(共同提案・採択)

     金融セーフティネット対策等の充実強化に関する意見書

 我が国経済の低迷が一層深刻となる中、中小企業庁による昨年10〜12月の「中小企業景況調査」での業況判断は調査開始(昭和55年)以来2番目に低い数値となるなど、中小企業を取り巻く経営環境は極めて厳しく、一方、喫緊の課題である「構造改革」が推進される中、地域に密着した中小金融機関の破綻が頻発しており、大阪でも第一信用金庫、相互信用金庫等の破綻が相次ぎ、地元中小企業の資金調達に少なからぬ影響を及ぼしているところである。
 今後、不良債権処理の進展やベイオフ解禁を控え、金融機関の融資姿勢がさらに厳しくなることも懸念され、加えて大企業の倒産や金融機関の破綻等の急激な影響により、健全に事業を営んでいる中小企業までもが運鎖倒産や経営破綻に陥らないよう方策を講じていく必要がある。
 よって国におかれては、このような事態を的確に回避できるよう、中小企業の資金調達の多様化・円滑化支援策をはじめ、信用保証協会・政府系金融機関によるセーフテイネット保証・貸付制度の充実を図るとともに、併せて金融機関の「貸し渋り」「貸しはがし」を防止するため、中小企業債権に係る金融庁の検査においては、金融機関の規模や中小企業の特!性を踏まえた判断を行い、また、昨年3月に終了した金融安定化特別保証制度の返済について、申請に応じ弾力的に条件緩和措置を行うなど、金融セーフティネット対策等の充実強化を図られるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(日本共産党原案・取り下げ)

          中小金融機関の破綻防止策を求める意見書
         
 今回の相互信用金庫の破能は、低迷する大阪の地域経済に大きな不安をもたらしている。これまでにも、大阪では、不動信用金庫、なみはや銀行、幸福銀行、大阪第一信用金庫など、中小金融機関の破綻が相次いで、そのつど、関連中小企業の経営を危機に陥れてきたところである。
 今、大阪のみならず、全国的にも、多くの信金・信組が破綻に追いこまれ、昨年1年間で、9つの信金、37の信組に及ぶなど、過去最高の破綻件数となつているが、このような、信金・信組の連続破綻には、小泉内閣の不良債権の「早期最終処理」方針に基づく金融検査に、その最大の要因があることは言うまでもない。こともあろうに、国際的な活動を行う都市銀行と同じ「金融検査マニュアル」で、大半が赤字となつている中小企業を融資対象とする信金・信組の検査が行われてきたのである。結果、それまでの引当金の何倍もの積み増しを強要され、それに応ずることができず、破綻に追いこまれたものである。
 また、従来、「相互援助資金制度」で保護されてきた出資金が、今後は保護されないとされていることも大問題である。そもそも出資金は、地域経済を支える地域金融機関を利用者が共同して支えるために出し合うという性格を有するもので、今後、出資金が一切保護されないとなれば、多くの中小金融機関で出資金の解約につながり、健全な金融機関でも自己資本比率が大きく低下し、さらなる信用不安につながりかねない。
 よって、国におかれては、地方自治体の行う制度融資の一層の拡充とともに、「金融検査マニュアル」の見直しや出資金保護の適切な措置など、中小金融機関の破綻を防止し中小企業の経営の安定をはかられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(日本共産党原案・合意に至らず取り下げ)

        医療保険制度の改悪に反対する意見書(案)
           
  小泉内閣は、健保自己負担の2割から3割への引き上げ、老人保健制度の適用年齢の75歳への段階的な引き上げなど、患者の窓口負担を引き上げることで、医療費抑制をはかろうとしている。
  しかしながら、このようなやり方では、医療制度の真の改革になりえないことは言うまでもない。むしろ、受診抑制が国民的規模での健康悪化をもたらし、かえって、医療費を膨らませるという悪循環に陥ることになるからに他ならない。医療の基本とは、まさしく、疾病の早期発見、早期治療にあるのであって、何よりも、国民の健康を守ると同時に、医療費の合理的節減にもつながるものである。
今日、医療保険を危機的な状況にいたらしめたものは、第一に、国が、医療保険制度への国費支出割合を大きく削減してきたことであり、また第二には、新薬の価格が異常に高く、新薬の使用比率も異常に高いという、薬剤費押し上げの構造であつて、医療改革とは、まさに、ここにこそメスが入れられるべきである。
 よって、国におかれては、患者窓口負担を引き上げるなどの医療改悪はただちに中止し、真に持続可能な国民本位の医療改革を進めることを強く要望する。
 以上地方自治法99条の規定により意見書を提出する。
(与党原案・合意に至らず取り下げ)

          医療制度改革に関する意見書(案)

 医療制度は、年金と並ぶ社会保障の基盤制度であるが、急速に進む高齢化、経済の低迷、医療技術の進歩など、近年、それらを取り巻く環境は大きく変化しており、将来にわたって持続可能な制度としての再構築が求められている。
 このような中で、昨年11月29日には、政府・与党社会保障改革協議会によって「医療制度改革大綱」が取りまとめられ、特に、現下の危機的状況にある医療保険財政等を踏まえ、サラリーマン本人の患者自己負担の増(2割から3割へ)や保険料の引き上げ、高齢者の患者自己負担の原則完全定率化(70歳以上、 1割)、薬価・診療報酬の引き下げなど、取り組むべき具体的な改革案について、現在、平成14年度予算案や医療制度改革関連法案として議論が進められているところである。
 しかしながら、法案の成立までには、なお関係者間の厳しい意見の対立等も予想されるところであり、調整が難航し、結果として制度改革が遅れるようでは、国民の不信感を増大させるのみならず、国民生活にも重大な影響を及ぼす事態ともなりかねない。
 よって国におかれては、医療制度のもつ国民の生命と健康を支えるという極めて重要な役割にかんがみ、法案の審議等に当たっては、国民の理解と支持が得られるよう十分な議論を尽くされるとともに、引き続き、将来にわたって持続可能な安定的な医療制度となるよう保健医療システム、診療報酬体系、医療保険制度全般にわたる総合的な改革を進められるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(日本共産党原案・合意に至らず取り下げ)

      児童扶養手当制度の見直しに反対する意見書(案)
        
 政府が来年度予算案で、児童扶養手当の大幅な削減を盛り込んだことに、母子家庭の間で不安の声が大きく広がつている。改悪案の内容は、年収が130万円から1万円増えるごとに、年間手当額を2000円ずつ減額するというものである。この結果、現在2万円から4万円の手当が、 1万円から2万円減少する家庭もうまれるのである。
 周知のように、児童扶養手当は、 1998年に所得制限が大幅に切り下げられ、 6万人もの人が手当を打ち切られる結果となった。今回の見直しが実行されると、手当を減らされる人はおよそ33万人にものばると言われている。今、母子家庭の7害Jを超える70万人程が児童扶養手当を受給しており、実にこの半数が改悪の影響をこうむることになるのである。
 失業率が過去最悪を更新するなど、国民の生活が深刻の度を増しているなか、このような改悪が母子家庭にさらなる生活苦をしいる結果になることは明らかである。母子家庭の平均収入は一般世帯の3分の1程度にすぎず、児童扶養手当は、文字通り母子家庭の母と子の暮らしを支える命綱となっている。これ以上の削減は到底許されるものではない。
 よって、国におかれては、児童扶養手当制度の見直しは行わないよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
(与党原案・合意に至らず取り下げ)

      児童扶養手当制度の見直しに関する意見書(案)

 児童扶養手当制度は、母子家庭の生活安定と自立促進を通して父と生計を同じくしていない児童の健全育成等を図る福祉制度であり(平成12年度末で、約71万人が受給し、母子家庭を支える主たる経済的援助となっている。
 このような中で、平成14年度予算案等では、児童扶養手当中心の施策体系を改め、制度の所要の見直しを行うとともに、きめ細かな福祉サービスの展開と自立・就労支援策に主眼を置いた母子家庭対策の推進が議論されているところである。
 しかしながら、現在の景気低迷下における雇用情勢や、母子家庭の平均年間収入が、一般世帯に比べ低くなっている実態等を考え合わせれば、単なる予算抑制のためだけの見直しでは、母子家庭の厳しい生活実態に対する配慮を欠き、児童扶養手当制度の趣旨に反するものともなりかねない。
 よって国におかれては、児童扶養手当制度の見直しに当たっては、受給者の生活実態に配慮しつつ、併せて母子家庭の経済的自立支援の観点から、相談機能の強化や就労支援策の充実、養育費の確保策、子育て支援策や生活環境の整備など、総合的な母子家庭対策を推進されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
意見書の経過
意見書の経過