企業、業者を救済するという立場で審査し、信用保証協会が貸し渋りをするという事態のないよう運用する。
A 無担保無保証人融資の限度額を1500万円まで引き上げ、市民税の所得割課税要件を撤廃する。また、貸付期間の延長をはかる。
B 銀行の貸し渋りは、公的資金投入後も依然として改善されないばかりか、資金回収に走る例すら生まれている。市として、市内金融機関に対し、貸し渋りなどの中小企業、業者いじめをやめるよう強く申し入れる。特別融資制度については、廃止せず再延長するよう国に申し入れる。


5) 中小企業対策を抜本的に強化する。
@ 国に、「すべての中小企業を対象」とした中小企業対策予算の抜本的拡充を求める。
A 大阪市の26万余事業所の99%をしめる中小企業を本格的に支援し、中小企業支援策を大阪市の産業振興・町づくりの中心に位置付けるために、「大阪市中小企業振興条例」を制定する。
(1) 中小零細業者の現状と要求を把握するために、全事業所の実態調査を行って、仕事の引き合いにも活用するようデーターベース化する。
(2) 中小企業振興の専門家となる行政職員のマンパワーを強化し、各区に中小企業指導センターの支所(出張所)を設置して、下請取引相談、金融相談、技術相談、受発注などの情報提供を行う。
(3) 現行の小規模事業者共済制度に国庫負担を導入し、「休業補償制度」を創設するよう国に求める。
B 中小企業への発注比率を60%以上に拡大する。住宅建設と補修、学校や保育所の建て替え、文化施設、老人・児童福祉施設など、生活福祉型公共施設の建設を優先して進めると共に、大型公共事業の場合も可能な限り、分離分割発注や地元優先発注を強力に推進する。

6)中小製造業への支援を強化する。             
@ 大阪の中小企業の特性を生かした商品開発を支援し、「大阪ブランド」をつくる。A 産業創造館などでの中小企業の受発注機会拡大事業の拡充・改善につとめる。
B 市内の中小製造業者がテクノフェアなどへ出展する際に特別助成をするなど、市場拡大の取り組みを行う。
C 技術開発のための支援制度や助成制度の拡充をはかる。
D 低廉な市営工業団地や貸し工場を建設する。会議室や共同作業所なども備えたものにする。

7) 無秩序な「大型店」出店を規制するとともに、商店街・中小商業への支援を抜本的に強化する。               
@ 廃止された大店舗法の復活を国に求める。大規模小売店舗立地法の運用では、地元住民からの意見を十分に聞き、出店者サイドの法運用に偏ることのないようにし、市内の中小商業を守る。また、市独自の「まちづくり」条例を策定し、大型店の出店に必要な規制措置を講じる。
A 市として、地域になくてはならない商店街の位置付けを明確にし、商店街・市場などへの支援を強化する。商店街等が自ら行う活性化努力を励まし、大阪市として消費者二−ズの調査など情報提供や、コンサルタント費用助成など支援を強化する。
B 空き店舗対策(一定期間の家賃補助と改装費の一部補助)を抜本的に強化する。個店への創業支援にとどまらず、その商店街全体の振興策と結びつける。空き店舗をホームヘルパー基地やデイサービスに活用するなど地域福祉に貢献できる商店街づくりも行う。

8)大企業の下請けなど中小企業いじめをやめさせる。
@ 「下請代金支払遅延防止法」「下請中小企業振興法」「建設業法」「建設産業における生産システム合理化指針」などの法令について、市長はじめ理事者が直接大企業や親企業に出向き、遵守を要請する。                 
A 市発注の工事で、元請け企業が倒産した場合、下請け企業への未払い金支払い等救済措置をとる。

9) 中央市場、東部市場内業者の営業を守る。
@ 中央・東部市場内で仲卸業者などが使う水道料金などが割高になっており、少なくとも市場外と同等になるようにする。
A 中央市場の家賃は業者の負担能力を配慮して低廉な額とする、又、休日をへらす動きがあるが時代と逆行するもので中止する。
B 中央市場で早朝より働く人たちのために浴場の設置を行う。
C 東部市場の建て替えにあたっては、業者の意見を聞いて行う。

10)狂牛病問題については、南港食肉市場の設備改善や検査体制の拡充など、安全な食肉の供給に万全を期す。

11)生産緑地法のもとでの市内農業の保護、育成のために、農家の実情に見合った農業振興策を講ずる。
@ 生産緑地内で安心して営農出来るよう、日照、用水、通行等確保するなど生産緑地に対する施策を積極的に行なう。
A 生産緑地の追加指定を希望する農家には積極的に指定を行なう。
B 宅地化農地にも営農意志が確認できる限り、農業振興等を講じる。


 3、憲法・教育基本法・子どもの権利条約にもとづく、子どもたちのひとみ輝く  教育を進める

1)教育基本法の改悪に反対する。

2) 「大阪市教育改革の基本方向」にもとづく「大阪市教育改革プログラム」の策定に当たっては、十分な時間的保障と、広範な市民的論議のための資料提供や、現場の教職員をはじめ学校関係者や市民の意見を十分に反映する場を保障する。
@ 受験中心のつめこみ教育、競争教育、ふるいわけ教育から子供達を解放し、一人一人の子供の成長と発達を中心においた教育、すべての子供が分かるまで教える教育への改革をはかる。
A 「学校教育自己診断活動」、「学校評議員」は、学校と教職員の自主的な教育活動を否定し、管理・統制をすすめるものであり、これを導入しない。
B 中高一貫校の選択的導入は、学校制度の複線化構造をすすめ、憲法・教育基本法が保障している教育を受ける平等原理を崩すものであり、これを導入しない。
C 「体験的学習推進事業」は、特定の教育活動に重点を置くのではなく、各学校園の実態に基づき、教職員の合意による教育活動を支援するものとする。「学校支援人材バンク」は、授業は教員が責任をもっておこなうものであることを基本に、特定の運動が持ち込まれたり、教職員の合意なく活用されることのないようにする。

3) どの子にもゆき届いた教育をすすめるために、1クラス30人学級の実現を強く国に求めると同時に、大阪市独自でもただちに実施する。障害児の在籍で実質41人以上になる学級を解消する。前年度に比べ学級人数が急増する学級には教員を加配する。

4) 市立幼稚園に希望するすべての子供が入所できる体制を早期に実現する。   3才児保育の実施園を拡大し、希望するすべての3才児が入園できるようにする。

5) 人間をおとしめ、粗末にする風潮をゆるさず、人間の生命や互いの人格と権利を尊重し、みんなのことを考えることや、真実と正義を愛する心と、いっさいの暴力、うそやごまかしを許さない勇気を持つことなど、健全な市民道徳の形成のために市と教育委員会が教職員や市民とともに力をつくす。

6) 貝塚養護学校での不登校を伴う心身症児等の教育の実績を認め、広く実績を知らせるとともに、不登校児の就学が保障されるようにする。不登校児をもつ「親の会」への助成措置を行う。

7) 学校週五日制に伴い、土曜日における子供たちの安全で自由な生活や活動を保 障するため、万全の対策と条件整備を行う。
@ 休業日となる土曜日の学校・園の開放に当たっては、学童保育の子供たちをはじめ全ての子供たちに体育館(講堂)、校庭、図書館、特別教室など必要な施設を開放する。
A 児童数や障害児学級の実態に応じ専任職員や指導員の配置に万全を期し、必要な人件費、設備費を確保する。父母に無用な負担をかけないようにする。
B 海遊館、科学館など無料開放を拡大する。
C 養護教育諸学校の休業日の活動にたいし、指導、援助の体制を抜本的に強化する。

8) 「君が代」の斉唱、「日の丸」の掲揚を、学校教育現場に押しつけない。

9) ゙中学校教科書から「従軍慰安婦」の記述を削除せよ″などの「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教育を歪めようとする動きに反対し、真理と歴史の事実に基づく平和教育を行う姿勢をつらぬく。

10) 大阪市教育委員会議に、父母、市民、教職員の意見を反映するなど、開かれた教育行政を進める。また、教育委員の準公選制導入を行う。

11)就学援助金を受けやすいものにし、就学援助制度規則の民主的改正で子どもの心情を傷つけない制度に改善する。
@ 従来通り、認定権は区長に残し、区役所でも学校でも受理する。子供を介さない直接支給とする。
A 認定基準を引き上げ、住宅ローンも特別な支出と認めるなど実態に即して適用する。
B 申請受理は年間を通じて行い、支給を速やかに行う。
C 両親以外の家族の収入を支給基準に機械的に算入することはやめる。

12) 学校給食を安全で豊かなものにする。
@ 文部省の「学校給食施設・設備の環境衛生整備基準」にあげられた事項を完全に実施するとともに、急いで、手洗い場の複数設置や給水栓の混合栓化、空調設備の拡充、ドライシステムの導入など施設の改善を行う。
A 米飯給食は自校炊飯を原則とし、実施回数を週3回とする。一括購入・統一献立方式を見直し、学校毎に食材を購入し自校で独自献立を立て調理する自校方式に転換する。施設・設備についてもこれに合わせて改善をはかる。
B 全国的にも6割を超えて実施されている中学校給食を、教育の一環として位置付け早急に実施する。
C 全校園に食堂(ランチルーム)を設置する年次計画を立てて建設する。また給食用運搬エレベーターを学校の要求に応じ設置する。
D 養護教育諸学校の給食は、障害の実態に合った献立、調理、栄養内容が保障できるように充実をはかる。寄宿舎舎食(1日2食)がおかれている状況・重みを踏まえ、寄宿舎厨房の整備改善を急ぐ。
E 遺伝子組替え食品・食品添加物及び有害のおそれのある食器・食品包装材料を早急に排除する。
F 給食調理員の増員をはかるとともに、栄養士を全校に配置する。

13) 施設整備をはじめ、ゆきとどいた教育をすすめるための教育条件整備を行う。
@ 施設整備予算にかけられているマイナスシーリングを外してマイナスシーリング以前の予算規模に直ちにもどす。
A 昭和40年代以降の要耐震補強校舎や耐震補強工事から外されている昭和30年代の老朽校舎の建て替え計画を明らかにし、この建て替えを急ぐ。
B 全校園の普通教室に冷房設備を整備するための年次計画を立てて推進する。
C 全校園の教室の照度調査を行い、劣悪な教室には照明器具を増設する。
D 保健室の拡張、内部設備の整備、とくに、男女別温水シャワ−を設置する。
E 男女別職員便所、休養室を全ての校園に設置する。
F 3K(きたない、臭い、暗い)と言われているトイレの改修をただちに行う。
G 障害児に適した養護学級教室への改修、エレベーター、障害児用のスロープ、  階段の手すり、洋式トイレなどを設置する。

14) 学校園における安全確保等をすすめるため、以下の項目を実現する。
@ 各校園に警備専任員や臨時職員を含む教職員の増員、少人数学級の促進により、子どもたちに目がゆきとどく体制を充実、強化する。
A 各校園の安全を確保する上から、現場の要望に基づき、職員室や各教室の配置などを見直す。
B 通学時の子どもたちの安全確保のために「交通専従員」を配置する。
C 安全な学校づくりのために地域に開かれた学校づくりをさらに進め、積極的に保護者や地域住民の参加を促進し、子どもたちを守り育てる体制を推進する。

15)大阪府「新行財政計画」がかかげている府単独加配教員全廃の中止と生徒指導主事、専科教員、養護教諭などの削減分の復元を行うよう府に求めるとともに、大阪市独自に復元、拡充をはかる。教育指導が困難となっている学校へ教職員を独自加配する。

16) 一般校への重度障害児の入学に際しては、就学適正委員会でキチンと判断するとともに、医療的ケアや介助のできる人材を大阪市独自でも配置する。

17) 養護教諭の配置について、国、府にも働きかけると同時に市独自でも、全校で複数配置し、子どもの心身のケアー充実を行う。

18) 小学校の水泳指導時期に子どもの安全を確保するため、補助員を配置する。

19) 教職員の採用前研修をやめ、教職員の管理・統制につながる初任者研修制度にも反対するとともに、学校内外での教職員の自主的研修を保障する。

20) 養護教育諸学校の教育を充実する。
@ すべての教室・体育館に空調設備を設置するなど、医療的ケアを必要とする子どもたちが、安心して学校生活を送れるよう条件整備を行なう。
A 西大阪と東南地域に知的障害養護学校、西南地域に肢体不自由養護学校を早急に建設する。また、寄宿舎を併設する。
B 難波養護学校の校舎を早急に建て替える。建て替えに際しては、教職員・保護者等との協議を十分に行う。
C 聾学校幼稚部、知的障害児養護学校の教室を増設し、教室不足を解消する。
D 聾学校の校舎・寄宿舎改築についての方針を早急に示す。また、聾学校寄宿舎厨房を学校給食と同様の衛生管理が行えるよう緊急に改善する。
E 長谷川羽曳野学園に1週1直に見合う男性職員7名、女性14名を確保する。中学卒業後も在園しながら高等教育が受けられるよう「学校管理規則」を改正し18歳までの生活を保障する。
F 盲・聾・養護学校においては標準法・実態を踏まえて学級編制を行い、子どもたちの障害の状況にあった教職員の加配を行う。重複障害学級を実態に応じて認定する。貝塚養護学校の学級認定は前年児童生徒数のピーク時を基準にする。幼稚部に、小中学校と同じように「自立活動」が行われていることに基づく教員配置を行う。
G 地方公務員法の定めに従い教職員の採用は正式採用を原則として行う。また、教員採用選考については、人事院規則第44条の趣旨に基づき講師経験を考慮する。
H 通学条件を大幅に改善するためスク−ルバスの小型化や増車、タクシー通学の導入で30分以内の通学(自宅〜学校)を確保するとともに、添乗員を複数配置して安全の確保をはかり、緊急時に保護者と連絡等がとれるようにする。

21) 市立高校の教育条件を改善する。
@ 高校30人学級(定時制20人)を早期に実現するように国・府に働きかけるとともに、市独自でも早期に行う。
A 扇町高校の移転時期や基本構想を早く示す。
B 老朽校舎、老朽施設の改善を教育委員会の責任で早急に具体化する。
C 南高校・東商業高校の同一グランド共用をやめ独自グランドを確保する。また、都島工高(都二工高)、中央高の第二グランドを近隣地に確保する。
D 授業料減免の基準・適用範囲を拡大し、父母負担の軽減を行なう。
E 定時制高校を充実させて、就学率を高め通学を保障する抜本的対策をとる。
F 学校図書館司書制度を確立し、各校に正規・専門・専任職員を配置する。
G 生徒減少期のいま、高校進学希望者全入制度の実施を国に求める。
H 市立高校の普通教室、特別教室に空調設備を設置する。

22) 大阪市立大学の研究・教育条件を改善する。
@ 市立大学の教育研究費の拡充をはかる。
A 大学院再編にあたり、予算、教職員を増やし、労働条件の改善をはかる。
B 夜間大学院構想を進める。
C 学内の全講議棟に空調設備を早急に設置する。
D 学術情報センターのコンピユーターの台数を増やす。開館時間を延長し、日曜日も利用できるようにする。
E 下宿生補助の人数枠(現行60人)を拡大する。
F 入学金・授業料を引き下げる。授業料減免制度、奨学金の予算を増額し、募集人数を大幅に増やす。学部別授業料は導入しないこと。学費のスライド制をやめる。
G 学生の就職について、就職部など専門ポストを設ける。
H 保健センターやカウンセラーなど相談室体制の充実を早急にはかり、精神的にケアを必要とする学生への対策を強化する。
I 医学部・附属病院の教員研究費・教育授業費・研究費補助金や病院予算の増額をはかり、職員・看護婦の労働条件、福利厚生施設を改善する。

23) スポーツは「市民の権利」であることを明確にし、その振興をはかる。
@ 市民スポーツ振興のために施設・設備の建設や、指導者の育成、クラブや団体への助成、スポーツ関連の生理学や医学の振興についての「市民スポーツ振興計画」を立て、思い切った予算措置を講ずる。
A 小・中学校の運動場、体育館、講堂、プールなどをはじめ、市立高校の施設を含めて、学校開放をすすめ、可能なかぎり、自主的なスポーツ活動の場を提供する。B 体育館・温水プールを全区に早急に建設し、体育指導員を配置するとともに、料金の軽減、利用時間の延長など利用しやすいようにする。

24) 青少年のための文化施設をはじめ、高齢者、女性などが利用しやすい文化施設を身近なところに建設する計画を立てる。当面、関連公共施設(公設民営の場合も)の使用料の引き下げや、申し込みの受付を6カ月前からとするなど、利用方法の改善、利用時間の延長など市民が使いやすいものにする。

25) 地域図書館を当面1区2館をめざして増設する。開館時間の延長、蔵書の増加など内容を改善すると共に、生徒、学生などの自習室を増設する。児童図書館、地域文庫の設置をすすめ、移動図書館も増やし、さらにきめこまかく地域を廻れるようにする。

26) 「大阪文学センター(仮称)」を早期に建設する。

27) 文化、芸術、芸能の専門家の活動を援助するために、長期低利の融資制度をつくる。小学校、中学校の観劇補助金を増額する。高校の芸術鑑賞にも補助金を出す。

28) 「こどもの権利条約」の理念をいかす取り組みを行う。
 当面、理念をいかすための企画や行動計画を作成する「検討委員会」の設置や、「子どもの権利条約」の市民への普及(とりわけ子どもたちの年齢に応じて分かりやすい表現や方法にする)につとめる。

 4、巨大開発優先を改め、市民のくらし向上の街づくりを推進する

1) 夢洲の4万5千人の街づくり計画を抜本的に見直し、土地造成工事をはじめ、北港テクノポート線や夢洲トンネルの建設工事など、全て中止する。
2) 夢洲などの無駄な大水深埠頭建設は中止し、その浚渫土砂の受け入れのための新人工島計画は根本から改める。
3) WTC、ATC、OCAT、シティドーム、クリスタ長堀などへの公的資金投入をとりやめる。
4) USJ事業への本市の関与を根本から改め、特に、区画整理事業の保留地を抱え込むようなことは一切行わない。
5) 関西国際空港の二期事業は中止し、会社の赤字対策は国の責任で行ない、これ以上地方自治体へ負担を押しつけないよう求める。
6) フェステイバルゲートやオスカードリームなどの土地信託事業は、契約変更を求めるなど、抜本解決をはかる。
7) 小学校跡地など64カ所の市有地を民間に切り売りする計画は中止し、社会福祉施設の建設など、地域住民の意見をもとに有効に利用する。
8) 市営住宅の大量建設や民間住宅への援助を強め、住み続けられる街にする。
@ 市営住宅を「当面5年間に15,000戸」ふやす計画をたてる。なかでも、中央区など、市営住宅のない行政区には優先的に建設する。
A 市営住宅に市の責任で消火器を設置する。居住者の要望に基づき、エレベーター内の防犯カメラの設置やピッキング対策など防犯対策を強化する。
B 中層住宅へのエレベーターの設置、「2戸1」、水道の水圧・電気容量不足、風呂の設置などの改善をすみやかに進める。駐車場の複層化も進める。
C 区役所に管理センタ−の支所や受付窓口を置くとともに、1,000戸以上の団地や集中した地域にも置く。
D 単身者向け住宅や子育て支援の募集枠を増やす。
E 公営住宅法改悪に伴う新しい条例のもとで、家賃の上昇が生じている。値上げが生じないよう、また、追い出しが強行されないよう、必要な改正を行う。
F 市営住宅家賃減免制度は継続・拡充をはかる。
G 市営特別賃貸、特定賃貸住宅に減免制度をつくるとともに、国に働きかける。
H 良好な住環境のもとで暮らすことを住民の権利として認める「住宅条例」をもうけ、ワンルームマンションの建築規制や大規模開発業者に住環境の維持・向上を義務づける。
I 新婚家賃補助制度の適用期間内であれば、いつでも申し込めるようにするとともに、年齢制限や所得制限など資格要件を緩和し、活用しやすい制度に改善する。
J 借地借家問題を総合的に取り組む窓口を市役所本庁と各区役所にもうける。
K 民間分譲マンション居住者への援助を強める。
(1) 大規模修繕、駐輪・駐車場の増設、集会所改築などをはじめ、階段手すりの設置など高齢者、障害者の為に改善する場合についても助成制度をつくる。
(2) プレイロットや集会所、道路など、共有地への固定資産税、都市計画税の減免制度の拡充と条件緩和を行う。
(3) 屋外給配水管の取り替えや震災時の応急給水措置への支援を行う。また、マンションにも直接給水の導入を進めるとともに受水槽の清掃などへの助成を行う。水道メーターの取替えは市の責任で行う。

9) 震災に強い街づくり進める。
@ 木造住宅の耐震補強工事補助制度をつくる。また、民間マンションの耐震補強工事助成の拡充を行なう。
A 公共施設の耐震強化を直ちに行うとともに、緊急避難場所となる施設は震度7に耐えるものにする。また、学校の体育館などは冷暖房設備を整える。
B 「消防力の基準」の達成めざし消防自動車や職員を増やす。国の財政支援の強化を求める。また、耐震性地下貯水槽の大幅増、避難路・避難場所の確保と整備など、即応体制を確立する。なお、地域に配備されている救助資器材にはチェンソ−などを加え充実させる。
C 防災に関する情報は全て公開する。また、震災予防に重点をおいた「震災予防条例」を策定する。
D 大震災などの被災者への1000万円規模の個人補償を国に求める。
E 第5次配水管整備事業のスピードアップをはかるとともに、貯水池の全市的増設など耐震計画の具体化をはかる。
F 新宿・歌舞伎町雑居ビル火災の教訓をふまえ、予防要員など、消防職員や建築監察職員の増員をはかる。雑居ビルへの特別対策委員会(各部局の横断的組織)を設置し、安全対策を強化する。

10) 「バリアフリ−社会」を築くための施設・設備の改善を急いで行う。
@ 全ての地下鉄駅に、エレベーターでのワンルート確保を急ぐ。とりわけ、朝潮橋駅の東側出入り口にエレベーターを早急に設置する。ホ−ムドア、又は可動式ホーム柵の設置や車両連結部への覆い設置など安全対策を進める。
A リフト付バス・ノンステップバスなどを増車するとともに、乗降口に障害がないようにする。
B バスの乗り継ぎや終点など主要なバス停に車椅子トイレを増設する。
C 対策の遅れているJRには、強力な指導を国に要請するとともに、市長自らも申し入れを行う。

11) 一刻も早く浸水を解消するために、「1時間60ミリの雨」に耐えうる幹線網の整備など、抜本対策の進捗を早めるとともに、マンホールポンプや雨水一時貯瑠槽の設置など、個別局地対策を推進する。また、事業所や床下浸水世帯にも見舞金支給や税の減免などの措置を講じる。

12) 地下鉄・地下街の水害対策を強化する。
@ 地下空間の管理者への洪水情報等の的確かつ迅速な伝達システムをつくる。
A 避難体制の確立をはかる。
B 地下施設への流入防止等浸水被害軽減対策をただちに具体化する。

13) 「西淀川公害裁判」での和解や「川崎公害裁判」での判決などの内容に学び、被害者の救済・再び被害者を出さない・環境優先の立場で町の再生に取り組む。
@ 二酸化窒素などの大気汚染防止対策を抜本的に強化し、一刻も早く環境基準を達成する。工場や事業場の保有する自動車の排気ガスの総量規制を行う。固定発生源の窒素酸化物排出総量目標を、現況に見合って、さらに低いものに設定し直す。
A 大阪市環境基本条例と大阪市環境アセスメント条例は、環境を守るうえでより実効あるものに改正する。
B 大阪市の小児ゼンソク等医療費助成制度の年齢制限を撤廃するとともに、公害指定地域の再指定を国に求める。
C 自動車排気ガスの環境と健康に与える全面的な疫学調査を市独自で実施する。
D 新たな公害発生源となる電力卸売事業による此花区の大阪ガスによるIPP計画は中止させる。

14) 大阪市として「ダイオキシン削減条例」を制定する。
@ 大阪市の規制基準については「科学者による専門委員会」を設置し、独自の規制目標、達成期限目標を設定した「ダイオキシン削減計画」をつくる。
A 24行政区のすべてでの大気・土壌のメッシュ調査、河川・運河の水質・底質調査、希望者の母乳調査と全産廃焼却炉の調査を行う。大阪湾の魚貝類の大規模調査を実施する。清掃工場周辺の住民と清掃工場職員の健康調査を実施する。
B 塩ビ製品・塩素系プラスチックのゴミについても分別収集できるように対策をたてる。

15) 工場等の跡地やその周辺地域での土壌汚染から市民の健康と環境を守るための条例を制定する。

16) ゴミ減量をいっそう進める。    
@ 事業系ゴミの排出の規制強化や、分別収集、リサイクルの拡大、過剰包装など
をしない運動やデボジットの推進などを進める。
A 国に対しては、製造者責任の法制化、安易なモデルチェンジの禁止など実効性のある制度を求める。また、「家電リサイクル法」については、施行後不法投棄が増加している事を考慮し、処理費用をメーカー負担とするよう求める。
B 夢洲処分地は最大限延命をはかる。

17) 淀川左岸線第1期は、脱硝装置取り付けを含め、全面フタかけを完全実施する。第2期建設工事は中止し、計画を撤回する。左岸線延伸部分を含む大阪第2環状線は、住民合意なしに構想を推進することはやめる。脱硝装置の実用化を国に強く要望する。西淀川区に重大な公害を持ち込む神崎川線構想は撤回する。

18) JR阪和線の高架化を急ぐ。泉北高速道路の計画は中止する。

19) 市民の身近なところにスポ−ツ広場や緑の施設づくりを進める。人がやすらぎを覚えると言われる「緑被率15%」をめざして「緑」を大幅に増やす。公園面積を市民一人当り7uに置いた計画で具体化をはかり、早期に実現する。
@ 既設の公園にトイレ、時計、チャイム、ベンチ、水道などを設ける。街路樹を増やす。
A 子ども逹がいつでも気軽にボール遊びができるよう既設公園を改善したり、新しく広場をつくる。
B 「緑の協定」の予算を増やし、花と緑の創造を進める。

20) 地下鉄建設にあたっては、イベントや大企業優先ではなく、真に市民の足の利便をはかることや、自動車公害・大気汚染の防止を図る観点から検討を進める。大正区や森小路大和川線(8号線)、此花区などへの地下鉄建設など、市民から出されている要望路線の建設を推進する。特に、8号線今里以南の補助採択に向け、一層強く国に働きかける。

21) 交通事業の改革については、改めて、「公共の福祉の増進」という公営企業の原点に立ち戻り市民の足の利便をはかり、輸送の安全性を確保すると共に、地下鉄建設等の公共負担制度の拡充に努める。

22) バス路線の再編成にあたっては、路線の切り捨ては行わず、むしろ高齢者などにも配慮したきめ細かなバス路線の拡充をはかる。小型ノンステップバス等の運行については地域利用者、住民の声を尊重したものにする。

23) 各駅や市場・商店街の周辺に自転車置場を建設する。有料自転車置場の利用料について減免制度を拡充するとともに「1世帯で2人以上が利用している場合の料金割引制度」等を新設する。

24) 鶴見緑地の緑豊かな再生はじめ緑化を促進し利用者の利便をはかる。
@ 鶴見緑地の施設整備は公園本来の機能や役割をそこなわないものにし、宿泊施設などの人工部分を出来るだけ減らし、緑豊かな公園にする。
A 公園周辺の駐車場については、季節を問わず、市民ニーズに応え、利用時間の弾力的な運用をはかる。
B 「集客施設」などという「コレクタ−的発想」で計画が進められているバ−ドゲ−ジは理念が間違っており、環境保全からみても市の環境基本計画に反するものであり、計画そのものを撤回する。

25) 大企業や経済効率優先の町づくりによる「都市砂漠化」を許さない。歴史的文化遺産、下町に残る町並み、都市空間や自然環境の保全や修復をめざす対策をとる。

26) 他都市と比べ少ない街路灯を増設し、早期に明るい町にする。私道上にも設置する。

27) 阿倍野再開発の旧A2地区については、あらたに莫大な借金を抱え込む計画を大幅に見直し、住民合意で無理のない堅実な計画とする。生野区南部再開発は町づくり協議会だけではなく、広く市民の声や提案に耳を傾け、住民合意を得て民主的に進める。また、西成区の老朽建築物市街地整備事業は、「西成地区街づくり委員会」等の特定団体の意向だけを聞くのでなく、広く市民の声や提案に耳を傾け、住民合意を得て、民主的に進めると共に調和のとれた街づくりを進める。

28) 港区ウオ−タ−フロント地区再開発計画のA地区・C地区・F地区の11.3ヘクタ−ルには都市近隣型住宅の建設が計画されているが、市民が切望している低家賃の市営住宅を建設する。


 5、同和行政をただちに終結し、いっさいの「同和」優先を排する

1) 同和行政は終結し、一般行政にすみやかに移行する。一般行政の中での同和の
特別扱いはしない。個人給付事業は廃止する。

2) 同和教育を終結する。不公正な「同和」加配を直ちにやめ、「同和教育推進校」「同和教育研究指定校」の指定、副読本「にんげん」の配布、市同教、市同高研への業務委託はやめる。また「人権教育」による学校教育への介入をやめる。

3) 「同和保育所」の保育士などの加配や入所の特別枠を廃止するなど、公正なものに改める。

4) 「同和」住宅は広く一般募集を行い、行政が厳正・公正に管理する。

5) 不公正・乱脈の根源である「市同促=窓口一本化」方式は廃止し、いかなる形でも残さず、行政の主体性を確保する。各種手続きは大阪市の責任で行う。市同促への業務委託と補助金は打ち切る。

6) 「解同」の糾弾路線に反対し、確認・糾弾の場に大阪市は同席しない。「解同」
のイデオロギーを職員や教職員、町会役員などに一方的に押しつける同和研修はただちにやめ、自由な意見交換ができる環境を整える。

7) 人権文化センター内にある部落解放同盟など特定団体の事務所は撤去する。各種会館の施設の管理運営は市が直接責任を持ち、全ての市民が気軽に利用できるようにする。日曜、休日も開館する。

8) 「解同」主導のアジア太平洋人権センターへの毎年多額の運営費を大阪市が負
担する仕組みは廃止し、新年度は運営費補助金は計上しない。


 6、平和を守る施策を強力に進め、清潔で市民に開かれた市政にする

1) 自衛艦や米艦船など、軍艦船の大阪港入港は認めない。万やむを得ない場合は、外国艦船に対して、「非核証明書」の提出を義務づける。

2) 二度と核兵器による犠牲者を出さないよう核兵器廃絶の市民運動を励まし、市
自身も非核平和のためのキャンペーンを行う。被爆の実相の普及、反核・平和問題についての社会教育の取り組みを援助する。核実験全面禁止と核兵器廃絶の国際条約の締結に向けた取り組みを展開する。

3) 自衛隊からの自衛官等の募集「協力」には、大阪市として、きっぱり応じられないことを表明するとともに、募集に関する事務は行わない。

4) 「ピースおおさか」の削減した予算を元に戻し、歴史の真実を学問的にきわめる立場で学芸員を複数配置するなど充実させる。

5) 政・官・業の癒着構造にメスを入れる。
@ 公共工事の入札については、指名競争入札中心から一般競争入札に切り替え、入札参加業者を増やすなど、透明性・公平性・競争性を高める。
A 「市職員倫理遵法委員会」をつくり、不当なことが持ち込まれた場合の調査、公表などの機能を持たせるようにする。
B 公務員は業者からの接待やつけ届けは一切受け取らないなどの服務規律を明確にし、違反時には全容を公表するなど毅然とした態度をとる。
C 企業との癒着との批判が強い幹部職員の関係企業への「天下り」を規制する。

6) 外郭団体の補助金や運営を厳しく見直す。外郭団体役員の大幅な縮減と給与、退職金の公表と適正化を行う。

7) 各種審議会や行政委員会を全て公開すると共に、事前に「市政だより」などで審議会の開催を知らせる。選任は公正なものにし、幅広く市民の声が反映するようにする。女性の委員数も増やす。

8) 食糧費・会議費などの接待・交際費に関する公文書をすべて公開する。

9) 大阪市の資産公開条例は改正し、企業・団体献金禁止を明記するとともに、市
長及び議員の資産公開制度も自治省が示した準則の範囲にとどまらないで公開の対象と範囲の拡大、「審査会」の設置、市民の審査請求権の保障などを盛り込む。

10) 関経連会長や大商会頭、府知事との「関西広域連携協議会」で市政の重要項目を決めるやり方が行われているが中止する。

11) 議会選出の監査委員は与党で独占することをやめ、野党からも選任する。民間の監査委員も、法と民主主義に立脚し、厳正・公正に監査できる見識のある人物を選任する。選任手続きも民主的なものにする。

12) 区役所で要求がすみやかに実現できる体制をつくる。
@ 市民の身近な要求は区役所窓口で実現できるように区役所や局の出先機関に独自の予算を増やし、職員体制も整える。また、区長に予算要望権を付与するなど区役所機能を強化する。
A 区民が直接選挙で選ぶ区長準公選制、「区議会の設置」など住民自治を生かすた
めの民間の研究団体による区制改革案を前向きに検討する。
B 老朽化した区役所の建て替えにあたっては住民の声を聞くとともに、豪華施設とならないように努める。
C 各区に「市政総合相談窓口」を設置し、市民サービスの向上をはかる。
D 昼休み中の受付窓口を拡充する。

13) 区役所ロビーで市議会のテレビ傍聴ができるようにする。