大阪市予算議会を終わって
日本共産党 関根幹事長にきく
(しんぶん赤旗 2002年4月2日)
 3月29日に終了した、2002年度大阪市予算議会について日本共産党大阪市疑団の関根信次幹事長に聞きました。

−大阪市は、住民の福祉の増進につとめるという自治体本来の役割を果たしたのでしょうか。

自治体本来の役割に照らし

関根 予算案は、市民要求には冷たく、巨大開発やその失敗の穴埋めには巨費を投じるというものでした。切実な願いである介護保険の利用料減免は拒否、滞納が急増しているのに国民健康保険料は3年連続3%の値上げ、保育所に入れない子どもの数が日本一多いのに保育施策は民間まかせ、ぜひ少人数学級の実現をという声にもこたえません。
 オリンピック招致の失敗で大義名分を失ったのに夢洲開発はあくまでも推進、小泉内閣の都市再生プランに乗って大阪駅北地区の開発をスタート、経営破たんの三セク(ATC、WTC、MDC、ドーム、クリスタ長堀)にはこれまで668億円もの支援をおこなってきたのに、2002年度さらに190億円の支援をおこないます。
 わが党は、こうした逆立ち予算をきびしく批判し、市民本位の予算へ組み替えを求め、全力をあげてがんばりました。

同和事業を名変え継続

−3月末で終結しなければならない同和事業を、一般施策と名を変えて事実上継続しようとしましたが…。

関根 同和住宅の空き家募集は、地区の周辺に限定し一般公募に踏み切りません。一民間病院にすぎない芦原病院(浪速区)への補助金も継続し、人権文化センター(旧解放会館)への職員配置もそのまま、同和行政をゆがめてきた同和事業促進協議会は人権協会と改名するだけです。「解同」と一体となって、不公正・乱脈な同和行政の温存をはかろうとしているのです。

−市民の立場に立つ日本共産党と関西財界・大企業に顔を向ける与党(自民、公明、民主)との対比がはっきりした議会でしたね。

新開発求める自公民の論議

関根 与党議員からは、失業、リストラ、医療改悪など市民の「痛み」にまともにこたえようとする議論は聞かれませんでした。「テクノポート大阪計画の新たな展開を」「バイオの研究機関誘致でリーディング産業づくりを」(公明)「大阪駅北地区開発は民間の投資誘発を」(民主)など、磯村市政がかかげる「国際集客都市」づくりの土俵の中で新たな開発を求める議論が目立ちました。

−そのなかで、日本共産党議員団が市民のくらしを守るために奮闘しましたね。

乳幼児医療費助成拡充など

関根 予算は与党によって採決はされましたが、乳幼児医療費助成制度が小学校就学前までに拡充されたことは、日本共産党と市民の共同の成果です。1993年以来、一歩一歩拡充させ、2001年度に通院で5歳児まで対象が拡大されていました。わが党議員団は制度改正条例案を17回も提案、市民からの請願もくりかえし議会に提出されました。
 衰退している大阪製造業の再生へ、東大阪市に続き、23,000の市内全事業所を訪問して調査する予算もつきました。
 わが党議員団は、「大阪市中小企業振興条例案」、「大阪市中高層建築物日影規制条例案」も提案しました。与党が否決しましたが、この実現のため、ねばり強く取り組んでいきます。
 今後も、市民が主人公の大阪市政の実現へ引き続き全力をあげて奮闘する決意です。