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大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案を

尾上議員が提案説明

尾上康雄市会議員

2011年9月30日

 私は、日本共産党大阪市会議員団を代表して、ただいま上程されました議員提出議案第45号、「大阪市国民健康保険条例の一部を改正する条例案」について、その内容と提案理由の説明をいたします。

本条例の内容は、高くて払いきれない国民健康保険料になっている実態をふまえ、障害者・未成年者・寡婦等の方々で、地方税法に定められている所得125万円以下の非課税対象となっている被保険者の国保料所得割額を全額免除する、新たな減免制度を設けるというものであります。

つづいて、その提案理由について申し述べます。

第一は、地方税法の定めによる措置と、本市の国民健康国保険料・所得割額の賦課に大きな乖離があり、これを是正する措置が必要と考えるからであります。

今回の対象となる市民は、地方税法によって住民税が非課税とされ、均等割・所得割とも住民税は全額免除されています。ところが、同じ方々の本市における国民健康保険料にあっては、平等割額・均等割額はもちろんのこと、所得が33万円を超えていれば、所得割額までも賦課されており、その所得割額は最大で1人11万6,840円にもなっています。しかも、国民健康保険料・平等割額・均等割額については、多くの場合、7割・5割・3割・2割のいずれかの軽減がなされますが、所得割額については、災害に遭われた方や所得が前年比7割以下に激減した方等以外は、まったく軽減措置がありません。住民税・所得割額が全額免除されているのですから、これに倣って、これらの方々の国民健康保険料・所得割額も全額免除すべきであります。

第二に、2006年度の国民健康保険料・所得割額の算定法式変更の経過からみても当然と考えるからであります。

それまでの「住民税額に一定の料率を掛け合わせて算出する」という住民税方式であれば、今回の減免提案の対象者は住民税額がゼロですから、国民健康保険料・所得割額もすべてゼロでありました。それが、「総所得から33万円を控除した算定基礎所得金額に一定料率を掛け合わせて算出する」という所得比例方式に変更されたため、所得が33万円を超える人はすべて所得割額がかかってくることになってしまったのです。福祉的対応が求められている障害者や寡婦等の被保険者に、算定方式の変更によって大幅な負担増を強いる結果になっていることは大問題です。社会保障としての国民健康保険制度ですから、一刻も早くこれらの方々の経済的負担を軽減させる措置を講じなければなりません。

第三に、そもそも国保料全体が高くなりすぎており、「誰もが払える保険料」へと大胆な見直しが必要であります。無駄な大規模開発にメスを入れ、不公正な同和行政を完全に終結すれば、そのための財源は十分確保できます。一足飛びに「国民健康保険料の大幅な引き下げ」とは行かないまでも、その第一弾として、真っ先に手をつけていかなければならない今回のような国民健康保険料・減免措置に踏み出し、税金の使い方を市民本位に大きく切り替えていくべきだと考えるからであります。

今回の新たな減免措置に必要な財源は、対象者を2万人、その所得を仮に全員125万円と想定しても、最大で年間、約23億円程度です。

75歳以上の高齢者が国保から抜けた2008年度決算での、大阪市の国保会計への一般会計からの任意繰入額は約215億円です。今年度予算額は198億円ですから、17億円も減らしているのです。その減らした分を元に戻すだけで、今回の新たな減免措置の財源の大半をカバーすることができます。

さらに、昨年度の国保会計では、114億円という史上空前・最高の単年度黒字を計上する見通しとなっています。その原因は、本市の65歳以上の高齢者比率や未成年者比率の高さによって、国からの交付金が増額されたこと等が主なものであり、これは今後も続くものであります。そんな状況をふまえ、累積赤字は長期の計画で解消するという立場に立ち、そのうえで新たな特別基金を設けて、これらの黒字分の一部をその基金に繰り入れることによって、今回の減免措置をはじめ、さらなる国保料引き下げの財源を生み出すことも十分可能となります。 

以上の点をふまえ、議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げまして、本条例案の提案説明といたします。